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第41回:進化系オーディオ編集機能「Audio Snap 2.0」~後編

タカユキ(T):前回に引き続き、Audio Snap 2.0を特集します!

ヨシノリ(Y):オーディオ編集を始めてから約10年が経つ我々にとっても、Audio Snapの登場はビックリでしたね!

T:以前は、MIDIとオーディオを混ぜた曲を作ると、途中でBPMを変えるのが至難の業だったからね。

Y:でもAudio Snapがあれば、簡単にオーディオ素材のBPMも変更できるし、一部分だけ波形を前後に動かせるし、自由度が驚くほど高くなるね。

T:楽器の演奏で「ちょっとタイミングが遅れた!」とか「走っちゃった!」っていうミスをどんどん直せるから、「そんな波形! 修正してやる!」と喜びながら編集してるよ(笑)。

Y:でも、あまり編集に頼りすぎたら、演奏が上達しなさそーだけどな(苦笑)。

T:認めたくないものだな。自分自身の、若さ故の過ちというものを。

Y:演奏の下手さは認めてもらいたいけどな(笑)。

T:そんな我々の下手クソな演奏でも、一瞬で光輝く名演に変身するかもしれない(!?)Audio Snap 2.0特集の後編に、いってみましょう!

SONAR 8.5 PRODUCER

▲画像1:SONAR 8.5 PRODUCER

Audio Snap 2.0活用法~応用編

前回の『進化系オーディオ編集機能「Audio Snap 2.0」~前編』に引き続き、Audio Snap 2.0を紹介します!

前回は、新しく追加されたAudio Snap専用編集ツール「トランジェント・ツール」を用いて、Audio Snap 2.0の基本的な使い方を紹介しました。今回はさらに踏み込んで、新機能を紹介していきたいと思います。

▲画像2:Audio Snap 2.0

ワン・クリックで一発テンポ同期!
~その1:生演奏に打ち込みを合わせる~

Audio Snap 2.0の"ウリ"の1つが、この「一発テンポ同期」機能! オーディオ・クリップとプロジェクト間のテンポ同期が、ワン・クリックで行えるようになったんです。つまり、オーディオ・クリップが持っているテンポ情報をプロジェクト全体に反映させたり、反対にプロジェクトのテンポでオーディオ・クリップを再生させることが、実に簡単に行えるようになりました。それでは早速、実演してみましょう!

●オーディオ・クリップのテンポをプロジェクトに同期させる

この機能は、例えば「録音した生演奏ギターのテンポ感やグルーヴ感を残しながら、打ち込みで楽曲を作っていきたい!」、「サンプリング素材のテンポを軸に、楽曲を制作したい!」というような場合に、すごく便利な機能なんです!

それではドラム素材を使って、このオーディオ・クリップが元々持っているテンポをプロジェクトに反映したいと思います。まずは、ドラム素材を聴いてみてください。

▲ドラム素材(オーディオ・クリップ)

ちなみにプロジェクトのテンポ設定は、デフォルト(初期設定値)の【120】で、ドラム素材のテンポは【70】程度です。プロジェクトのテンポ設定とオーディオ・クリップのテンポが違いますから、このままでは画像3のように、当然ながら小節も拍も表示がズレてしまいますよね。

▲画像3:プロジェクトとクリップのテンポが異なっているので、拍子/拍の表示と波形がズレズレです。

ここでAudio Snap 2.0を起動して、パレットの左側にある[クリップから抽出]をクリックします。たったこれだけの作業で、ドラムのテンポをプロジェクトに同期させられるのです。視覚的にも、波形がプロジェクトの小節と拍にピッタリ合わさっているのが分かりますよね!

▲画像4:プロジェクトの小節/拍表示と、ドラムのリズムがピッタリ合いましたね!

今度は、生演奏を録音したギターでも試してみましょう。これが私が演奏したギターです。

▲生演奏のギター素材(オーディオ・クリップ)

毎回しつこく言い訳をしていますが、私は残念ながらギターの演奏が下手クソなので、プロジェクトのテンポ設定とズレズレの状態で録音されてしまいました......が、もちろん心配無用! 先ほどと同様に、[クリップから抽出]を実行することで、ギター・プレイのテンポにプロジェクトが同期してくれました。

▲画像5:こんな下手クソな演奏の素材でも大丈夫! ギターの"ノリ"に合わせて、しっかりとプロジェクトのテンポが同期してくれます!

ここで試しに、このギター素材のテンポに合わせて、Session Drummer 3でドラムを入力してみました。下のサンプル音のような感じで、下手クソなギターにうまくドラムが合わせてくれます(笑)。Session Drummer 3については、前々回の『第39回:オイラは"Session Drummer 3"!の巻』をチェック!

▲画像6:Session Drummer 3でドラムを入力。

▲生演奏のギター+打ち込みドラム

このように、オーディオ素材のテンポ(BPM)にプロジェクトを同期させることで、生演奏ならではのグルーヴ感を活かした楽曲制作が行えるわけです。

こういった処理そのものは、旧バージョンのAudio Snapでも可能ではあったのですが、いくつかの工程が必要で、手間がかかる作業でした。それがAudio Snap 2.0だと、ワン・クリックで処理が可能に! これほどまでに便利に進化したことは、本当に嬉しいですね!

ちなみに、この手法で楽曲を構成していく方法については、バックナンバーの『第13回:AudioSnapの真髄に迫る~基本編~の巻』と『第14回:AudioSnapの真髄に迫る~応用編~の巻』で紹介していますので、気になる方はこちらもチェックしてみてください!

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Profile

BLIND LOOP MASTER(鈴木貴幸/鈴木善典)

BLIND LOOP MASTER(鈴木貴幸/鈴木善典)

2000年、岩手県盛岡市で鈴木貴幸、弟の鈴木善典、佐々木崇により結成。ヒップ・ホップ、ブレイク・ビーツを中心に様々な音楽を吸収し続け、独自のユニットに発展。2004年にCDデビュー。現在は、DJやライブのみならず、プロデュース、リミックス、CM音楽の制作、執筆など多岐にわたり活動を継続。10年以上にわたりWindowsマシンで楽曲制作を手がけ、現在は「SONAR」シリーズでレコーディングからミックスまでを行っている。鈴木貴幸と善典の両氏は、プロデュース・ユニット"OKYD(オーケーヤード)"としても活動している。

Blind Loop Master Myspace:
http://www.myspace.com/blindloopmasterdotjp