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第54回:先進技術で『音』が見える!?「R-MIX」前編の巻 第54回:先進技術で『音』が見える!?
「R-MIX」前編の巻

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Y(ヨシノリ):今回もSONARからちょっと離れまして、来年1月に発売予定の『R-MIX』という新製品を紹介しますよ!

T(タカユキ):「見せてもらおうかローランドの新製品の性能とやらを」って気持ちで使ってみたんだけど、これがスゴイ!

Y:なんでシャアみたいな言い方なんだよ! 偉そうに!

T:たまには初心に戻って、ガンダム・ネタを入れとこうと思って……。

Y:確かに連載スタートの頃はガンダム・ネタが多かったけどさ。それはともかく、俺たちはサンプリングとかリミックスとか、既存の楽曲に手を加えることも多いから、こういった新しいソフトウェアの登場は、本当に嬉しいよね!

T:シャア風に言う、「見える! 私にも音が見えるぞ!」って感じです。

Y:それだと、さっぱりR-MIXのスゴさが伝わってこないから(笑)!

▲画像1:R-MIX

R-MIXとは?

ローランド・オフィシャルの紹介文を引用させていただくと……R-MIXとは「音楽をビジュアル化し、直感的かつ分かりやすくリアルタイムにコントロールできるソフト」ということなのですが、コンピューター・ミュージック初心者だと、これだけではちょっとピンとこない人も多いかもしれません。そこで、mnavi流にR-MIXをもっと分かりやすく紹介してみましょう。

▲画像2:R-MIXの画面。周波数、定位、音量の3つのパラメーターで分析し、各楽器音をグラフィカルに表示。シンプルな操作で特定の楽器音や音源そのものに対して、さまざまな編集を加えることができます。

画像2は、テレビでよく見かける物体の熱分布を画像化したサーモグラフィーに似ていますが、これはR-MIXの基本画面で、音楽の周波数と定位、それに音量を画像化したものなのです。実際に、音楽を聴きながら画像の動きを見ると、どの音がどこに配置されているか、それが見えてくるんです! そして、さらにこの画像を視覚的に操作してコントロールすることで、その変化を音楽に反映させられるわけです!

例えば、一般的にボーカルは常にセンターに定位していることが多いのですが、そこにカーソルを合せてボリュームを下げていくと、ほかのパートの音は残っているのにボーカル・パートだけが聴こえなくなってしまう! そんなことができてしまうソフトというわけです。

これらは、ローランドが新しく開発した「V-Remastering」と、すでに多くの製品に取り入れられている「VariPhrase」という信号処理技術によるものなんだそうですが、では実際に、どんな使い道があるのでしょうか?

実は先月に開催された『SONAR PREMIUM DAY 2011』で、とても面白い活用例が紹介されていました。それは楽曲の「耳コピー」に使うといったものでした。例えばギターのフレーズを聴きたいという時、まずギター以外の音を消すことで、ギターがどんな演奏をしているのかが聴きやすくなります。反対に、ギターの音を消した状態で自分の演奏と楽曲を合わせてみる、といったことも可能です。さらに、楽曲の再生スピード(テンポ)も変更できますから、オリジナルのBPMよりもゆっくり再生して、いっしょに練習するということもできてしまうわけです。これらの具体的な方法は、後ほど詳しく紹介しますが、そのほかにもまだまだいろんな使い方が、たくさんありそうですよ。

では、まずは基本的な操作方法を説明していきたいと思います。

R-MIXの画面を解説!

R-MIXは、とても高度なことができるにも関わらず、その画面は非常にシンプルで、とても分かりやすいユーザー・インターフェースになっています。画面を切り替えるといった必要もなく、すべての操作をこの基本画面のままで行うことができます。

▲画像3:シンプル設計のユーザー・インターフェース。スピーディーな作業を可能にした分かりやすい編集画面がありがたい!

それでは、画像3を元に各セクションを説明しましょう。

●1:窓

窓(赤枠)は、音を加工する際に、その対象となるものです。窓で囲んだ音像の位置を動かしたり、形を変えたりできます。[SHAPE]で窓そのものの形も変更可能です。

●2:HARMONIC PLACEMENT

音源の周波数、定位、音量を分析して音楽をビジュアル化し、グラフィカルに表示するエリアです。これによって、特定の楽器音をピンポイントで把握することも簡単に行えます。

●3:OUTSIDE

窓(赤枠)外の音像の音量や定位を編集することができます。

●4:INSIDE

窓(赤枠)内の音量や定位を編集することができます。

●5:VariPhrase

ここでは、音源の[PITCH]、[FINE]、[TEMPO]を編集することができます。ローランドが独自に開発した新技術によって、過度のストレッチ時も音の品質を保ってくれます。

●6:EFFECT

窓内の音に対して、コンプレッサーやディレイ、リバーブなど、計8種類のエフェクトをかけることができ、1つのフェーダー操作のみで、エフェクトの調整が行えます。

●7:NOISE CANCEL

窓内の音に対してヒス・ノイズやハム・ノイズなど、計4種類のノイズ除去を1つのフェーダー操作のみで行えます。

●8:トランスポート

音源の再生や停止、マーカー・ツール、ループ再生、トラック内のボリューム・エンべロープ編集などのツールが配置されています。

●9:トラック

音源の波形を表示します。[T1]と[T2]の最大2トラックを使用でき、マーカーを設置したり、ループ再生、ボリューム・エンべロープを書き込んだりすることが可能です。

●10:メニュー内の作業

この項目では、R-MIXの代表的な3つの使用方法「耳コピー」「マイナスワン制作」「リミックス&ノイズ・キャンセリング」のチュートリアルを見ることができます。このようなソフトウェアをあまり触ったことがない方でも、これで安心ですね。

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Profile

BLIND LOOP MASTER(鈴木貴幸/鈴木善典)

Blind Loop Master

ヒップホップ・ユニットBlind Loop Masterとして2004年にデビュー。その後トラック制作、執筆、CM音楽、DJ など多岐にわたる活動を行う。近年ではThe LASTTRAKというリミックス・ユニットを始動。DJ仕様にリミックスした作品が好評を受け注目を集めている。同時にアーティストとの交流も活発となり、元韻踏合組合のMINT氏とはコラボレーションが実現。「だぶすてEP」としてリリースされ話題となる。リミックスやDJのオファーも多く、DJとしては2011年7月には歌舞伎町で行われた野外イベント 「Re:animation」でプレイ。リミキサーとしては同年6月に発売となった覆面HIPHOPユニットMIDICRONICAのRemix盤「改」「混」に参加したほか、ダブ・ステップ専門ネット・レーベルLowfer Recordsの「HARUTA.EP」にも参加している。

Blind Loop Master Myspace:
http://www.myspace.com/blindloopmasterdotjp

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