mnavi Academy

COMPUTER MUSIC SONAR 6 第2回:あえて言おう、逆再生であると!の巻 BLIND LOOP MASTER

タカユキ(T):MC Clubの時代から先月まで、これまでの連載ではSONAR6から搭載された新機能や、SONARならではの機能をフィーチャーして紹介してきましたけども、今回は、あえて基本的な機能の1つであるリバースの活用術を紹介いたします!

ヨシノリ(Y):リバースとはオーディオ波形を反転させるだけの機能なのですが、実は我々は、SONARの前身であるcakewalkの頃からリバースを多用して曲を作ってきました。昔はオーディオ編集に関する機能も少なくて、バリエーションの1つとしてリバースを使わざるをえなかったんですが、そのおかげでいろいろなテクニックが蓄積していったんですよ。

T:SONARが進化して多機能となった今でも、リバースを使ったテクニックはかなり楽曲に取り入れているんですが、これまた面白いものが多いので、この機会にみなさんにリバース活用法を2回連載で教えちゃおうと思ったわけです。

Y:楽器店でデモやミニ・クリックをやる際にも、「オーディオ編集で一体どんなことできるか?」を説明する際にリバースを使ったテクニックを披露すると、かなり反応よかったりするので、このmnavi Academyでもいつかは紹介してみたいな、という気持ちがありました。それでは、いろんなオーディオ素材をリバースしてみましょう! ……そう言えば、今月はボケないね。

T:うん、ちょっと具合悪くて……。

Y:コラっ! そのリバースかよ。さっさと本編を始めなさい!

SONAR 6 Producer Edition

▲SONAR 6 Producer Edition

リバースでビートにスパイスを効かせてみよう!

先月の「リズム・プログラミングとはいつも2手3手先を考えて行うものだ!の巻」のオーディオ切り貼り編で作った"ヒップホップ・ビート"を今回の素材として使ってみることにしました。そこで、まずは今回の元ネタとなるヒップホップ・ビートを聴いてみましょう。

ヒップホップ・ビートの画面

▲画像2:前回作ったヒップホップ・ビートの画面。ここからリバースで新しいビートを作り出す。

▲素材となるヒップホップ・ビート

では、このヒップホップ・ビートにひと味加えてみたいと思います。まずは、スネアのワンショットをコピーして、2拍目のスネアの前に適当な位置に貼り付けてみましょう。そして、そのコピーしたワンショット波形をリバースしてみます。スネアをリバースすると、まったく違う楽器の音に聴こえますよね!

波形をリバースした画面

▲画像3:波形をリバースした状態。画面からも、波形が反転した様子が分かるだろう。なお、リバース処理は、波形を選択して[プロセス]→[オーディオ]→[リバース]で実行できる。

▲リバース処理したスネアのワンショット

それでは、リバースさせたスネアの波形を音楽的にエディットしてみましょう。リバースしたスネアのクリップ(オーディオ素材)の後方(つまり、波形の後ろの方)を適度に縮めて、2拍目のスネアの直前に配置してみましょう。こうすることで、2拍目のスネアにアナログ・レコードをスクラッチしているかのようなテイストを加えることができるのです。

リバース波形を移動した画面

▲画像4:リバースした波形を2拍目のスネアの手前に移動させる。元波形のスネアのリリース部分がリバース(つまり逆回転再生)した状態で2拍目のスネアのアタック部に加わるため、スクラッチに似た効果が生まれる。

スネアとまったく同様のやり方で、リバースしたキックも配置してみました。それでは、スネアとキックにリバース・テクニックを取り入れたビートを聴いてみましょう。元素材のヒップホップ・ビートと聴き比べると、ニュアンスの違いが明らかに分かりますよね!

リバース処理後のヒップホップ・ビートの画面

▲画像5:スネアとキックにリバース波形を加えて作った新しいヒップホップ・ビート。

▲リバース処理後の新ヒップホップ・ビート

サンプリングしたオーディオ素材を切り貼りしてグリッドに合わせたリズムを組んでいくと、どうしてもビートが機械的で、ブツ切り感が出てしまいがちです。そのような場合に、ここで紹介したようなリバース波形を加えてみましょう。劇的にビートが変わるというわけではないものの、ビートの疾走感やスウィング感、そして時には一風変わったニュアンスまでをも生み出すことができるのです!