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第27回:V-Drums ~V-Drumsに最適なヘッドホンの選び方~

みなさん、こんにちは! この夏もドラム・ライフをエンジョイしていますか? ドラムを思う存分叩きたい。そう思っても、日本の住宅環境では周囲に聴こえる音が気になるよね。そこで有効なのが、ヘッドホンでもプレイできるV-Drums。今回は、V-Drumsの自宅練習には欠かせないヘッドホンについて考えてみよう。これまた奥が深いよ。

▲写真1: V-Drumsの自宅練習に欠かせないヘッドホン

V-Drumsとヘッドホンの関係

V-Drumsは、ヘッドホンを使えば外に音を出さずに演奏できるドラム。これは電子楽器ならではの大きな魅力のひとつだよね。じゃあ、どんなヘッドホンがいいのだろう。ヘッドホンなんて音が鳴れば何でもいいと思っている人は多いんじゃないかな? でも、ヘッドホンの選び方ひとつで、V-Drumsをいい音で気持ちよく、そして自然なフィーリングで演奏できるかどうか、かなり変わってくるんだ。いつも使うものだからこそ、ヘッドホンにもこだわってみよう。

ヘッドホンにはどんなものがあるの?

まずは、ヘッドホンにはどういう種類があるのかを紹介してみるね。これを理解したうえで、V-Drums用に向いているもの、また、自分に向いているものを見つけてみよう。

●方式の違い:「密閉式」と「オープン・エア・タイプ」

ヘッドホンには大きく分けると2通りの方式があるんだ。1つ目は密閉式。これは、周りの音を遮断して、ヘッドホンから鳴っている音だけを聴けるように設計されたタイプ。うるさい場所でも音に集中できる利点があるんだ。それに対してオープン・エア・タイプ(開放式)は、周囲の音もある程度聴こえる設計のもの。バンド演奏時に自分の音をヘッドホンで聴きながら、外で鳴っている他の楽器の音も聴くことができるんだ。また、自宅でヘッドホンを使う場合には、話しかけられた声や電話の着信音が聴こえる、なんていう利点もあるよ。しかも、密閉されていないので耳への圧迫感が少なく、長時間使用しても疲れにくい。その反面、満員電車の中で他人のヘッドホンから「シャカシャカ」と音が聴こえるように、ほんの少しだけ音は外に漏れるんだ。しかし、それは至近距離だから聴こえるだけ。V-Drumsで使う場合は、まったく問題ではないレベルだ。自分の練習スタイルなどで選んでみよう。

●形の違い:「オーバー・ヘッド・タイプ」と「インナー・イヤー・タイプ」

今度は形の違いだ。オーバー・ヘッド・タイプは頭の上からかぶる、もっとも一般的な形のヘッドホン。スピーカー部を大きくできるので、音質的に有利なタイプだ。それに対して、インナー・イヤー・タイプというのは、イヤホンのように耳の中に入れるタイプ。ステージで使用する時など、いかにも「ヘッドホンを付けています」というふうに目立つことなく、スマートに使える利点がある。しかし、かなりコンパクトに作られているので、低音域の存在感は物足りない傾向にあるんだ。

▲写真2:オーバー・ヘッド・タイプ(左)とインナー・イヤー・タイプ(右)

「音楽リスニング用」と「楽器モニター用」は性質が違う

一般的に売られているのは、だいたい音楽リスニング用のヘッドホンなんだ。これらにもいろんなものがあるけど、CDなどの音楽をより気持ちいい音で聴けるように、特定の音域を持ち上げるなどして、再生音に色付けがされているものがほとんど。それに対して楽器モニター用は、楽器本来の音を忠実に再生する必要があるよね。だから音に余計な色付けはせず、高い音から低い音まで、均等に聴こえるよう設計されているんだ。

CDなどで聴く音楽は、それぞれの楽器の音がある程度整理されて、作品に仕上げられている。しかし実際の楽器の生音は、CDで聴く音以上に、かなり広い音域で鳴っているんだ。だから楽器モニター用は、再生できるレンジも広く、原音に忠実でなくてはならいというわけだね。

楽器を演奏する人なら、音楽を聴く時にも楽器モニター用で!

筆者は、どんな音楽も、作曲者や演奏者がこだわって作った音をそのまま聴きたいと思っている。だから音に変な色付けがされているものより、フラットな特性のヘッドホンを選んでいるんだよね。でも、そういう筆者も、ヘッドホンの知識がない頃には失敗した経験もあるんだ。

V-Drumsをヘッドホンで鳴らした時に、「キックの低音域が物足りないな」と感じていたある日、近所の家電量販店で「重低音」と書かれたヘッドホンを発見。しかも、かなり安価だ。すぐに飛びついて買って帰り、V-Drumsで使ってみた。確かに重低音。しかし、低音域が強調されているだけのモコモコした輪郭の無いサウンドで、一方の高音域はあまり聴こえない。「これじゃあ、気持ちよく演奏できないよ」とガッカリ。やはりヘッドホンは、高音域から低音域までのバランスが大切なんだね。

V-Drumsに適したヘッドホンとは

ドラムの特徴は、どんな楽器よりもキックが低く図太いサウンドであること。だから、同じ楽器用のヘッドホンの中でも、V-Drumsに使用するなら低音域に強いタイプを選びたい。それでいて高音域から低音域までのバランスがいい物であれば、V-Drumsのハイ・クォリティなサウンドを存分に楽しめるよね。

キックの音は存在感があり、決して硬くなく低音域がふくよかに膨らむサウンド。スネアは、ヌケがいいけど硬すぎない。タムもふくよかな鳴りで、輪郭がハッキリ。そしてハイハットやシンバルは、小さな音もハッキリと粒立ちよく聴こえ、高音域の広がりが綺麗だけど細くないサウンド。こんな音でモニターできるヘッドホンが理想だよね。このことは決して各楽器を目立たせる音作りではなく、とにかく原音を忠実に、ナチュラルに再生するという意味なんだ。このようなヘッドホンを使って演奏すれば、ストレスもなく音楽に集中できて、叩くことが楽しくなるよね。

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Profile

山崎 彰(やまざき あきら)

山崎 彰(やまざき あきら)

大阪府池田市出身。熱いファンク・グルーヴを得意としながらも、宮本亜門のミュージカルから、LOVE PSYCHEDELICOの全米ツアー、エアロスミスとの共演など、ジャンルの壁を越えて活躍するドラマー。また、V-Drumsのデモ・パフォーマンスを日本全国及び海外でも公演するV-Drumsの伝道師?!でもある。自己のバンドLIFE ON EARTHで、2006年、日本人アーティストで初めてザ・ローリング・ストーンズ中国・上海公演のオープニング・アクトで演奏するなど、現在も様々なアーティストのレコーディングやライブでも活躍中。