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第29回:「はぐれAudioSnap刑事ドラム派」と「速報!SONAR 8.5を使ってみた」の2本立てスペシャル

タカユキ(T):今年も、毎年恒例となったCakewalkユーザー・イベント「SONAR PREMIUM DAY 4」に行ってきましたー!

ヨシノリ(Y):去年は私が潜入調査しに行ったんですが、今年は出演者として参加できて、大変光栄でした!

T:これまた場所がすごい所で、"ベルサール秋葉原"という、めちゃくちゃ目立つ所だったんですよ。知らずにたまたま立ち寄って、そのままフラッと入ってきちゃた人も多かったかもね。

▲写真1:目立つ場所で、さらにどどーんと目立つCakewalkのロゴ!

Y:去年もたくさんのお客さんで賑わってたけど、今年はさらに上をゆく盛り上がりだったと思います。SONARの注目度の高さを実感しましたね。

T:このイベントが開催されるということは、ついにSONAR 8.5がお披露目に! この最新版SONARを使ったデモンストレーションが、たいへん充実しておりましたよー。

Y:やっぱり実際に使ってるところを見るのが、一番分かりやすいですよね! あと曲の作り方や機能のとらえ方などが人によって違うので、いちSONARユーザーとしても、とても面白かったですね。

T:CakewalkのデモンストレーターRobin Kelly氏とBrandon Ryan氏をはじめ、mnavi Academy Synthesizerの連載をされている齊藤久師さん、ドラマーでありドラム・テックの三原重夫さん、エンジニアの中村文俊さんなどなど、出る方で出る方、みんなプロフェッショナルなテクニックをバンバン披露していて、その後にステージに出ていく出演者として、めちゃくちゃ緊張させられましたよー(笑)。

▲写真2:デモ・ステージも大盛況!

Y:我々の出番は、抽選会の後の大トリ! みんな帰ってしまってたりして……、と不安に思ったんですが、たくさんの方々に残っていただいて、嬉しかったです!

T:ヒップホップやエレクトロ・ハウスの、最近の流行りの手法を取り入れたダンス・ミュージックのトラック制作と、新機能マトリックス・ビューを活用したライブをやらせてもらいました。

Y:マトリックス・ビューは、オーディオやMIDIのループ素材をあたかも楽器のように自由に扱える機能で、これを触り始めたら、楽しくて延々とやってしまうんですよー。

T:たしかに最後のライブが、ちょっと長かったよね……。

Y:すいません! だって、楽しかったんだもん!

T:いろいろと準備不足だったので、あの内容で大丈夫だったか不安だったけど、CakewalkのRobin氏とBrandon氏が褒めてくれたので、嬉しかったなー。

Y:このような、年に一度のイベントがあると勉強になるし、ユーザー同士の交流の場にもなると思うので、ぜひとも来年も参加してみたいですね!

T:そんな最新版SONAR 8.5の速報レビューは、今回の連載の後半に書いてますので、ぜひチェックを!

Y:さて、ここからはいつもの連載に戻りましょう。今回は、AudioSnap機能を再び取り上げてみようと思います。この機能はいろんな使い方ができるので、まだまだ紹介しきれてない感があるんですよ。しかも、最新版8.5ではAudioSnapがバージョン2.0へと進化しており、ますます重要な機能となってきてると思います。

T:まだあまり活用していなかった方も、そろそろ本格的にAudioSnapをチェックしてみてはどうでしょうか!

SONAR 8 PRODUCER

▲画像3:SONAR 8 PRODUCER

生ドラムとリズム・マシンの音色を融合する方法とは!?

近年、世界的にもエレクトロ・ミュージックの勢いはすさまじいですねっ! フランスのレーベル「KITSUNE」や「ED BANGER」が、どんどん新しいエレクトロ・アーティストをクラブ・シーンに投入して大人気を博していますし、全米のヒット・チャートは、以前にも増してエレクトロ化したヒップ・ホップやR&Bがズラリ! この傾向はロック・バンドにおいても例外ではありません。今や当たり前のように、シンセやドラム・マシンで構成されているロックも多いですし、ドラムのキックやスネアなど、一部のパーツのみをドラム・マシンの音源やサンプル音に差し替えて使っているというアレンジも、たくさん耳にするようになりました。

でも、こういった、生音をマシン音源に差し替える作業って、どうやっているのでしょうか? 以前、友人からも「録音した生ドラムのキックやスネアの音を、プラグイン・ドラム・マシンの音に差し替えたいんだけど、どうしたらいいの?」という質問を受けました。そこでこの機会に、そのテクを紹介したいと思います!

生ドラムのキックをドラム・マシンのキックに差し替えよう!~前編

生ドラムの音をMIDIデータに変換するために、ピアノ・ロール画面などで、MIDIノート情報を1つ1つ書き込んでいくのも悪くはありませんが、それはとてつもなく長い時間と労力を要する、大変な作業になってしまいます。もちろん、生ドラム特有のズレ、すなわちグルーブ感を忠実に再現するのは、非常に困難! ......考えただけでマウスを投げたくなる、壮大な作業です(笑)。

そんな時に超便利なのが、「AudioSnap」の「グルーブの抽出」という機能です。この機能を使えば、これらの作業が簡単に行えるのです!

●いざ、AudioSnapを起動!

マルチ・マイクで各パーツが個別のトラックで録音された生ドラムの中から、キックだけをドラム・マシンの音源に差し替える手順を紹介します。

まずは、バラで録音されたドラム・トラック全体のサウンドを確認しましょう。

▲画像4:上から、キック、スネア、ハイハット、タム、トップマイクL、トップマイクR、エアー(オーバートップ)の各トラック。

ここで、キックのクリップでAudioSnapを起動します。方法は、クリップ上で右クリックをし、[AudioSnap]-[AudioSnapオン]を選ぶだけです。

するとAudioSnapパレットが表示されるので、[タスク]内の[グルーブの抽出]を選択し、左上の[AudioSnapトランジェントマーカーを展開]ボタンをクリックします。この際、事前にトラックを"ソロ"にして、見やすい大きさに表示しておくと作業がしやすいですよ! では、キック単体の音を聴いてみてください。

▲画像5:画面下にあるのがAudioSnapパレット。これの左上にある[AudioSnapトランジェントマーカーを展開]ボタンをクリックすると、キックのクリップのトランジェントマーカー(紫の縦線)が、他のトラックでも使用できるようになります。

【用語】トランジェントマーカー
タイム・ストレッチやクオンタイズの目安となる単位を「トランジェント」と言います。その位置に表示されるマーカーが「トランジェントマーカー」です。

●トランジェントマーカーを整理する!

キックのソロ(つまり、キックのマイクだけの音)を聴いてみるとよく分かるのですが、実際にはキック以外のパーツの音も録音されています(俗に"音が被ってる"なんて言います)。そのため、AudioSnapのトランジェントマーカーが、キック以外の音も検出して表示されてしまっています。このままMIDIデータに変換すると、関係ないスネアやタムのタイミングまでMIDIデータ化されてしまいますので、余分なトランジェントマーカーは削除する必要があります。そこで、[スレッショルド]の値を調節して、キック以外の音のマーカーを取り除きましょう。

なお、スレッショルド値を調節しても削除できないマーカーは、消したいマーカー上で右クリックし、表示されるプルダウン・メニューから[無効]を選択すると、取り除くことが可能です(この場合、マーカー自体は削除されません)。逆に、必要なマーカーが無効になってしまっていたら、同じ方法で[無効]を解除します。

▲画像6:[スレッショルド]や[無効]を使って、余分なマーカーは取り除きます。

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Profile

BLIND LOOP MASTER(鈴木貴幸/鈴木善典)

BLIND LOOP MASTER(鈴木貴幸/鈴木善典)

2000年、岩手県盛岡市で鈴木貴幸、弟の鈴木善典、佐々木崇により結成。ヒップ・ホップ、ブレイク・ビーツを中心に様々な音楽を吸収し続け、独自のユニットに発展。2004年にCDデビュー。現在は、DJやライブのみならず、プロデュース、リミックス、CM音楽の制作、執筆など多岐にわたり活動を継続。10年以上にわたりWindowsマシンで楽曲制作を手がけ、現在は「SONAR」シリーズでレコーディングからミックスまでを行っている。鈴木貴幸と善典の両氏は、プロデュース・ユニット"OKYD(オーケーヤード)"としても活動している。

Blind Loop Master Myspace:
http://www.myspace.com/blindloopmasterdotjp