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GUITAR 第23回:ME-70で作るアンプ・サウンド~プリアンプ・モデリング機能~ 中野豊

ギター・サウンドを構築する際に、ギター本体のセレクトはもちろん、アンプやエフェクターの設定方法などに「これが正解!」という決まりはありません。自分の"耳"を頼りに、何でも自由に行っていいのです。事実、そういった自由な発想によって時代の常識を打ち破ったギター・サウンドが生み出され、それが音楽の歴史を作ってきたとも言えます。

その反面、ギターの音作りには、「ある程度の知識と経験がないと難しいのでは?」と感じている人も多いのではないでしょうか? それゆえに、自分のサウンドに自信が持てなかったり、逆にサウンドに無頓着な人もいるようです。しかしME-70を使えば、手軽にイメージするサウンドが作り出せます。

今回は、ME-70に内蔵されているプリアンプ・モデリング機能にスポットを当てて、基本的なアンプ・サウンドの作り方を紹介しましょう!

パッチ・モードとマニュアル・モード(準備編)

ME-70は、2つのモードを切り替えて使える仕様となっています。1つは、各エフェクトの組み合わせやツマミの位置を記憶させ、それを呼び出して演奏できる「パッチ・モード」。もう1つが、コンパクト・エフェクター的な使い方が可能な「マニュアル・モード」です。このモードの切り替えは、[MOD]と[DELAY]のフット・スイットを同時に踏めばOKです。ここでは、マニュアル・モードを使用して、話を進めていきましょう。

ME-70側の[OUTPUT LEVEL]を、12時の位置(センター)に。この設定で、すべてのエフェクターをオフにすれば、ギターをアンプに直結した場合と同じ音量となります。

アンプは、どのスタジオにもある、といっても過言ではない定番のJC-120と組み合わせてみましょう。JC-120側の設定も本来は自由ですが、ここではME-70のサウンドを活かせるように、トーン・コントロールのツマミをすべて12時の位置に設定しましょう。このフラットな状態を基本として、そこから好みで調節していくとよいでしょう。「VOLUME」は、他の楽器の音量に合わせて設定してください。

▲写真2:JC-120のトーン・コントロール。この設定からスタートしましょう。

なお、JC-120には「HIGH」と「LOW」の2種類のインプットがありますが、どちらに接続してもOKです(各ツマミが同じ設定なら、HIGHに接続すると音量は大きめになります)。

ここまで準備ができたら、ME-70のすべてのインジケーターが消灯していることを確認しましょう。これでエフェクトがかかっていない、バイパスされたサウンドが鳴らせるようになります。

アンプによるギター・サウンドの違い

世の中には、さまざまなメーカーから多数のギター・アンプが発売されていて、その総数はおそらく数100種類に上るでしょう。もちろんモデルの種類だけでなく、クリーン・トーンが得意なアンプや歪みサウンドが愛されているタイプ、きらびやかなトーンが人気のものから、ズンズンと低域が鳴るタイプなど、そのキャラクターも実に多彩です。

その種類の多さから、かつてはプロのギタリストでさえも、お気に入りの1台を探すのは大変な作業でした。ましてや、サウンドにバリエーションを求めれば、それだけ何台ものアンプを切り替えて使う必要があったわけです。さらに同じモデルであっても、サウンドが微妙に違う「製品の個体差」という大きな壁もありました。

それが現在では、高度なモデリング技術によって歴史的な名アンプ・サウンドを誰もが手軽に楽しめるようになりました。中でも最新のME-70には、より品質が向上したハードウェアと、進化したモデリング技術が惜しみなく投入されているので、極めてクオリティの高いサウンドを、いとも簡単に手にすることができるのです。 それでは、そのアンプ・サウンドを早速紹介していきましょう。

いろいろなアンプ・サウンドを試してみよう!~その1

マニュアル・モードですべてのエフェクトをオフにした状態で、「PREAMP(プリアンプ)」を使ってみましょう。[TYPE]を【OFF】以外に設定すれば、自動的にプリアンプがオンになります。

ここでは[TYPE]=【STACK】を選んでみましょう。プリアンプ・セクションのツマミをすべてセンターにすると、軽く歪んだサウンドが得られます。

※注:サンプル音は自宅録音のためライン録音したものですが、キャラクターの違いは聴き取れると思います。

▲写真3:この設定で弾いてみましょう。

▲写真4:このストラトで弾いたサウンドです。

▲写真5:ハムバッカーPUを搭載したSGで弾いたサウンド。

このように異なったギターを使うと、トーンだけでなく、歪みの質感自体も変化します。さらにME-70の[GAIN]を増減させることで歪みの量を変えられますが、ピックアップのパワーやギター本体のボリューム、ピッキングの強さなどの要素も、サウンドに大きく影響します。まるで実際にアンプを鳴らしているかのようなリアルさで、サウンドが演奏ニュアンスに追従してくれますので、皆さんもいろいろな演奏表現を試してみてください。

次に[TYPE]を【CLEAN】にしてみましょう。もともとJC-120はクリーンが非常に美しいアンプですが、同じクリーンでも暖かみのある、少しファットなイメージに変わるのが分かりますね。

▲写真6:[TYPE]=【CLEAN】に設定。

▲エフェクトがオフの場合(JC-120本体のサウンド)

▲エフェクトがオンの場合([TYPE]=【CLEAN】のサウンド)

このように6種類のアンプ・タイプを切り替えることで、あらゆるジャンルに適したギター・サウンドをすぐに鳴らすことができるのです。