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第36回:2大マルチ・エフェクト特集~前編:PX-64編の巻~

ヨシノリ(Y):みなさま、お久しぶりですっ! 2ヶ月の冬眠期間を経まして、再びSONAR連載を再開させていただきます! 何卒よろしくお願いします。温かい目で見守ってやってください……。

タカユキ(T):連載お休み中に、TwitterやブログでSONARネタを書くって言っておきながら、サッパリ書かなかった! 期待していたみなさんッ、サーセン(_o_)

Y:そのかわりに、日々のつぶやきから我々の音楽活動が垣間見られたかも?

T:うーん、でも思い起こせば、アニメの話題で盛り上がったり、dommuneを聴いて絶叫したり、下手クソなDJをUSTREAMで配信したり、日々の愚痴を延々と垂れ流すくらいで、みなさまのお役に立てる情報を一切流してなかったかも……。嗚呼、重ね重ね、すいませんでした!!!

Y:ですから今回の連載から、改めて「SONAR専門家」としてのポジションを取り戻させてください(土下座なう)。

T:……ということで、必死の謝罪会見からの再開となりましたが(笑)、今回は、SONAR 8.5で新しく追加された「PX-64」と「VX-64」という2つのモビルスーツについて、徹底的に……。

Y:ぉぉぉぉおい! モビルスーツじゃないよ! 確かにガンダムの型式番号のRX-78っぽい名前だけどさー、れっきとした優れたプラグイン・エフェクターなんですよ! この「PX-64 Percussion Strip」と「VX-64 Vocal Strip」を2回にわたって紹介させていただきます!

SONAR 8.5 PRODUCER

▲画像1:SONAR 8.5 PRODUCER

「PX-64 Percussion Strip」&「VX-64 Vocal Strip」を紹介!

この2つのプラグイン・エフェクターは、コンプやEQはもちろんのこと、それぞれドラム&パーカッション、そしてボーカルの音作りに最適化されたエフェクトが搭載されており、1台で何役もこなしてしまうというとってもステキな多機能&高性能エフェクターなんです。そして、何と言っても扱いやすい! さらに、動作が軽い!! これ、プラグインとしては重要ですよねっ。

私のトラック作りには、すでに「絶対に欠かせない」定番エフェクターとなっています。まだ使ったことがないという方は、ぜひこの機会に使ってみてくださいね!

▲画像2:1台で多機能&高性能!さらに扱いやすくて実にありがたいプラグイン! PX-64(左)とVX-64(右)。

もうPX-64なしでは生きていけない!

まずは、PX-64 Percussion Stripから! 以前にも『第30回:SONAR 8.5へゴーゴゴー!』でPX-64の機能を紹介しましたが、ここでもう一度、簡単におさらいしておきましょう。

PX-64は、ドラムやパーカッション・サウンドに特化した高品位マルチ・エフェクトで、この1台に、トランジェント・シェイパー/コンプレッサー/エクスパンダー/ディレイ/チューブ・サチュレーションが搭載されています。これまで、ドラム・パートなどリズム・トラックの音作りには、何台ものプラグインFXを挿入していましたよね!? それらがすべて、この1台で解決するのです! しかも、私のようにあまりミックスや音作りに慣れていない人でも、右エリアに音の変化がグラフィカル表示されるので、視覚的にも分かりやすくて扱いやすいですし、プロのエンジニアさんが作ったプリセットがたくさん用意されているので、初心者でも安心して導入できちゃいます!

それでは、実際にPX-64の効果を順番に確かめてみたいと思います。そのサンプル素材として、キック、スネア、パーカッション、タンバリンを用意しました。まずは、処理前のサンプルを聴いてもらって、次からの項目をチェックしてください!

▲画像3:用意した4つのサンプル。上から、キック、スネア、パーカッション、タンバリンです。

▲サンプルのビート(処理前)

トランジェント・シェイパー(SHAPER)

「キックを、もっとタイトにしたいなぁ」、「もっとスネアが太くならないかなぁ」と思う時って、よくありますよね!? トランジェント・シェイパーは、元素材の印象を自在に変化させることができる実に面白いエフェクターです。個人的には「PX-64と言えば、まずトランジェント・シェイパー!」と大声で叫びたいくらい、気に入っています。

▲画像4:PX-64の最大のウリとも言えるトランジェント・シェイパー

トランジェント・シェイパーの各ツマミを見ていきましょう。上から、素材のアタック感を調節する【ATTACK(アタック)】、太さや重さを調整する【WEIGHT(ウェイト)】、残響音を調整する【DECAY(ディケイ)】、さらにWEIGHTとDECAYの音の帯域を調整できる【COLOR(カラー)】が用意されています。さらに右側には、その設定がグラフ表示されるので、それを見ながら効果をイメージした調整が行えるのです。

それでは、サンプル素材に対して各ツマミを調節して音作りしてみました。トランジェント・シェイパーの設定画面と音を聴きながら、その効果を確かめてみてください(もし、音の変化が分かりづらかったら、ヘッドホンでチェックしてみてください!)。

★キック

元々太くてリリースが若干長めのサンプルを、タイトでアタック感の強いキックにしてみました。

▲画像5:【WEIGHT】、【DECAY】ともにゼロにしたスリムなキック!

▲処理前

▲処理後

★スネア

ファットで重みを増し、残響音は長く高音域が目立つようにしました。

▲画像6:グラフからもイメージできるように、ファットな音に!

▲処理前

▲処理後

★パーカッション

1つ1つの音の輪郭が明瞭となるように、短めのスッキリとしたサウンドに調整しました。

▲画像7:【DECAY】を短くして、【COLOR】を2つとも高音域に設定しました。

▲処理前

▲処理後

★タンバリン

タンバリン特有のキンキンとした嫌なアタック感をなくしながら、リズムを聴き取りやすくしました。残響感に注目して違いをチェックしてみてください。

▲画像8:【ATTACK】と【WEIGHT】を少し減らしただけのシンプルな設定です。

▲処理前

▲処理後

このように、トランジェント・シェイパーを使うと思い通りに素材の印象を変えられます。しかも簡単に! 実を言うと、私のトラック制作におけるPX-64の使用目的は、その大半がトランジェント・シェイパーだったりするんです。それくらい、コレは使えるヤツなんですよッ!

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Profile

BLIND LOOP MASTER(鈴木貴幸/鈴木善典)

BLIND LOOP MASTER(鈴木貴幸/鈴木善典)

2000年、岩手県盛岡市で鈴木貴幸、弟の鈴木善典、佐々木崇により結成。ヒップ・ホップ、ブレイク・ビーツを中心に様々な音楽を吸収し続け、独自のユニットに発展。2004年にCDデビュー。現在は、DJやライブのみならず、プロデュース、リミックス、CM音楽の制作、執筆など多岐にわたり活動を継続。10年以上にわたりWindowsマシンで楽曲制作を手がけ、現在は「SONAR」シリーズでレコーディングからミックスまでを行っている。鈴木貴幸と善典の両氏は、プロデュース・ユニット"OKYD(オーケーヤード)"としても活動している。

Blind Loop Master Myspace:
http://www.myspace.com/blindloopmasterdotjp