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GUITAR 第7回:VG-99「COSMギター」の実力を探る(アコースティック・ギター/ベース/シンセサイザー編) 中野豊

先日、静岡県浜松市にある楽器博物館を見学してきました。見たことも聞いたこともないような楽器も多数展示されていて、数多くの楽器のサウンドをヘッドホンで聴けたり、一部の楽器は実際に触って演奏できるようになっていました。とても面白かったですよ。

現在のギターの祖先に当たるような楽器も多く展示されており、その構造を生で見てみると、それぞれの楽器に様々なアイデアが盛り込まれているのがよく分かります。それらが世界中の多彩な音楽に使われてきたことを思うと、感慨深いものがあります。

先々月からテーマとして取り上げているVG-99は、演奏可能な「ギター博物館」のような側面もありますね。前回は、VG-99で生み出せる『エレキ・ギター』のサウンドを検証してみましたが、今回は、エレキ・ギター以外の様々な楽器についてご紹介していきましょう。

様々な楽器サウンドを生み出すCOSMギター・セクション

先月も解説いたしましたが、VG-99が様々な楽器のサウンドを生み出せる仕組みを簡単に復習しておきましょう。

ギターに取り付けたGK用ディバイデッド・ピックアップGK-3で拾った信号は、VG-99のCOSMギター・セクションで、様々な楽器の音にモデリングされます。これによって、実際に手にして弾いているギターに限定されず、鳴らしたい楽器のサウンドにワンタッチで切り替えることができるのです。このCOSMギターは大きく分けると、以下の4つのタイプに分類されます。

1.エレキ・ギター
2.アコースティック・ギター
3.ベース
4.シンセサイザー

今回は、アコースティック・ギター、ベース、シンセサイザーのサウンドを紹介します。なお、掲載している各サンプルは、今回もGK-3を搭載したPRS Custom 24で演奏しました。

 
・ワンポイント

「COSMって、何?」という方は、VG-99の製品紹介ページにある「COSM」マークをクリックしてみてください。COSMの詳細な説明が表示されます。

 

エレキで超リアルなアコースティック・ギターをプレイ!

COSMギターの「アコースティック・ギター」では、以下の6種類のギター・タイプを作り出せます。それぞれのタイプの特徴を紹介しましょう。

●STEEL(スチール弦ギター)

スチール弦ギターでは、5種類のボディ・タイプを選択可能です。

・MA28(Martin D-28のモデリング)
・TRP-0(Martin 000-28のモデリング)
・GB45(Gibson J-45のモデリング)
・GB SML(Gibson B-25のモデリング)
・GLD40(Guild D-40のモデリング)

このギター・タイプでは、変更できるパラメーターの数はそれほど多くありませんが、それぞれの完成度が高いので、そのまま使用するだけでも高品位なアコギ・サウンドが得られます。

STEELの設定画面

▲写真2:ボディ・タイプは、しっかりとした中低域の響きと音の粒立ちの良さが特長の【TRP-0】を使用。ボディの共鳴音(ボディ・レゾネーション)を調整する【BODY】は、初期設定で80にセッティングされている。

●NYLON(ナイロン弦ギター)

エレキ・ギターを弾いているのに、このサウンドを奏でられるというのには、本当に驚かされます。先代のVギターVG-88にも搭載されていたサウンドですが、大幅にクオリティがアップしている印象です。まあ聴いてみてください。

NYLONの設定画面

▲写真3:エフェクターは、リバーブのみを使用。

●SITAR(シタール)

【PU SEL(ピックアップ・セレクト)】を【FRONT】や【REAR】などに設定すれば、エレクトリック・シタールになりますし、【PIEZO】にすれば、本物のシタール風のサウンドも得られます。

先月の「完コピへの道」にも書いていますが、エレクトリック・シタールやシタールは、多くのロックやソウルの楽曲でも使われています。ザ・ビートルズやローリング・ストーンズを始め、スタイリスティックス、イエス、スティーヴ・ヴァイ等の作品が特に有名ですね。

SITARの設定画面

▲写真4:エレクトリック・シタール風のサウンド。COSMアンプは【JC-120】を使用。

●BANJO(バンジョー)

ブルーグラスなどのカントリーやディキシー・ランド・ジャズなどはもちろん、イーグルスなどの作品でも聴くことのできるバンジョー。私の自宅にも借り物のバンジョーがありますが、とにかく音がデカく、近所迷惑なので、自宅でガンガン弾くのはちょっと無理。でもVG-99なら、リアルなバンジョー・サウンドでボリューム調整もできますし、ヘッドホンで聴くこともできるので、バッチリですね。

BANJOの設定画面

▲写真5:通常のギター・チューニングのままでもいいが、後述のオルタネート・チューニング機能を使っての5弦風、4弦風の本格的な奏法にも対応できる。

●RESO(レゾネーター)

レゾネーター・ギターとは、特殊な共鳴構造を持った楽器で、オープン・チューニングに設定してブルースやカントリーなどでスライド演奏されるギターのことです。一般的に言われる"ナショナル"&"ドブロ"は、このタイプのギターの商品名なのだそうです。エリック・クラプトンの作品でもよく使われています。

RESOの設定画面

▲写真6:もの悲しいメロディをスライドで弾くことで、独特の雰囲気に浸ることができる。

●VARI(バリアブル・ギター)

アコースティック・ギターにも、カスタマイズ可能な【VARI(バリアブル・ギター)】モードが用意されています。ピックアップやボディの形状など、ギターを構成する要素を変更できます。マイク録り風のサウンドやピエゾ風のサウンドといった選択も可能です。fホールのボディもセレクトできますから、ジョー・パス風のサウンドも簡単に再現できます。後述の「オルタネート・チューニング」の機能と組み合わせれば、ウクレレ風やマンドリン風のサウンドも作れます。

STEELの設定画面

▲写真7:ボディ・タイプをアーチド・トップ&バック風のfホール・ボディ【f-HOLE】に設定。ピックアップ・タイプは、マイク録り風の【MIC】を選択している。