mnavi Academy

OD/DSセクション完全チェック~後半戦~


●6.CLASSIC

こちらも「PREAMP」搭載の【STACK】と同系統のタイプですが、実際のアンプよりも、かなり歪んだサウンドまで再生可能です。

【DRIVE】を上げていくだけで、OD-1で大型スタック・アンプをブーストさせたようなリッチなサウンドが得られるのです。これは今までにはない、とてもユニークで使いやすいタイプですね。ぜひとも、試してみてください。


●7.MODERN

ここからの3タイプは、いわゆる「ハイゲイン系」の歪み。低域の効いた迫力あるサウンドが得られ、低音弦でのリフにピッタリ。使用するアンプは、もちろんJC-120でもOKですが、大型のスタック・アンプをクリーンの設定にして演奏すれば、さらに迫力あるサウンドとなります。

ネーミング通りの現代的な歪みで、バッキングやリフに使うといい感じ。ポップスからメタル系まで、幅広く対応できるタイプの歪みだと思いました。


●8.METAL

コンパクトのMT-2に通じる、中域が強調されたメタル・サウンドが得られます。

リード向きのサウンドであるばかりでなく、自宅などでアンプを小音量で鳴らす際にこのタイプを使うと、演奏しやすいかも。


●9.CORE

ドンシャリ系の過激なディストーション。エッジ感がとても強いので、メタル系の低音弦リフでも音がつぶれず、迫力あるプレイが楽しめます。デス・メタル系リフにもピッタリな歪みですね。


●10.FUZZ

ジミヘン風からシューゲイザー系まで、多くのギタリストに愛されたファズは、エッジを削った滑らかな太いサウンドが特長的。ME-70搭載のファズは、どちらかと言えばクセの少ない使いやすいタイプです。

こちらもアンプとの組み合わせによって、サウンドを大きく変化させられます。歪み系アンプと組み合わせる場合は、【DRIVE】を抑えめにしたほうが"つぶれ感"が出過ぎずにいいかもしれません。他のエフェクターと組み合わせてみても、楽しそうですね。

EQで歪みをさらに磨き上げる

歪みのタイプの選択と3つのツマミで無限のサウンドを構築できますが、さらにこだわって音を作ってみたい方は、イコライザーを利用してみてください。ME-70には、4バンドのパラメトリック・イコライザーが装備されているので、歪みのサウンド・キャラクターを微調整したり、質感を大きく変化させることが可能となります。

4つのツマミにはギター・サウンドの調整に最適な帯域がセッティングされているので、ツマミを感覚的にグリグリと動かすだけで、好みのサウンドに到達できるはず。 前回ご紹介したように、「PREAMP」部で【EQ】を選ぶだけで、すぐにイコライザーが使えるようになります。

▲写真7:「TYPE」を【EQ】にすると、「PREAMP」部が4バンド・パラメトリック・イコライザーとして動作します。

"歪み"と"プリアンプ"の組み合わせで個性を演出する

歪み系エフェクターを、どんなアンプと組み合わせて鳴らすか。このことが、ギタリストの個性を決定する重要な要素であることは、今さら言うまでもないでしょう。

しかしながら、数多く存在するアンプとの相性をひとつひとつテストすることは、現実的にはとても難しいですよね? ところがME-70ならば、JC-120などのクリーン・サウンドに設定したアンプが1台あれば、本体だけで「たくさんのアンプとの組み合わせによる歪みサウンド」を自在に作り出すことができるのです。

もちろん、実際の真空管アンプのサウンドは、素晴らしいと僕も思っています。でも、1台のアンプでは、基本的には1個のキャラクターしか出せませんよね? 何台ものアンプを切り替えて使うということは、多くの人にとっては現実的ではありません。

ME-70のPREAMP機能を使えば、"定番"と呼ばれる歪みとアンプの組み合わせから、誰もやったことのないユニークな設定までが思いのまま。簡単に、いろいろなサウンドを試せるメリットは、とても大きいと思います。

歪みサウンドを作る際に起きやすいトラブル

歪みサウンドを作った際、中でも今回のように複数の歪みを組み合わせた場合、慣れるまではいくつかの問題に悩まされるかもしれません。その代表的なトラブルが、「ハウリング」と「ノイズ」です。

ハウリングとは、エフェクターなどでゲインを上げて(歪ませて)大音量で演奏しようとした時に「ピー!!!」という音が鳴ってしまう現象のことを言います。

実際の演奏環境や、ギター本体のピックアップの種類や搭載方法によっても変わってきますが、ほとんどの場合は"歪ませ過ぎ"が原因です。対処法は「歪みを減らす」、「音量を下げる」、「ギターの向きを変える」が基本ですが、「違うギターを使ってみる」、「演奏しない時はギター本体のボリュームやペダルで音量を下げる」なんていう方法もあります。どちらかというとビンテージ系のピックアップだと、ハウリングが起こりやすいようです。

また、弾いていない時に「ゴー!!」というノイズが発生することもあります。これはエフェクターのノイズではなく、歪ませることによってピックアップに乗ったノイズが増幅されているのです。バンドの中で演奏して気にならない程度のノイズであれば、"ギターにノイズは付きもの"と思ってもらっても結構ですが、どうしても気になる場合は「ノイズ・サプレッサー」を使ってみてください。

写真の右ボタンを押していくとノイズが少なくなりますが、あまり上げ過ぎると音の切れ際が不自然になりますので、実際に音を聴きながら調整してみてください。

▲写真8:ノイズ・サプレッサーの効き具合は、このボタンで調整します。



今回は、実際にアンプで音を鳴らしてサウンドをチェックしたので、サンプル音はありません。ゴメンナサイ! でも、どのタイプの歪みも本当によくできていて、原稿そっちのけで、ついつい弾きまくってしまいました(笑)。ツマミをいろいろ触ってみれば、きっと"おいしいポイント"が見つかるはずです。ぜひ、皆さんもお店で試奏してみてくださいね。

次回は、FX系やモジュレーション系の基本から説明してみたいと思っています。

また来月!!

 

中野豊

profile:中野 豊(なかの ゆたか)
現在KANのサポート・ギタリストとしてツアーやレコーディングに活動する多忙なギタリスト。ファンキーなリズム・ワークからロック・フィール溢れるソロ・ワーク、呼吸感のあるオブリガードなど幅広い音楽性を持つギタリスト。エフェクターを含む楽器・機材への造詣も深く、全国展開中のBOSSやRolandのワークショップの講師として、実践的なクリニックが好評を博している。