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> 第59回:さぁZ3TA+2の時間だ!の巻 後編~まだまだ機能が盛りだくさん!~

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バリエーション豊富な内蔵エフェクトにルーティング機能が追加!

メイン画面の上部に[Synth][Effects]というボタンが並んでいて、[Effects]をクリックすると、エフェクト画面に切り替わります。この画面(画像8)を見ると分かるように、画面一面にさまざまなエフェクトが敷き詰められたマルチ・エフェクト状態になっています。

▲画像8:Z3TA+ 2のエフェクト画面です。

それでは、各エフェクトを簡単に紹介していきましょう

●distort(ディストーション)

サウンドに歪みを加えることができます。ディストーション・ギターのように、バリッとカッコよく歪ませたリード・シンセを作りたい時に便利です。5種類のモードがあり、どの信号からエフェクトをかけるか、というルーティングを変更することもできます。

●compress(コンプレッサー)

音圧を上げたい時は、コレを使いましょう。モードは3種類。ツマミはスレッショルド(THRESHOLD)、レシオ(RATIO)、ゲイン(GAIN)が搭載された、標準的かつシンプルな構成です。

●reverb(リバーブ)

[ルーム(ROOM)]、[ホール(HALL)]、[プレート(PLATE)]という一般的なモードと、空間の大きさを決める[サイズ(SIZE)]、リバーブの長さを調整する[ダンプ(DAMP)]、高音と低音の調整を行う[ロー(LOW)]と[ハイ(HIGH)]、そしてレベル[レベル(LEVEL)]という構成になっています。

●eq/simulator(イコライザー/シミュレーター)

7バンドのステレオ・イコライザーです。イコライザー・モードには、各バンドでコントロール可能な周波数が設定された13種類があらかじめ用意されています。シミュレーター・モードでは、30種類のさまざまなEQカーブが用意されており、ラジオ・ボイスのような音などが、簡単に再現できます。

●modulation(モジュレーション)

コーラス、フランジャー、フェイザーといった“揺らし系”のエフェクターを使うことができます。曲のBPMと連動させられる[シンク(SYNC)]や、エフェクト音のハイ/ローを調整できるイコライザーも搭載されています。

●delay(ディレイ)

ステレオ・ディレイ、ピンポン・ディレイ、クロス・ディレイ、LRCの4種類からセレクトする方式。ディレイにも[SYNC]が用意されているので、ディレイ・タイムをプロジェクトのBPMと連動することが可能です。さらに3バンドのEQも装備されています。

●effect routing(エフェクト・ルーティング)

コンパクト・エフェクターの接続順を入れ替えるように、エフェクトをかける順番を設定できます。これほどエフェクトが充実していると、やはりルーティングの変更もしたくなりますよね。順番を変えることで、作り出せるサウンドも変わります。もちろん、各エフェクトにはバイパス機能も用意されているので、使うエフェクトをある程度決めたら、ここでルーティングを吟味してみましょう。

▲画像9:エフェクト・ルーティングも自由自在です!

アルペジオ機能もコントロールしてみよう!

プリセットの種類で「Arps」というカテゴリーがあります。ここには、あらかじめアルペジオ機能のパターンが用意されているプリセット音色がまとめられています。その例として、プリセット「Arping against wind」を聴いてみてください。

このアルペジオ・パターンも、編集することが可能です。

メイン画面の左下に、[mod]と[arp]というボタンが並んでいるので、[arp]をクリックします。そうすると、モジュレーション・マトリクスの画面が、アルペジオ編集画面に切り替わります。

▲画像10:アルペジオのパターン編集画面。

先ほど聴いてもらったプリセット「Arping against wind」を例に、説明しましょう。

プリセットの状態では、[パターン(PATTERN)]が【UP】に設定されています。ここで、[PATTERN]の右側にある三角マークをクリックすると、たくさんのパターンが表示されます。この中から、好きなパターンを選ぶことで、アルペジオの鳴り方を変えることができます。

▲画像11:膨大なアルペジオ・パターン!……あまりに種類が多くて、なかなか選べないかも(笑)。

また、[SYNC]では、パターンが繰り返される周期を設定でき【1/8】から【16】までの変更が可能です。

それでは、プリセット「Arping against wind」から、パターンを【ARP020】、シンクを【1/2】に変更したサウンドを聴いてみてください。

▲画像12:ここでは【ARP020】というパターンを選んでみました。中央に、ピアノ・ロール的にパターンが表示されます。

この[PATTERN]と[SYNC]の2つを変えただけでも、かなり様変わりしましたね! 他にもいろいろとパラメーターが用意されていますし、自分で作ったMIDIのパターンを読み込ませることも可能だったりと、自由度の高いアルペジオ機能なのです。

最後にZ3TA+ 2をうまく使うコツを伝授!

Z3TA+ 2は、たくさんの機能がギッシリと詰まったプラグイン・シンセだということが分かってもらえたと思います! ですが、その反面、パラメーターが多すぎて、どう扱ったらいいのか分からない……と、初心者の方は心配になってしまうかもしれません。そこで、Z3TA+ 2をうまく活用するコツをお教えいたしましょう。

オシレーターの紹介部分でも書きましたが、Z3TA+ 2をうまく使うコツとは「引き算」です!

どのプリセットも、カッコよくて迫力のある音色ばかり。でも、実際に曲中で使おうと思うと、あまりに個性が強すぎる音色は、かえって違和感を与えてしまうことも少なくないのです。例えば、奇抜なオシレーター波形が使われていたり、プリセットでエフェクトがガッツリとかかっていたり、独特なアルペジオ・パターンが組まれている場合、単体で聴くとカッコよくても、なかなか楽曲中では使いづらかったりします。

そういう場合に、「奇抜すぎる波形やパターン」をなくしてしまえばいいわけです。そうすることで、そのプリセット音色を元にしたサウンドが、より使いやすいものになります。

また、エフェクトもZ3TA+ 2内蔵のものだけでなく、他のトラックと同じように、SONARに搭載されているプラグイン・エフェクトを活用することで、楽曲全体の統一感を出すこともできます。さらに、思い切ってアルペジオ機能をオフにして、その音色を活かしたフレーズを自由に作っていってください!

T:前回と今回の2回に分けて紹介したZ3TA+ 2。これをフル活用した作品が世に出ます!

Y:大阪を代表するヒップ・ホップ・クルー“韻踏合組合”所属のCheif Rokkaニューアルバム『in T:my life』に、4曲のトラックを提供しました。このすべての曲で、Z3TA+ 2を使っています!

Y:ぜひチェックして、Z3TA+ 2サウンドを堪能してください!

T:いかに我らが、日頃からZ3TA+ 2の世話になってるかが、分かると思います(笑)。

Y:では、また!

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Profile

BLIND LOOP MASTER(鈴木貴幸/鈴木善典)

Blind Loop Master

ヒップホップ・ユニットBlind Loop Masterとして2004年にデビュー。その後トラック制作、執筆、CM音楽、DJ など多岐にわたる活動を行う。近年ではThe LASTTRAKというリミックス・ユニットを始動。DJ仕様にリミックスした作品が好評を受け注目を集めている。同時にアーティストとの交流も活発となり、元韻踏合組合のMINT氏とはコラボレーションが実現。「だぶすてEP」としてリリースされ話題となる。リミックスやDJのオファーも多く、DJとしては2011年7月には歌舞伎町で行われた野外イベント 「Re:animation」でプレイ。リミキサーとしては同年6月に発売となった覆面HIPHOPユニットMIDICRONICAのRemix盤「改」「混」に参加したほか、ダブ・ステップ専門ネット・レーベルLowfer Recordsの「HARUTA.EP」にも参加している。

Blind Loop Master Myspace:
http://www.myspace.com/blindloopmasterdotjp

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