mnavi Academy

COMPUTER MUSIC SONAR 8 Producer Edition 第21回:BEATSCAPE大解剖スペシャル!~Part1の巻~  BLIND LOOP MASTER

タカユキ(T):今回からSONAR 8の新プラグインや新機能について、より一歩踏み込んで紹介していきたいと思います!

ヨシノリ(Y):真っ先に取り上げたいと思っていたのが、新プラグインのBEATSCAPE! 使ってみたら、これまでバンドルされていたものとは違う、新しいタイプのプラグインといった印象ですね。

T:ヒップホップやテクノのようにループを多用するダンス系トラックは、これだけで1曲作れちゃうかもしれないほどの強力なプラグインです!

Y:これだけでも、本当にいろいろなことができるので、じっくりと解説しようと思います。ということで、今回も2回連載で紹介することにしましょう!

T:革命的なプラグインということなので、"28歳の革命"と"39歳の別れの手紙"の2部構成です!!!

Y:何でキューバ革命を題材にした映画と同じタイトルなんだよ! ぜんぜん上手くないから。

T:ちなみに今年で28歳だから、俺もそろそろ革命したい! とりあえず「タカユキの革命プロジェクト」って、ブログを作って世間を騒がせるぜ。

Y:それって去年、金髪○野郎発言で世間を騒がした人のブログ名に似てる気がするんですけど......。

T:まぁ、深く考えないでBEATSCAPEでトラック制作革命するぞー!

Y:テキトー過ぎ!!!

SONAR 8 PRODUCER

▲画像1:SONAR 8 PRODUCER

新たなプラグインBEATSCAPEとは!?

SONAR 8に新しく加わったループ・パフォーマンス・インストゥルメンツ「BEATSCAPE」を簡単に説明すると、16個のパッドにどんどんとサンプルを読み込ませることで、アッという間にカッコいいビートやトラックを作成できるという代物。SONAR 2時代からバンドルされていたCyclonのようなサンプラー系のソフトウェアかと思いきや、サンプルをプレイバックするだけではないディープな機能が盛りだくさんでした!

まず、4GB以上のライブラリに収録されているサンプル・ファイル(ループ素材)は、どれも高音質で厚みのあるサウンドばかり。すぐさま実戦投入できるクオリティです。そのすべてがREXファイル形式(ループがビート単位でスライスされたファイル)ということもあり、読み込むと同時にスライスされたループがキーボードに割り振られるので、すぐにキーボードで鳴らすこともできちゃいます。

ループの読み込みのみならず、編集やエフェクト加工もリアルタイムにサクサクと行えるので、ノリや気分に任せて短時間で一気にビートを作り出したり、その場でビートを組んでいくといったライブ・パフォーマンスにも十分対応できます!

シンプルな音源系ソフトウェアってわけでもないので、ひょっとしたら取っ付き難いと感じる人もいるかもしれませんが、ちょっと使い方が分かれば「コリャ便利!」と大騒ぎになること間違いナシですよ!

▲画像2:BEATSCAPEの画面。

ループをパッドに読み込ませてみよう!

16個あるパッドの中から、「1」のパッドをクリックします。選択されたパッドは黄色い枠がつきます。

次に、左エリアにある[library]タブをクリック。表示された「BEATSCAPE FACTORY CONTENTS」をクリックすると、たくさんのグループが表示され、その中の1つをクリックしてみると、さらに4~9個のファイルが表示されます。

それらのファイルをクリックすると、ループがパッドに読み込まれ、スライスされた波形も確認できます。ちなみにファイルをパッドにドラック&ドロップしても、読み込み可能です。

今回は、"BOOTHILL-77"のグループの中の"Kick-BOOTHILL"をクリック(選択)してみました。パッドをクリックするとループが再生され、もう一度クリックすると停止します。再生中のパッドは、数字がオレンジ色に点灯します。

▲画像3:ループ・ファイルを読み込むと、パッドにファイル名が表示され、波形が確認できます。

▲"BOOTHILL-77/Kick-BOOTHILL"。エレクトロな太いキックですね。

ちなみに、BPMの変更もOK! SONARのオーディオ編集機能「グルーブクリップ」のように、波形を伸縮させてBPMにシンクしてくれます。

このBEATSCAPEのすごいところは、まず音がいいということ。そして、ループを再生しながらも、他のパッドにどんどんループを読み込ませたり、編集ができることなんです!!! ...と熱く語り始めたいところですが(笑)、まずは基礎的な部分の解説からスタートしましょう。

そのままでもカッコいいグループが盛りだくさん!
~グループ&ファイル名の説明

ライブラリには、なんと350種類以上(!!!)のグループがアルファベット順に並んでいます。それぞれのグループは、テクノやハウスなど、さまざまな音楽ジャンルの"ある程度仕上がっているトラック"となっており、そのサウンドをイメージさせる名前が付いています。分かりやすい例を挙げると、「Pianohouse」や「electrorock」といった感じですね。そして、そのグループ名の後ろの数字がBPMを表しています。

このような"ある程度仕上がっているトラック"を構成している各パートのソロ状態のファイルが、各グループ内に4~9個ほどずつ収録されています。ファイル名には、「Kick○○」や「Open-Hihat○○」のように楽器の名前が入ってます。

これらグループ内のソロ・パートがひとつにまとまって、"ある程度仕上がっているトラック"となっているのが、「Combo○○」と表示されているファイルとなります。

それでは、先ほどパッドに読み込んだ"BOOTHILL"グループから、音がひとまとめになっている"Combo-BOOTHILL"以外のループを、空いているパッドに入れてみましょう。

▲画像4:BOOTHILLグループのループは、"Combo-BOOTHILL"を除くと7個(7パート)あります。

こうして7つのパッドに読み込んだ"BOOTHILL"のループを聴いてみましょう!

▲BOOTHILLグループがすべてミックスされたサウンド。

かなりカッコいいエレクトロ・ビートですね! これをそのまま使って曲を作ってしまいたくなります。

先ほども書きましたが、グループの中には、このように"ある程度仕上がっているトラック"の各ソロ・パートと、それらが1つのファイルとしてまとまったComboファイルが収録されているので、「このグループは、どんな傾向のアレンジなのか!?」ということをすぐに確認したい時には、まずは「Combo○○」と名前が付けられたファイルを読み込んで再生してみるとよいでしょう。

グループの枠を超えて
オリジナルのトラックを作る!

パッドにループを読み込ませる方法が分かったら、次のステップとして、グループの枠を飛び超えて、気に入ったループを読み込んでオリジナルのトラックを作ってみましょう! ここからが、BEATSCAPEの真の醍醐味ですよ!!

ちなみにデフォルト(初期状態)では、[PAD SETTINGSS]の[Pad Mode]が「Auto Loop」に設定されており、一度再生をスタートさせると延々とループし続けます。ですから、1つのループを再生しながら他のループを選ぶことが可能です。この機能を使って、いろいろなループの組み合わせを試しているうちに、アッという間にトラックを完成させることができるんです。ヒップホップのトラックを作る際に使われるような、複数のスネアやクラップを重ねていくということも、簡単にできるんです。

それでは、先ほどパッドに読み込ませた"BOOTHILL"グループのループを元にしながら、他のグループのループを組み合わせたので、聴いてみてください。

▲画像5:BOOTHILLグループのキックとクラップだけを残して、他のグループから2種類のスネアとクラップ、そしてハットとシェイカーを組み合わせました(説明用に、グループごとにパッドを色分けしています)。

▲エレクトロなビートに、シリアスな雰囲気を醸し出すストリングを加えてみました。

BEATSCAPEのライブラリは、リズム系のループだけではなく、ピアノやシンセなど上モノのフレーズもとても充実しています。ビートを組むだけでなく、16個のパッドをフルに活用してトラックを丸ごと完成させてしまうことも可能なんです!

あと、せっかく作ったビートやトラックは、必ず「保存」することをお忘れなく!!!

▲画像6:左上にあるフロッピー・ディスクのマークをクリック。表示されたメニュー項目の中から[Save Program as(名前を付けて保存)]を選択し、好きな名前で保存しましょう。呼び出す時は、[Library]タブの2つ右隣にある[Program]タブを選択し、プログラム・ファイルをクリックするだけです。