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第43回:V-Drums ライブ・ステージ活用レポ2 ~Eclipse Live~

サウンドの多彩さと、電子ドラムでありながら豊かな表現力を持っているとして、世界中で注目を集めているV-Drums。消音性が高いし機能的にも充実しているので、練習用としても最適なんだよね。

もちろんステージで使う時にも大活躍。V-Drumsは、ライブやレコーディングなど、プロの現場でも幅広く使われている楽器だ。

実際に僕も自宅の練習時はもちろん、ライブやレコーディングにもかなり活用しているんだ。ドラマーの僕は、アコースティック・ドラムで演奏することもよくあるけど、演奏する音楽のスタイルや、演奏する場所によってアコースティック・ドラムとV-Drumsを使い分けているんだね。

以前、この連載でもライブ・ステージでの活用法を紹介したけれど、今回は、V-Drumsを使ってライブやレコーディングを行っている僕のバンド「Eclipse(エクリプス)」でのV-Drumsの使い方を紹介しよう。

TD-20KX-S

▲写真1:TD-20KX-S

風景を感じさせる音楽ユニット、Eclipse

「Eclipse」は、ハープ・ギタリストの Tim Donahue(ティム・ドナヒュー)と、ドラマー山崎彰のユニットだ。

僕ら2人が織りなすそのサウンドは、たった2人だけで奏でているとは思えない広がりがあるんだ。そして、聴く人それぞれが、風景を感じられることを大切にしている音楽でもあるんだよね。

"Eclipse" は英語で、日食や月食の「食」を意味することば。

月の光や陰から伝わる情景のように、僕らは演奏中もお互いの音を心で感じ、そしてそのフィーリングで音楽を組み立てていくように演奏しているんだ。だから、それを表現する楽器には、豊かな表現力が必要なんだね。僕らにとってのV-Drumsは、それに十分応えてくれるものであり、もうなくてはならない存在なんだ。

じゃあ早速、どんな音楽なのか、Eclipseのサウンドを聴いてみよう。

これはシーケンスなどは一切使わず、2人が生で演奏したものなんだ。V-Drumsの音はL/Rの2chで録っただけで、このクオリティのサウンドになるんだね。

▲写真2:Eclipseでは全曲V-Drumsで演奏しているんだ。

▲Eclipseのサウンドだ。

ティム・ドナヒューとハープ・ギター

ティム・ドナヒュー氏は、エレクトリック・ハープ・ギターで世界的に知られるギタリスト。彼オリジナルのエレクトリック・ハープ・ギターと独自の奏法で奏でる幻想的な音楽で注目されるアーティストであり、数々の映画音楽などのコンポーザーとしても有名なのだ。

ハープ・ギターは、日本ではかなり珍しい楽器だよね。もともとはアコースティック・ギターにハープが付いたようなものがあり、カントリー音楽などで演奏されることが多かったそうだ。エレクトリックになっている彼のハープ・ギターには、ローランドのVギター・システム「VG」が繋がっていて、骨太いベース音や、シンセ系の音も演奏できる仕組みになっているんだね。ハープ・ギターを弾きながら、左手ではタッピングしながらベース・ラインを演奏し、そして歌も歌う。彼は、とても器用で多才なアーティストなのだ。

▲写真3:ティム・ドナヒュー氏とエレクトリック・ハープ・ギター。

V-Drumsをライブで使うメリット

このユニットで、なぜV-Drumsを使っているのかを説明しよう。

まず第一に、V-Drumsは音量がコントロールできるドラムであるということだ。

Eclipseは骨太いロック・サウンドでありながら、繊細な表現も持ち合わせている。そして、2人がすぐ近くで、お互いのフィーリングを感じながら演奏するアンサンブルでもあるんだ。特にハープ・ギターの繊細で美しいサウンドを活かすには、アコースティック・ドラムでは音が大き過ぎるんだね。ハープ・ギターが演奏する真横で大音量のドラムを叩かれちゃあ、たまったもんじゃないでしょ。じゃあ、小さい音で叩けばいいじゃないかと思うかもしれないが、それではドラムの音色や演奏のフィーリングが骨太くならないんだよね。

そこで音量のコントロールができるV-Drumsなら、音量を控え目にしながらバリバリのロック音色で、アグレッシブに叩きまくっても大丈夫。しかもV-Drumsは幅広い表現力も持っているから、力強い演奏からソフトで繊細な表現まで、充分にダイナミックレンジの広い演奏ができるんだね。

▲写真4:音量がコントロールできることが魅力のV-Drums。

そして、もう一点は、音色を瞬時に変えられることだ。

曲の雰囲気に合わせて違うタイプのドラム・サウンドに変えられるのもV-Drumsの大きな魅力なんだよね。基本的にはロック・サウンドのバンドだけど、ドッシリとした曲があれば、明るい曲もある。特にスネアの音程は曲の雰囲気に大きく影響するから、曲ごとに変えられるのはうれしいんだ。それにバラードでは、アンビエンスやリバーブによる広がる音も必要だね。そして時には、パーカッションにもなったりするしね。

V-Drumsだからこそできるスタイルと言えるだろう。

ライブの時のドラム・サウンドを、PAまかせにするのではなく、すべての音色を自分自身でコントロールできるところも、音楽的には重要なことなんだね。

▲写真5:ドラム音色を自由にコントロールできるV-Drums。

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Profile

山崎 彰(やまざき あきら)

山崎 彰(やまざき あきら)

大阪府池田市出身。熱いファンク・グルーヴを得意としながらも、宮本亜門のミュージカルから、LOVE PSYCHEDELICOの全米ツアーなど、ジャンルの壁を越えて活躍するドラマー。また、V-Drumsのデモ・パフォーマンスを日本全国及び海外でも公演するV-Drumsの伝道師?!でもある。自己のバンドLIFE ON EARTHで、2006年、日本人アーティストで初めてザ・ローリング・ストーンズ中国・上海公演のオープニング・アクトで演奏するなど、現在も様々なアーティストのレコーディングやライブでも活躍中。

Akira Yamazaki Official Website:
http://home.catv.ne.jp/nn/akira/