V-Drumsがほしいと思っているけど、「どれが自分に合っているのか分からない」と感じている人は多いんじゃないかな? そこで今回は、これからドラムを始めてみようと思っている人から、ドラム歴はもう10年以上という人まで、すべてのドラマーを対象に自分のスタイルや予算に合ったV-Drumsの選び方のポイントを紹介してみよう。
V-Drumsってどんなドラム?
アコースティック・ドラムは音がとても大きい楽器だから、一般的な家庭の中で叩くのは困難な場合が多いよね。しかし、V-Drumsは電子楽器だから、音量調節が可能。そう、V-Drumsは自宅で叩くことを容易にしたドラムなんだね。
●V-Drumsの大きな特徴
V-Drumsは、打面を叩いた時の強弱で、ただ音量が変わるだけじゃなく、音の表情も自然に変化してくれるんだ。音がいいのはもちろんのこと、電子楽器でありながら楽器として最も大切な「表現力」をしっかり持っているところが、世界中のドラマーに支持されている理由なんだね。
V-Drumsには、リーズナブルなモデルからハイエンド・クラスまで、いくつかのラインナップがある。ハイエンド・クラスのモデルともなれば、その表現力やサウンドは、他の追従を許さない。まさに世界最高峰の電子ドラムだ。しかし、リーズナブルなモデルも、そのクラス相応以上の表現力をちゃんと持っているところが、V-Drumsの魅力のひとつなんだね。
だからこそ、「リーズナブルなモデルは初心者向け」、「ハイエンドなモデルは上級者じゃないとダメ」というわけじゃないんだ。ハイエンドな楽器を使って、これからドラムを始めるのもよし。上級者やプロ・ドラマーであっても、自宅での練習や、ちょっとしたライブの時にコンパクトで使いやすいものということであれば、リーズナブルなモデルでも十分に満足できるだろう。
●V-Drumsにはどんな種類があるの?
V-Drumsは、音源モジュールの違いによって4つのラインナップに分類されているんだ。音源モジュールは電子ドラムの心臓部。この種類によって、サウンドや機能にもいろいろ違いがあるんだね。機能的にみると、上位機種になるにつれて音色のカスタマイズが幅広くできるなど、さまざまな演奏スタイルに対応した機能が充実している。自宅練習から本格的なライブやレコーディングまで、その威力を発揮できるだろう。
そしてリーズナブルな機種のほうが、練習に特化した機能が充実しているんだ。自分が演奏したタイミングを目で見てチェックできたり、自分の演奏を本体に録音し、その場で客観的に聴いたりもできるよ。
さて、今回の説明では、これらV-Drumsの4つのラインナップを「V-Drums」と呼び、もう1機種、もっとも手軽なモデルを「V-Drums Lite」と分けて呼ぶことにしよう。
では、V-Drums/V-Drums Liteの各ラインナップを簡単に紹介しよう。
V-Drums Lite HD-1
V-Drumsの仲間であるV-Drums Lite「HD-1」は、ローランドの電子ドラムの中で最も低価格なモデル。かなりコンパクトで、場所をとらず、リビングに置いても違和感のないデザインが好評だ。他の楽器を弾く人たちにも気軽にドラムを叩いてもらいたいというコンセプトから生まれたドラムなんだね。このモデルには、一般的なキック・ペダルに付いている、打面を叩くハンマーのような部分(これをビーターと呼ぶ)が無いつくりになっている。打面を叩かず、ペダルの動きだけで音が鳴る仕組みになっているんだ。この作りのおかげで、キックの振動が小さく、それがこの機種の特徴でもあるよ。ただし、あまり高速な連打には対応していない。
写真2を見て分かるとおり、両足のペダルやタムの位置は固定されていて、自由な位置には変えられない。ただし、ドラムのセッティングの知識がまったく無くても、簡単に組み立てられるのは、ビギナーにもうれしいところだね。
●オススメのポイント
デザイン性、コンパクトさ、組み立てが簡単。HD-1は「誰もが気軽にドラムに親しむことができる楽器」と言えるだろう。
●こんな人にピッタリ
自宅で気軽に他の楽器とのアンサンブルを楽しんだり、基本的なリズム・パターンやフィルインが叩ければOKという人に最適な楽しいドラムだよ。その他、省スペースと低価格はゆずれないという場合にも、選択肢に入れたいモデルだ。
●裏技
HD-1のキックは、シンプルな作りと低振動、そして誰にでも軽く踏めることを考慮して、スプリングが弱めに設計されているのだ。だから、先ほども書いたように、あまり速いスピードでは踏めないんだ。そこで、僕が考えた裏技を紹介しよう。ペダルのプレートが素早く戻ってくれば、速く踏むことも可能になるので、食器洗いに使うスポンジを、ペダルの下に上手くはさんでみよう。スポンジを程よい大きさにカットしたり、テープで固定するなど工夫すれば、ちょうどイイ反応を見つけられるんじゃないかな。ただし、メーカーが推奨しているわけではないので、自己判断でよろしくね。
【参考】
第4回『新しいラインナップV-Drums Lite HD-1が登場!』
V-Compact Series TD-4KX-S/TD-4K-S
「TD-4KX-S」と「TD-4K-S」は、V-Drumsの4つのラインナップ中で、最もリーズナブルなタイプだ。ドラムとして必要最小限に機能を凝縮したシンプルなモデルだけど、このクラスにしてこの音の良さと表現力を持っているのは凄いんじゃないかな。試奏してみれば、きっと分かると思うよ。
ラック・スタンドの幅や、パッドの大きさもコンパクトで、自宅の部屋でも置ける、あまりスペースを必要としないタイプだね。
このV-Compact Seriesには、写真3のように2モデルが用意されている。これらの違いは、採用されているタム用パッドの種類だけ。その他は、機能的にもまったく同じだよ。どちらもスネアのパッドには、メッシュ・ヘッドが採用されているが、写真3左側のTD-4KX-Sは、タムのパッドもメッシュ・ヘッドなんだ。V-Drumsに採用されているメッシュ・ヘッドは、叩いた感触が自然で演奏もしやすく、静粛性にもすぐれているんだね。なお、両モデルともキック・ペダルは別売りとなっている。V-Drumsは、どの機種もツイン・ペダルが使用可能だよ。
横の写真4は、音源モジュールの「TD-4」だ。ボタンの数も少なく、初心者にも操作しやすいよ。ドラム・サウンドの切り替えは[DRUM KIT]ボタンを押すだけ。アコースティック・ドラムの音から、エレクトリック系、パーカッション系まで楽しめる。これらキットの種類も厳選された25通りに絞り込んであるから、迷わなくてイイね。さらにドラムで一般的によく使う、チューニングとマフリング(ミュート)には専用ボタンが付いている。例えばチューニングなら、スネア、タム、キックの音程を上げたり下げたりできるんだけど、機能はそれだけに絞り込んである。余計な機能は省き、いたってシンプルで分かりやすい設計になっているんだ。ドラムらしい作りと言えるね。
●オススメのポイント
TD-4には、練習に便利なコーチ機能が搭載されているんだ。メトロノームに合わせて叩いた時に、自分がどれだけ正確に叩けているか、そのタイミングを目で見てチェックできる「タイム・チェック」など、いくつかの練習コンテンツが用意されている。これはイイ練習になるよね。V-Drumsの中でも、コーチ機能が搭載されているのは、このモデルだけだよ。その他にも、[QUICK REC]ボタンを押せば、その場ですぐに、自分の演奏を録音したり、再生して確認することもできる。客観的に自分の演奏を聴いて、レベル・アップに役立てよう。
●こんな人にピッタリ
これからドラムを始めようという人や、まだドラムのことがよく分からない初心者にも最適。低価格やコンパクト・サイズも重要だけど、将来的には練習を積んで上手くなりたい人や、演奏レベルが高い上級者だけど、自宅練習用として活用したいという人にも、ぜひ試して欲しいモデルだ。
例えばこんな練習も、V-Drumsを使えば、自宅でいつでもできるのだ。
・8ビートや16ビートなど、リズム・パターンを叩く時の左右の手の交わし方。
・タイム・チェックなどを使って、より気持ちのいい、かつ正確なリズムの練習。
・リズム・パターンとフィルインが入り交じっても、走ったりせず、安定したノリで叩く練習。
・スネア、タム、シンバルの間をスムーズに移動して叩く練習。
・スティックがよく跳ね返るメッシュ・ヘッドの特性を利用して、ダブル・ストロークの練習。
・ツイン・ペダルを使った、幅広く応用したフット・ワークの練習。
これらのように、いろんな練習ができそうだね。
【参考】
第22回『V-Drumsのニュー・フェイスTD-4K-S登場!』
V-Tour Series TD-9KX-S/TD-9K-S
V-Tour Seriesは、コンパクトでありながらも音の良さや演奏の表現力にもこだわったモデルだ。ドラム・スタンドは、セッティングの自由度が高いタイプ。タムやシンバルの高さや位置も自由にセッティング可能なんだね。
「TD-9KX-S」と「TD-9K-S」の2機種はパッドだけが違い、その他は同じだ。写真6左のTD-9KX-Sは、タムにもメッシュ・ヘッドを採用。そしてスネアはひと回り大きい10インチのパッド「PD-105」となっている。口径が大きいと、オープン・リムショットも叩きやすいんだよね。そして、ライド・シンバルは、ボウ/カップ/エッジの叩き分けができる3ウェイ・トリガーの「CY-12R/C」だ。
●オススメのポイント
TD-9には、カッコいいバッキング・ソングが内蔵されているんだ。このバッキングに合わせてドラムを叩くと楽しいよ。しかもギターやベースなどのサウンドは、プロが実際にプレイしたオーディオ・データなので、臨場感があって、かなり気持ちよく練習できるんだ。このバッキング・ソングはオーディオでありながら、特殊な技術でテンポも自由に変えられるんだね。前述の音源モジュールTD-4と同様に、この機種もQUICK REC/PLAY機能も搭載されている。自分の演奏を、その場で録音&再生するのも、ボタンひとつで簡単なのだ。
そして、TD-9ならではの特徴のひとつが、SCOPE機能だ。これは、自分が叩いたタイミングをグラフィカルに表示してくれて、正確さを細かくチェックできる機能。写真8のように、キック、スネア、ハイハットなど各楽器が個別に一覧表示されるので、今叩いているリズムの状態をひと目で確認できるのだ。例えば、いつも1拍目のキックだけが突っ込んでしまうなど、自分の気付かないクセも発見できるかもしれないよ。ぜひとも練習に活用したいね。この機種にのみ搭載されたユニークな機能だ。
●こんな人にピッタリ
初心者はもちろん、音にはこだわりたいドラマーにオススメのモデルだ。いろんなジャンルの曲に合わせて叩いたり、自分のタイミングもチェックしながらスキル・アップをはかりたいドラマーにもピッタリ。ドラム・サウンドを、自分好みにカスタマイズしてみよう。
【参考】
第10回『ついに登場! 新しいV-Dums、TD-9KX-S/TD-9K-Sの全貌』
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