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GUITAR 第21回:グレード・アップしたNew CUBEシリーズ「CUBE-80X」 中野豊

今年もローランド/ボスから、続々と新製品が発表されましたね! 今回は、先日行われた「ローランド サウンド・スパーク2009」でも好評だったギター関連製品の中から、新しいギター・アンプ「CUBE-80X」をチェックしてみましょう。また、併せて僕のお気に入り、「MICRO CUBE RX」と「MOBILE CUBE」もご紹介します。

CUBE-80Xのサウンドは?

僕は以前からCUBE-60がとても気に入っていて、ライブでよく使っています。サイズからは想像できない大音量が鳴らせ、しかも、とてもサウンドがいいのです。それが今回、CUBE-80Xにグレード・アップされたということで、さっそくスタジオに両方を持ち込んでチェックしてみました。

▲写真2:CUBE-80X(左)のほうが、CUBE-60(右)よりもわずかにサイズが大きくなっています。

パワー・アンプが80Wになったことにより、余裕たっぷりに鳴っている感じがします。これならば、パワー・ヒッターのドラマーとの共演でも負けないギターが鳴らせます。

クリーン(=JC CLEAN)チャンネルが歪むことなく大きな音で鳴ってくれるので、エフェクター側で歪みサウンドを作る場合でもバッチリです。サウンド・スパーク2009でのステージでは、ME-70とJC CLEANチャンネルの組み合わせで演奏しましたが、これがまたベスト・マッチング! 気持ちよかったですよ。

▲写真3:サウンド・スパーク2009のステージでのCUBE-80Xのセッティング。

低域の鳴りっぷりもCUBE-60より向上しています。クリーン系やクランチ系はもちろん、LEADチャンネル側の歪みが深いアンプ・サウンドでも、分厚いリフの音が得られました。

アンプ・モデリングをチェック

CUBE-80XのLEADチャンネルでは、9種類のモードが切り替えられるようになっています。1台のアンプでこれだけ多彩なサウンドが得られ、しかもそのクオリティもとても高いのです。それでは、僕が気に入ったサウンドをいくつか紹介しましょう。

▲写真4:アコースティック・シミュレーターも搭載!


●BLACK PANEL

低域たっぷりのジャズ・ギター・サウンドや存在感のあるカッティング、ちょっぴり歪ませて弾くサーフ・サウンドなどにも向いています。CUBE-80Xのエフェクトにはスプリング・リバーブのモデリングも装備されたので、「あの往年のサウンド」がすぐに鳴らせました。


●DLX COMBO

コンパクトのレジェンド・シリーズでもお馴染みの、パキッとしたクリーン&クランチ・サウンドを得意とする新規搭載のアンプ・タイプ。ピッキングの強弱でサウンドの変化をコントロールできるあたりも楽しいです。トレブルを上げると低域が少なくなる傾向も、オリジナル・モデルと同じ動作です。ディレイと組みわせたカントリー/ロカビリー風のサウンドなども簡単に作れます。


●CLASSIC STACK

言わずと知れた、大型スタック・アンプのモデリング。コンパクトなどのエフェクターを使わず、アンプのみでも、結構歪ませることができます。ギターのボリューム操作だけで、サウンドにかなりの変化が付けられる点もこのモードの特徴です。イコライザーの効き方も絶妙で、とても使いやすいです。


●METAL

エッジの効いたリフ・サウンドから、甘めのリード・サウンドまで幅広く音作りが行えます。シングル・コイル・ピックアップとの相性もなかなかいいです。メタル系以外の音楽でも、充分に使えるサウンドです。


●R-FIRE

ド派手で分厚いハイゲイン・サウンド。この小さなキャビネットから、一体どうやって再生しているのか? と思うほどの、へヴィな低音を鳴らしてくれます。

注目の多機能性

●ソロ・モード

9種類もあるアンプ・タイプをプレイ中に切り替えて使いたい方もいるでしょう。あるいは、歪み系アンプでバッキングをしつつ、ソロ時に音量を上げたい、なんてこともあるかもしれません。

CUBE-80Xには[SOLO]スイッチが用意されており、ここに自分で作ったLEADチャンネルでのサウンド設定をメモリーすることが可能になりました。これによって、JC CLEANとLEADの各チャンネルに加えて、ソロの音色を瞬時に呼び出すことができ、3チャンネル仕様のアンプのような使い方が可能となったのです。

▲写真5:ツマミはボリュームの1個だけですが、効果は絶大!

この機能が秀逸なのは、音量の設定だけはメモリーされず、ツマミでの調整が可能なところ。いざ本番でソロ・サウンドを呼び出したら爆音に感じたり、逆に小さ過ぎて聴こえなかったりなんていうことも、これで解消できるはずです。

その一方で、エフェクトも含めた全ての設定がメモリーされるので、イコライザーやモジュレーション、空間系エフェクターなどを駆使したサウンドも、一発で呼び出せます。

「ソロ」と書いてあるので、メモリーされるアンプ・タイプはリード系に限定されるかのように思ってしまいがちですが、フェンダー系のクリーン・トーンを使いつつマーシャル系サウンドに切り替えて使ったり、あるいはバッキング系のサウンドをメモリーしておくなど、アイディア次第で従来はできなかった技が実現できるようになります。


●エフェクター

上にも書きましたが、空間系エフェクターにもいろいろな機能が追加されました。ディレイとリバーブをそれぞれ個別に設定したうえで同時に使用できるようになり、さらにディレイ・タイムやディレイ・モードの選択、スプリング・リバーブなどが新規搭載されました。

エフェクターをつないだり呼び出したりといった余計な操作をせずに、気分によってすぐにフェイザーやトレモロが使えるところが、僕はとても気に入っています。

▲写真6:ディレイ・タイムは[TAP]ボタンで設定可能。[TAP]を長押しすることで、ダブリングの設定なども簡単に行えます。


●ルーパー機能

これは、ループ・ステーション RCシリーズGT-10などでもお馴染みのフレーズ・ループ機能です。最大40秒のフレーズが録音でき、繰り返し再生可能です。チャンネル切り替えやソロ・モードを活用すれば、異なるサウンドを重ねていくことも簡単です。ギターとアンプだけで、ソロ・パフォーマンスが可能になったのは嬉しいですね!

このルーパー機能はディレイ・セクションに搭載されているので、原則的にはディレイとの同時使用はできなくなりますが、ソロ・モードでディレイを使った音色をメモリーしておけば、それを呼び出すことでルーパー機能とディレイを同時に使用することが可能となります。録音時やソロ時にディレイを使いたい場合は、この裏ワザを利用すればOK!

僕もルーパー機能を試してみましたが、操作はとても簡単。オプションのフット・スイッチを利用すれば、失敗することなくループできます。こりゃ楽しいですよ。