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Vol.28:sleepy.ab

シンプルながらも、一度耳にするだけで記憶に残る美しいメロディ、内に向かいながら人間の本質に届くリリック、そして4人が紡ぎ出す濃密かつ浮遊感のあるサウンドで、遂にシーンの中心へと飛び出した"sleepy.ab(スリーピー)"。最新作『paratroop』のレコーディング真っ只中の彼らを直撃し、北の大地が育んだ"ab(=abstract)"な音世界について、たっぷりと語ってもらった。

全員が好きなことをやってアルバムを作ったら、
聴き手の反応に手応えを感じた

─ 11/25にリリースされるアルバム『paratroop』は、どのようなコンセプトで制作を進めていったのですか?

田中(以下、TN):コンセプトというわけではありませんが、前作(『archive』)が、当時の僕らのベスト盤的な意味合いが強かったので、そこでひと区切りをつけて、また新たな挑戦ということで、フラットな気持ちで、いろんな要素を入れていこうという想いで制作しました。

─ 曲作りは、どういうスタイルで行っているのですか?

成山(以下、N):全員が曲を作るんですけど、その方法は、みんなちょっとずつ違います。俺は歌モノを作ることが多いので、アコースティック・ギターを弾きながらそれを録って、そこからみんなで肉付けをしていきます。山内は、パソコンを使って曲を作ってくる感じですね。

TN:僕の場合は、まずベースでリフを考えて、ドラム・パターンまで作ったら、それにみんなで肉付けをしてもらいます。

▲写真1:成山剛(Vo, Gt)

津波(以下、TS):僕も部分的なんですが、ベースとドラムだけを考えたりとか。あとは、だいたい口で説明したりします。

N:だから、"リズム発信"か、"歌発信"か、という感じですね。それに対して、山内が作るデモは、雰囲気というかSE(効果音)っぽいギターが主になっていたりしていて、そこからメロディというか、曲の風景、世界観がパッと見えてくる感じです。

─ 各自のアイデアを、バンドでアレンジしながら組み立てていくという流れなんですね。

N:そうです。だけど今回は、プリプロではそんなにスタジオには入らなかったですね。

TN:これまでよりも、パソコン上での作業が多かったと思います。そうやって作ったものを、ファイルでやり取りしたりだとか。

山内(以下、Y):これまでは、全員でスタジオに入って、その場でどんどん作っていくというスタイルだったんですが、今回は、個々での作業も多かった。コーラスをたくさん試してみたり、ベースも5本くらい重ねて録ってみたりだとか......。そうやって1人で多くのことを試しながら、最後に4人で曲を構築していくという感じでした。

TS:ドラムも、プリプロではエディロールR-09で録ったんですよ。手元に置いて、レベルさえ調整しておけばキックの音まできれいに録れて、すごく楽チンでした。以前は、1曲のアレンジを詰めるのに何週間もかけて、何度もバンドでセッションしていたんです。

N:特にドラム録りになると、すごい量の機材を持ち込んで、マイクを立てて録ってましたからね。

▲写真2:山内憲介(Gt)

TS:それが今回はR-09を使ったことで、例えば、山内から「こんな感じのドラムを録って」と連絡が来て、叩いて、録って、データを送る、という感じで、やり取りもスムーズになり、ものすごく作業効率が上がりましたね。「俺達は今まで何をやってたんだろう?」って思うくらい、何倍ものスピードで作業を進められました。

Y:そうそう、R-09と言えば、以前にこれでイカの声を録ったんですよ。函館まで行って。

▲写真3:津波秀樹(Dr)

N:「さかなになって」という曲があって、海の音をいっぱい入れようということになって。それで山内が、わざわざ函館まで帰って「キュン、キュン」っていうイカの音を録ってきたんです(笑)。

Y:そのまま、SEとしてCDに収録しました(笑)。

─ そういったフィールド・レコーディング的な要素も含め、美しいメロディと浮遊感のある音響系サウンドをバンド・スタイルで生み出すというsleepy.abの方向性は、どのようにして生まれたのですか?

N:バンドを結成した当初は、もっと音響系の志向が強かったんですが、3枚目のアルバム『palette』に入ってる「メロディ」っていう曲を作って、そこからスタンスが大きく変わったような気がします。それまでは、アルバムのカラーに統一感を持たせようという意識が強かったんです。でも、それに少し飽きてきた頃で、「もっと、みんな好きなことをやればいいじゃん」という感じで作ったアルバムだったんです。

TN:僕ら4人は、そもそも聴く音楽も格好も、バラバラですからね。

N:全員、同じ音楽専門学校に通ってたんですけど、当時はまったく違うグループで、交流がなかったんですよ。聴く音楽も、俺はイギリスっぽい音楽が好きだったし、山内はソウルだとか。

Y:あと、フォーク。サイモン&ガーファンクルとか。

N:で、ベースはメタル?

▲写真4:田中秀幸(Bs)

TN:僕は元々ギターを弾いていたので、当時はギター・ヒーローに憧れていましたね。

TS:僕はジャズ・ファンクが好きで、中学、高校の頃から、ずっと聴いてます。

N:そういうバックボーンがあるわけだから、全員がそれぞれ好きなことをワーッとやってアルバムを作ったら、これがウケたんですね。聴き手の反応に手応えを感じたというか。それで、「あ、これでいいんだ」って思えるようになったんです。

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Profile

sleepy.ab(スリーピー)

札幌在住の4ピース・バンド。接尾語の"ab"である「abstract=抽象的で曖昧な世界」が示す通り、ボーカル成山らが紡ぐ美しく繊細なメロディにギター山内の変幻自在の空間プレイ、ベース田中とドラム津波の確かな素養に裏付けされた強靭なボトムを特徴としたサウンド・スケープで、"absolute"な音世界を確立している。11月には2年半振りのオリジナル・アルバム『paratroop』をリリース。また、アコースティック編成の「sleepy.ac」としてもライブを展開している。

オフィシャル・サイト:
http://www.musicaallegra.com/sleepy/

Information

■CD
『paratroop』

PONY CANYON
11/25発売


『アクアリウム』

配信限定リリース
※myspaceにて高音質版の配信スタート
http://www.myspace.com/sleepyab


『archive』

WHCD-41
¥2,500

■LIVE

10/2(金) 札幌 PENNY LANE24
10/10(土) 仙台 HooK
10/11(日) 渋谷 O-west
10/12(月) 京都府立文化芸術会館
10/14(水) 東京 月見ル君想フ(★sleepy.acワンマン)
10/16(金) 新宿 MARZ

《paratroop tour》

11/11(水) 郡山 CLUB #9
11/12(木) 青森 Quarter
11/13(金) 函館 club COCOA
11/15(日) 旭川 CASINO DRIVE
11/18(水) 新潟 CLUB RIVERST
11/19(木) 富山 soul power
11/21(土) 金沢 VAN VAN V4
12/5(土) 岡山 crazymama 2nd Room
12/6(日) 福岡 VIVRE HALL
12/7(月) 長崎 studio DO!
12/9(水) 京都 磔磔
12/10(木) 神戸 VARIT
12/11(金) 松山 サロンキティ
12/13(日) 広島 Cave-Be
1/16(土) 大阪 AKASO(★)
1/17(日) 名古屋 APOLLO THEATER(★)
1/22(金) 仙台 HooK(★)
1/24(日) 東京 キネマ倶楽部(★)
1/30(土) 札幌 道新ホール(★)
★:ワンマン公演

※詳細は、上記オフィシャルサイトをご覧ください。