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GUITAR 第2回:ツイン・ペダルのニュー・フェース、RE-20登場!

ボスのツイン・ペダル・シリーズの新作が、この5月に登場しました! それが、スペース・エコーRE-20です。このRE-20は、ローランドが1974年に発売したテープ・エコーの名機RE-201を最新のCOSM技術で完璧に再現した製品です。先日、スタジオで試してみましたが、ムチャクチャ気持ちのいい、とても暖かいエコー・サウンドが得られました。思わずオリジナル・モデルのRE-201と新製品のRE-20を並べて写真を撮ってみました(写真1)。パネル部のデザインはそのままに、RE-20はとてもコンパクトにまとめられているのが分かるでしょ? 各ツマミの名称や動作も完全に再現されていますし、テープが走行する様子を模したインジケーター(バーチャル・テープ・ディスプレイ)もカワイイですね!
それでは今月は、このRE-20をジックリとご紹介していきましょう!

RE-20とRE-201

▲写真1:左が新製品のRE-20、右がオリジナル・モデルのRE-201。デザインも素晴らしい!

テープ・エコーってどんなエフェクター?

テープ・エコーとは、「入力された信号を遅らせて再生するエフェクター」です。そういう意味では、"Giga Delay"DD-20等のデジタル・ディレイと基本的な効果は同じです。しかしながらテープ・エコーは、そのメカニカルな仕組みによって、デジタル・ディレイでは作り出せない独特のサウンドが得られるため、ここ数年、多くのミュージシャンから再び脚光を浴びている注目のエフェクターなのです。

テープ・エコーは、かなり古くから存在するエフェクターで、もっとも初期の段階では、3ヘッド型(消去/録音/再生用にヘッドが分かれているタイプ)のテープ・レコーダーが使われていました。このテープ・レコーダーで録音と再生を同時に行った場合、再生される音が原音に対して若干の遅れを生じることを利用して、エコー効果を得ていたと言われています。

50年代のレス・ポールを筆頭に、サン・レコード時代のプレスリーをはじめとするロカビリーやカントリー・ミュージック、60年代のビートルズやジミ・ヘンドリックス、70年代のレッド・ツェッペリンやピンク・フロイド、ジェフ・ベック、そしてクイーンなど、多くの歴史的作品で、このテープ・エコーのサウンドを聴くことができます。

"SPACE ECHO"と名付けられたローランドのRE-201は、70年代から80年代にかけて発売されていたモデルです。デジタル式のディレイが普及するまでは、ギター用のみならず、PA用エフェクターとしても、定番機として広く使用されていました。 現在でもブライアン・セッツァーをはじめとする音にこだわるギタリスト達は、このRE-201を大切に使っているようです。

このように世界中のアーティストに愛用されたテープ・エコーRE-201の内部がどのようになっているか、実際に見てみましょう。

テープ・エコーRE-201の仕組み

写真2を見てください。5つのヘッドが並んでいますね。テープは左から右に向かって走行します。まず最初に録音ヘッドによってテープに録音された音は、1から3の再生ヘッドを順番に通過しますが、テープが移動する時間の分だけ、原音よりわずかに遅れて再生されます。この時に、どのヘッドでサウンドを再生するのかを選択することによって、音の遅れ方が変わる仕組みになっているのです。

RE-201のヘッド写真

▲写真2:RE-201のヘッドの写真。左から消去ヘッド、録音ヘッド、再生ヘッド1、再生ヘッド2、再生ヘッド3となる。

もちろん、テープ・スピードを変えることで、ディレイ・タイムを調整することも可能です。テープ・スピードは、パネル部(写真3)のリピート・レート(REPEAT RATE)ツマミで調整します。なお、テープの走行スピードを遅くすると、音質は劣化するという特性があります。

また、その隣にあるインテンシティー(INTENSITY)ツマミを動かすと、デジタル・ディレイのフィード・バックと同じ効果を調整できます。仕組みとしては、再生ヘッドを通って再生された音を再び録音ヘッドに送ることで、繰り返し(フィード・バック)の回数をコントロールできるのです。

右側のエコー・ボリューム(ECHO VOLUME)ツマミで、エフェクト音のレベル調整を行います。

RE-201のパネル部

▲写真3:RE-201のパネル部

RE-201に使用されているテープは、写真4のようにエンドレスとなっています。長めのテープを使用することで、テープ自体の損傷を最小限に抑えるように工夫されているのです。

RE-201のエンドレス・テープ

▲写真4:エンドレス・テープが絡まないように収納されている。

このように、機械的に動作するテープ・エコーRE-201は、テープの走行スピードを一定に保つことが難しいため、結果的にエフェクト音には微妙にピッチの揺れが生じます。また、音がテープに録音される際に起こる音の圧縮(テープ・コンプレッション)によって、必ずしもドライ音(原音)と同じサウンドを再生することができないという難点もありました。ところが、このピッチの揺れやテープ・コンプレッション感こそが、テープ・エコー独特の音の暖かい響きを生み出す最大の要因となっているのです。

そんな個性的なサウンドを生み出すテープ・エコーRE-201にも、現在の視点で考えると弱点がいくつかあります。まず、サイズが大きくて重いこと。そして、メンテナンスが困難だということです。交換用のテープは既に販売されていないため、これからRE-201を入手して使うことは、一般の方にはかなり難しいと言えるでしょう。

そこで今回登場のRE-20。これは、最新のDSPチップとCOSM技術によって、手軽にRE-201のテープ・エコー・サウンドを手に入れられるエフェクターなのです。