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GUITAR 第6回:VG-99「COSMギター」の実力を探る(エレキ・ギター編) 中野豊

憧れのギターをついに手に入れた時の至福の喜び。ギタリストの方なら、そんな経験をした方も、多いのではないでしょうか? 数あるギターの中から、慎重に選んで購入したり、偶然見かけたギターにひと目惚れして衝動買いをしてしまったり。僕もこれまで、そんな感じでギターを買ってきました。でも人間の欲求は果てしなく、新しいギターを手に入れた途端に、もう次のギター、新しいサウンドを追い求めたりしていませんか?

そのようなキャラクターの違うギター・サウンドや、好みのサウンドの設定をツマミ1つで劇的に変化させられるという、夢のような機能がVG-99には搭載されています。それが、COSMギターなのです。今回は、このCOSMギターについて紹介していきましょう(mnavi Academy GUITARを初めてご覧になる方は、前回の『第5回:最強のギター・イクイップメント、VG-99登場!』も併せてご覧ください)。

ギターそのものをモデリングするCOSMギター・セクション

GK用ディバイデッド・ピックアップGK-3で拾った信号は、COSMギター・セクションで、様々な楽器の音にモデリングされます。これによって、実際に手にして弾いているギターに限定されず、鳴らしたい楽器のサウンドにワンタッチで切り替えることができるのです。前回ご紹介した通り、このCOSMギターは大きく分けると、以下の4つのタイプに分類されます。

1.エレキ・ギター
2.アコースティック・ギター
3.ベース
4.シンセサイザー

今回はVG-99が生み出す『エレキ・ギター』のサウンドを検証してみましょう。

 
・ワンポイント

「COSMって、何?」という方は、VG-99の製品紹介ページにある「COSM」マークをクリックしてみてください。COSMの詳細な説明が表示されます。

 

9種類のエレキ・ギター・サウンドをチェック!

それでは、まず9種類のギター・タイプの音を鳴らして、それぞれのサウンドを比較してみましょう。今回は、各モデルの音の違いを分かりやすくするために、COSMアンプを【WARM CLEAN】に固定してエフェクトを使わずに録音した音(サンプルA)と、COSMアンプを変えて若干の内蔵エフェクトを使用して録音したもの(サンプルB)の2種類を作ってみました。PRS Custom 24にGK-3を装着し、これを使って演奏しています。

GK-3搭載のPRS

▲写真2:PRS Custom 24 w/GK-3

●CLA-ST(クラシックST)

CLA-STの設定画面

▲写真3:CLA-STの設定画面

◇サンプルA:
オーソドックスな紛れもないストラトのサウンドですね。写真のように、ピックアップを【R+C(リアとセンターのハーフ・トーン)】にしてみました。GKピックアップのボリュームやS1/S2スイッチに、ギター・ボリュームやピックアップ・セレクトをアサインすれば、ライブ時でもリアルタイムで調整可能です。

▲サンプルA

◇サンプルB:
COSM AMPは【TWEED】を選択。フロント・ピックアップで、ブルージィにに弾いてみました。

▲サンプルB

 
・ワンポイント

VG-99はギター本体のノーマル・ピックアップのサウンドも鳴らすことができます。COSMギターとノーマル・ピックアップのサウンドを切り替えたり、ミックスして出力することも可能です。

ミックス・レベル設定画面

▲写真4:COSMギターとノーマル・ピックアップのミックス・レベル設定画面。写真は、両方が同じバランスで出力されるように設定された状態を表している。

また、VG-99のリア・パネルにはギター・インプット端子も装備されています。実はVG-99は普通にギターとシールドで接続することで、BOSS GTシリーズのようにマルチ・エフェクターとして使うことも可能なのです(COSMギターと一部の特殊なエフェクトは使用できません)。

 

今回の各サンプルと同じ録音環境で、写真のストラトを弾いてみました。CLA-STのサンプルAと聴き比べてみてください。どうですか?VG-99のモデリングの完成度の高さがお分かりいただけると思います。

中野氏所有のストラトキャスター

▲写真5:中野氏所有のフェンダー・ストラトキャスター。この音と、COSMギター【CLA-ST】の音を聴き比べてみよう。

 
●MOD-ST(モダンST)

MOD-STの設定画面

▲写真6:MOD-STの設定画面

◇サンプルA:
アクティブ・ピックアップ搭載のストラト・サウンドです。

▲サンプルA

◇サンプルB:
COSMアンプを【JC-120】にセットし、コーラスや空間系エフェクトなどを併用してクリーン系サウンドを作ってみました。 レンジが広いので、エッジの鋭い歪みを生み出すこともできそうです。

▲サンプルB

●TE(テレキャスター)

TEの設定画面

▲写真7:TEの設定画面

◇サンプルA:
フェンダー・テレキャスターならではの「フロント+リア」のサウンドです。ウ~ン、とってもリアル。

▲サンプルA

◇サンプルB:
クランチ系【PRO CRUNCH】を使って、リア・ピックアップの設定で弾きました。ジャキジャキ感がなかなかイイでしょう?

▲サンプルB

●LP(レスポール)

LPの設定画面

▲写真8:LPの設定画面

◇サンプルA:
コツンとしたアタック音と中域に張りがある、ハムバッカーらしいサウンドです。

▲サンプルA

◇サンプルB:
COSMアンプは【MS-1959-1】を使用。この粘っこい感じが、いかにもレスポール、という感じですね。

▲サンプルB

●P-90

P-90の設定画面

▲写真9:P-90の設定画面

◇サンプルA:
フェンダー系とはひと味違う、シングル・コイルのサウンドです。

▲サンプルA

◇サンプルB:
COSMアンプは【MATCH DRIVE】を選択。TE系より、やや湿ったサウンドといった印象です。

▲サンプルB

●LIPS(リップスティック・モデル)

LIPSの設定画面

▲写真10:LIPSの設定画面

◇サンプルA:
ジミー・ペイジやスティービー・レイ・ヴォーンも使っていた、独特のチープさが特長のギター・サウンドです。

▲サンプルA

◇サンプルB:
COSMアンプ【VO DRIVE】を使って弾いてみました。

▲サンプルB

●RICK(リッケンバッカー)

RICKの設定画面

▲写真11:RICKの設定画面

◇サンプルA:
ビートルズやバーズ、ビーチ・ボーイズといった60年代のアーティストだけでなく、U2やレディオヘッドなどでお馴染みのギター・サウンドです。

▲サンプルA

◇サンプルB:
アンプ・タイプを【CLEAN TWIN】にすると、さらに音が太くなり、気持ちよいエッジ感が得られます。

▲サンプルB

●335

335の設定画面

▲写真12:335の設定画面

◇サンプルA:
ソリッド系と比較すると、アタック感が少なめなのがセミアコ系ギターの特徴です。カッティング系フレーズにも合うサウンドですね。

▲サンプルA

◇サンプルB:
COSMアンプを【PRO CRUNCH】にして、少しだけ歪ませて弾くと、渋~いサウンドになりました。

▲サンプルB

●L4

L4の設定画面

▲写真13:L4の設定画面

◇サンプルA:
ジャズ・ギターでは、今でも主流のフルアコのサウンドです。フラット・ワウンドの弦を張ると、レンジがあまり広くならないのが特徴的です。

▲サンプルA

◇サンプルB:
COSMアンプは【JAZZ COMBO】をセレクト。エフェクターで空気感を上手く表現すると、さらにリアルなサウンドを作り出せます。

▲サンプルB

 
・ワンポイント

COSMギターのタイプを【E.GTR】にしたときに、設定可能なパラメーターは【VOL】、【TONE】、【PU SEL】のほか、弦ごとの定位や音量も変更できます。キース・リチャーズのように、特定の弦を鳴らないようにしたり、エドワード・ヴァン・ヘイレンのように弦ごとに交互にパンを振ってステレオに広げたりすることも簡単。イコライザーやノイズ・サプレッサーも搭載されています。