先月末に発売された『ケークウォークV-STUDIO 20(以下、VS-20)』は、本体ハードウェア(以下、本体)と専用ソフトウェアのギタリスト向けパソコン・レコーディング・パッケージ。アナログの操作感で、手軽にレコーディングを楽しめる製品です。2回連載の後編となる今回は、曲を録音していく工程をとおして、VS-20の魅力を感じていただけたらと思います。
簡単にパソコン・レコーディングが楽しめるVS-20!
VS-20を使えば、「片手でポン!」のアナログ操作で録音が可能です。まさにMTRのようなフィーリングで、簡単にパソコン・レコーディングができてしまいます。しかも、録音までのステップは、たったの3つ!
【ステップ1】
本体と楽器(ギター/ベース/マイクなど)をつなぐ
【ステップ2】
録音したいトラックを選ぶ(本体の[TRACK SELECT]ボタンを押す)
【ステップ3】
本体の赤い録音ボタンを押す
たったこれでだけで、録音がスタートできるのです。
初心者の方が「パソコン・レコーディングは面倒だ」と感じる理由のひとつが、録音までの設定に時間がかかること。しかし、このVS-20はいちいちソフト側でインプット等の設定をしなくても、手軽に録音できるのが最大のポイントなのです。今までパソコン・レコーディングを敬遠していた方も、VS-20であれば、楽しみながら録音作業を体験できるはずです!
それでは、実際に曲を録音していきましょう。
工程1:ドラム・パターンを決めよう
まずは、付属のレコーディング・ソフト『Cakewalk Guitar Tracks 4』をパソコンで起動します。そして、Guitar Tracks 4の画面左下にある[メディアブラウザービュー]をクリックすると、付属フレーズ・データ(オーディオのループ素材とMIDIトラック)の各フォルダが表示されます。
こうして使いたいリズム・パターンを選んだら、ファイルをマウスでトラックにドラッグ&ドロップするか、ダブル・クリックをすると、トラックに読み込まれます。ここでは、オーディオ・ループを使い、[Durm]のPOPフォルダ内にある『100_Pop19.wav』を使うことにしました。これは、8ビートのドラムにパーカッションが加わった、リズミックなパターンとなっています。聴いてみてください。
▲100_Pop19.wav
ここでワンポイント・アドバイス。Guitar Tracks 4は、各トラック左端に表示されている画像を変えて、トラック・ビューの見た目をカッコよくすることもできます。音楽制作では、こうした見た目も、とても大事。制作時のモチベーションや音楽のアイディアなどは、意外と何気ないところからも影響を受けるものです。それではトラック左の画像を右クリックして、プルダウン・メニューからアイコンをロードしてみましょう。
工程2:ベースを録音しよう
ドラム・パターンが決まったら、次はベースの録音です。ベースを持っている方なら、本体に直接ベースを接続して、『エフェクト・エディター』を起動します。ベース・アンプのプリセットを選べば、これで録音準備は完了です。

▲画像6:ボスのマルチ・エフェクター「MEシリーズ」とそっくりなデザインのエフェクト・エディター。プリセット・ナンバー046「BASS CLEAN」の音色には、プリアンプ・タイプ【BASS AMP】が使われています。
しかしここでは、あえてベースを使わずに、ギターを弾いてベース・パートを録音してみたいと思います。そのような場合、プリセット・ナンバー044の「GUITAR to BASS」を利用しましょう。これを使ってギターを弾くと、ベースと同じ1オクターブ下の音で鳴らすことができるのです。しかも「OD/DS」セクションの【BASS DRIVE】と、「MODULATION」セクションの【3-BAND EQ】がオンになっているので、ブリッとしたドライブ・サウンドにできます。なお、プリセットのままの状態ではやや録音レベルが低くなってしまうので、アンプやエフェクトなどのレベルを上げて、音量を調整しましょう。

▲画像7:プリセット・ナンバー044「GUITAR to BASS」。ボーカル用エフェクターを利用して、ギターの音を1オクターブ下げるプリセットです。【BASS DRIVE】と【3-BAND EQ】のレベルを上げて、音量を設定しましょう。
●録音時のポイント1:メトロノーム設定
録音の前に、メトロノームの設定を行いましょう。Guitar Tracks 4の画面下部にあるトランスポート部に、メトロノームのアイコンが見えるはずです。これを右クリックすると[プロジェクトオプション]が表示されるので、ここでメトロノームの設定をします。
●録音時のポイント2:録音トラックの指定
録音するトラックを選択します。これは、画像9のように、本体のトラック・ボタンを指で押すだけでOKです。しかも動作は、パソコン上のGuitar Tracks 4の画面(コンソール・ビュー画面)ともリンクしています。
この状態で、一度試し弾きをしてみましょう。もし、ヘッドホンやモニター・スピーカーから聴こえるベースの音量が小さいと思ったら、本体に用意されている[DIRECT MONITOR]ツマミで調整してください。
それではレコーディングを開始しましょう。操作は、MTRとまったく同じ。本体の赤い録音ボタンを押せばカウントが鳴り始め、あとはドラム・パターンに合わせてギターを弾くだけです(もちろん、ここで録音するのは、ベース・パート!)。こうして録音したベース・パートを聴いてみてください。
▲ギターを使って録音したベース・パート
工程3:ギターを録音しよう
それでは、いよいよギターの録音です。操作手順そのものは、ベース録音の場合とまったく同じとなります。そこで、ここではギターの音作りについて解説しましょう。
●バッキング
まずは、バッキング。今回はクランチ・サウンドでバッキングを聴かせたいので、ブリティッシュなクランチ・サウンドをモデリングしたプリアンプ【VOX DRIVE】が使われているプリセット「VO CRUNCH」を選択しました。「OD/DS」セクションの【OD-1】をオンにして、さらに歪ませています。それでは、録音したトラックを聴いてください。
●メロディ
次にメロディです。ここでは、新開発のボス・オリジナルのプリアンプ・タイプ【ULTRA METAL】を使ってみましょう。プリセットは、ずばり「METAL LEAD」です。プリアンプ側のボリュームを上げて、レベル調整をします。このプリセットは、「COMP/FX」セクションで【PRE EQ】、「MODULATION」セクションで【3-BAND EQ】がかけられ、さらにシングル・ディレイ(「DELAY」セクションで【SINGLE】をセレクト)、そして【REVERB】もかけられています。
●ソロ
続いてソロを録ってみました。サウンドはメロディの録音で使用したプリセットを使い、そこからディレイを8分音符のテンポ・ディレイにして、ディレイ・レベルも上げめにしました。プレイそのものは、全体的にピッキング・ハーモニクスを効果的に使い、強めのピッキングで弾いてみました。
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