第56回:SONAR X1 Production Suiteダイジェスト・レポート
T(タカユキ):本格的に寒くなってきましたけど、この季節の風物詩と言えばSONARのアップデートですよ!
Y(ヨシノリ):「X1」の次だから、きっと「X1-2」だな?
T:なんか某ゲームみたいだな(笑)。違うよ、『Production Suite』って名前だよ。
Y:スィート!? ……ということは、次は、スマイルだな!
T:なんでCakewalkがプリキュア・シリーズ意識してんだよ! そのうちたくさんのクレームで、このトーク部分が削られるよ!
Y:今年も我々兄弟はこんな感じですが、見捨てずにお付き合いください(土下座)。
T:早速、さっき読んだばかりの漫画「どげせん」に影響受けてるし……。
アップデート・モデル「SONAR X1 Production Suite」とは?
SONARは、2010年12月にユーザー・インターフェースを大幅にリニューアルし、SONAR X1シリーズとして新たなスタートを切りました。今回、そのX1にさらに磨きをかけたアップデート版『SONAR X1 Production Suite』が発表されました!
気になるその中身はというと、SONAR X1 PRODUCERをより洗練&進化させる「SONAR X1 EXPANDED」、ProChannelへ新たに追加されたモジュール「Softube Saturation knob」&「PC4K S-Type Expander/Gate」、そしてソフトウェア・シンセ「Z3TA+ 2」がひとまとまりとなったパッケージとなっており、機能面やサウンド面がさらに強化されています! 紹介したい新機能や改良点がたくさんありますが、主な新機能は今後の連載で改めて踏み込んで紹介しようと考えていますので、今回はダイジェスト・レポートとして『SONAR X1 Production Suite』を駆け足で紹介したいと思います!
【1】ProChannelに「Softube Saturation Knob」&「PC4K S-Type Expander/Gate」が追加! カスタマイズも可能!
X1で搭載された「ProChannel」は、EQ、コンプ、チューブ・サチュレーターといったサウンド・メイキングに重要なモジュールが装備されたチャンネル・ストリップで、それが各トラックに標準で用意されているということが大きな目玉でした。そのProChannelに、今回新たにチューブ・サチュレーター「Softube Saturation Knob」とエキスパンダー/ゲート「PC4K S-Type Expander/Gate」モジュールが追加されました。
「Softube Saturation Knob」は、見た目もシンプルなチューブ・サチュレーターです。ビンテージ機材のシミュレーターで有名なSoftube社のアルゴリズムにより、ビンテージ特有の暖か味をサウンドに加えることができます。デジタルのみで行うDAWでの楽曲制作では、どうしてもサウンドがクリア過ぎてしまう傾向があるので、このようなモジュールで、音のエッジを和らげたり、あえて音を"汚して"みるっていうのも、面白いと思います。
ここで紹介するサンプル音は、ドラムの素材を使い、ツマミを半分くらいまで徐々に回してみました。サチュレーション効果を確認してみてください。
▲画像3:チューブ・サチュレーター「Softube Saturation Knob」。
もうひとつは、80年代に活躍したラージ・コンソールの回路を再現したというエキスパンダー/ゲート「PC4K S-Type Expander/Gate」。エキスパンダーを使うと、ノイズのカットおよび強弱がはっきりとした、メリハリのあるサウンドが手軽に作れます。
サイド・チェイン入力もできるので、ドラムのキックとベースの頭を合わせたり、ダンス・ミュージックでよく耳にする「キックが鳴るとシンセが沈む」といった効果も、簡単に生み出すことができますよ!
ここでも先ほどと同じドラムの素材を使って、オンとオフの違いを聴き比べてみましょう。オフの状態(クリアな状態)から始まって、3小節目からエキスパンダー/ゲートを「オン」にしてみました。
▲画像4:エキスパンダー/ゲート「PC4K S-Type Expander/Gate」。
ProChannelはプラグイン・エフェクトではなく、チャンネル・ストリップに内蔵されているので、使いたい時にすぐに立ち上げられるという利点があります。これら2つの強力なモジュールが追加されたことで、ProChannelがこれまで以上にサウンド・メイキングの中核を担うことになるでしょう。
その一方で、モジュールのラインナップが増えた分、もし全モジュールを表示させたとなると、画面のレイアウトがかなり賑やかになってしまいます。そこで今回、表示のカスタマイズが可能となりました。各モジュールを折りたたんだり、縮小/拡大表示ができるうえ、必要に応じて追加/削除/並び替えも行えるようになりました。
これによって、コンパクトに表示させることも可能ですし、モジュールを追加して画面からはみ出てしまった際には、上下にスクロールできるので、ディスプレイ・モニターが小さいノートPCでも快適に作業が行えます。各モジュールの表示/非表示や、各モジュールのパラメーターなどすべての設定をプリセットとして保存できるので、まず自分が使いやすいようにテンプレート(ひな形)を作って、それを各トラックで読み出せば、作業効率もグンと向上すると思います。
【2】主力級プラグイン・シンセの最新版「Z3TA+ 2」
SONARのアップデートで一番楽しみなのが、プラグインの追加ですよね! 今回はウェーブ・シェイピング・シンセサイザー「z3ta+」の最新バージョン「Z3TA+ 2」が追加されました。我々としてはこれだけでもとてもうれしかったんですよ!
以前よりSONARにバンドルされていた「z3ta+」は、ダンス・ミュージックに最適なプリセット音色が数多く用意されていましたが、「Z3TA+ 2」では、さらにパワー・アップ! より強力なプラグイン・シンセとなり、ダンス・ミュージック制作の主力選手として活躍してくれることは間違いないでしょう。
▲画像6:見た目も新しくなったウェーブ・シェイピング・シンセサイザー「Z3TA+ 2」。
しかも、ユーザー・インターフェースが一新され、さまざまな表示や細かいパーツが大きくなり、とても見やすくなりました。相変わらずプリセットも豊富で、これは制作時に大いに活躍してくれそうです。
▲プリセット「Bright Chord Gates F1」。やはりテクノ系プリセットはかなりのクオリティ!
▲プリセット「Sweep Odd F1」。シーケンス・パターンが組み込まれているプリセットもたくさん!
▲プリセット「heaven pad」。トランス系パッドも相変わらずの充実ぶり!
ここ最近、ダブ・ステップ/ブロー・ステップを中心に流行っている「wobble bass(バック・ナンバー『第43回:SONAR大定番ソフト・シンセ「z3ta+」の魅力』を参照)」も、LFOのパラメーターを利用して作ることもできますし、アメリカのメジャー・ヒップホップ・シーンで流行っているようなエレクトロ~トランス系のプリセットも豊富に揃っているので、シーンのトレンドを意識してのトラック・メイキングで活躍してくれそうですね。
第56回:SONAR X1 Production Suiteダイジェスト・レポート
第55回:先進技術で『音』が見える!?「R-MIX」後編の巻 ~エフェクト&応用編~
第54回:先進技術で『音』が見える!?「R-MIX」前編の巻
第53回:SONAR X1ユーザーも嫉妬する!?入門者向け「MUSIC CREATOR 6」がスゴイ!の巻
第52回:ツール・モジュール特集:新機能「スマート・ツール」と各専用ツールの使い分けを考えようの巻
第51回:SONAR X1のエース機能!? トラック・インスペクタを研究しよう!~後編の巻~
第50回:SONAR X1のエース機能!? トラック・インスペクタを研究しよう! ~前編の巻~
第49回:復活!Q&A企画『魁!!SONAR X1塾2011』- 第48回:使い勝手が大幅アップした「ブラウザ」を研究するの巻【後編】
- 第47回:使い勝手が大幅アップした「ブラウザ」を研究するの巻【前編】

Blind Loop Master
ヒップホップ・ユニットBlind Loop Masterとして2004年にデビュー。その後トラック制作、執筆、CM音楽、DJ など多岐にわたる活動を行う。近年ではThe LASTTRAKというリミックス・ユニットを始動。DJ仕様にリミックスした作品が好評を受け注目を集めている。同時にアーティストとの交流も活発となり、元韻踏合組合のMINT氏とはコラボレーションが実現。「だぶすてEP」としてリリースされ話題となる。リミックスやDJのオファーも多く、DJとしては2011年7月には歌舞伎町で行われた野外イベント 「Re:animation」でプレイ。リミキサーとしては同年6月に発売となった覆面HIPHOPユニットMIDICRONICAのRemix盤「改」「混」に参加したほか、ダブ・ステップ専門ネット・レーベルLowfer Recordsの「HARUTA.EP」にも参加している。
Blind Loop Master Myspace:
http://www.myspace.com/blindloopmasterdotjp








