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GUITAR 第16回:GT-10:コンプレッサー/リミッターとイコライザーを使ってみよう 中野豊

これまでご紹介してきた通り、GT-10は、搭載されているエフェクターや機能をすべて理解しなくても、簡単に使いこなすことができるように設計されています。しかしながら、GT-10の機能を十分に理解してフル活用すれば、新しいサウンドを作り出せる可能性が無限大に広がります。「自分だけのオリジナルのサウンドを作りたい!」とか「理想のサウンドに極限まで近づけたい!」と思う人にも、GT-10は最強の相棒になってくれるはずです。

GT-10に限った話ではありませんが、機材を理解して100%使いこなせるようになるためには、とにかく触りまくって遊んでみてください。最初は音の違いが分かりにくかったり、なかなか思うようなサウンドが得られなかったりするかもしれません。それでも、いろいろと試行錯誤を繰り返していくことで、少しずつレベル・アップしていけばいいんです。

今回からは、数回に分けてGT-10に搭載されているエフェクトを説明していこうと思います。ビギナーの方にも分かるように、基礎的な話からちょっとマニアックな情報まで、取扱説明書には書いてないことも含めて紹介する予定です。ぜひ、GT-10を使いこなすうえでの参考にしてみてください。

ボタン一発でエフェクトをオン!

GT-10の[EFFECTS SELECT]ボタンは、そのエフェクターのオン/オフと、そのエフェクターのパラメーターを画面に表示させる役割を持っています。横一列に10個並んだボタンで、大まかにエフェクターがカテゴライズされていると思ってもらっていいでしょう。

▲写真2:ボタンひとつで、すぐに目的のエフェクターにアクセス可能!

この中の[FX-1]と[FX-2]には膨大な量のエフェクトが内蔵されており、タイプを切り替えて使用できるようになっています。ここには、サウンドを微調整するための渋めなエフェクトから、音を激しく変化させるタイプのものまで、実にさまざまなエフェクターが入っているのです。

一方、ギター・サウンドを作るうえでよく使われる重要なエフェクトは、独立したボタンが用意されていてワンタッチで呼び出せるようになっているんですね。今回はそんなエフェクト類の中から、ちょっと渋めのエフェクトとして、コンプレッサー/リミッター、そしてイコライザーの2つを解説しましょう。

コンプレッサーとリミッターの違いは?

コンプレッサー/リミッターは、「音を圧縮する」エフェクトです。具体的には、入力された信号をつぶすことによって音の粒を揃えたり、音を歪ませずに伸びやかにする効果があります。コンプレッサー(以下、コンプ)とリミッターは基本的には同じように動作するエフェクトなんですが、どちらかといえば積極的に音色を変化させる使い方をする場合は「コンプ」、音を整える方向に使う場合は「リミッター」と呼ぶことが多いようです。

GT-10では[EFFECTS SELECT]ボタンの一番左端の[COMP]を押して、そのパラメーター内の【Type】でコンプもしくはリミッターを切り替えて使用するようになっています。どちらを選択するかによって、設定できるパラメーターが変わります。それでは実際に音を聴きながら、コンプとリミッターがそれぞれのどのように動作するか、実験してみましょう。

コンプレッサーを使ってみよう

それでは最初に、ストラトを使って弾いてみましょう。

▲写真3:【Type=Comp】に設定し、オフとオンの音を聴き比べてみましょう。COSM AMPは【BOSS Clean】を使用。

▲コンプがオフの状態のサウンド。

▲コンプがオンの状態のサウンド。

この音の違いが、分かりましたか? このようなコード一発の音の場合、コンプをオンにするとアタックがつぶれて、オフの時に比べると音が長くなっているように聴こえますね。

コンプは、「大きい音を圧縮して押さえ込み、小さな音を大きくする効果」であり、これはすなわち、サステインを長くすることができるんです。【SUSTAIN】というパラメーターで、この効果の大小をコントロールできます。

このエフェクトは、ギター側の出力により効き具合が大きく影響してきます。上のデモ・サウンドは音量の小さいシングルコイルを搭載したストラトで弾きましたが、高出力のハムバッカー搭載のレスポールで弾くと、この効果がさらに強くなります。

▲ハムバッカーでは音のつぶれ方が激しくなります。

この場合、レスポールが本来持つ音量がかなり押さえ込まれますので、同じくらいの効果を狙うならば【Sustain】を下げればよいのです。もちろん、【Level】によってコンプの出力レベルは調整可能です。

カッティングや手数の多い連続したフレーズを弾く場合に「アタック感が出ない」と感じたときは、【ATTACK】を上げてみてください。

タイプを【COMP】にした場合は、CS-3などのコンパクト・タイプのコンプを使用した時のようなサウンドが得られるようになっています。

▲写真4:これはコンパクトのCS-3。

ギター用に作られたコンパクトのコンプは、音の立ち上がり方が独特で派手にかかります。コーラスやディレイを併用したキレイなクリーン・トーンでコードやアルペジオを弾いたり、クランチ程度のアンプ・サウンドのサステインを増強して、スライド・ギター用のサウンドを作る際の定番エフェクターなんですね。

▲コンプと空間系エフェクトを併用すると、美しいクリーン・サウンドを生み出せます。