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新作でプレイしたV-Pianoは、
シンプルでありながら、いくらでも音に凝ることができる

─ すでにV-Pianoも、かなり使い込んでいらっしゃるそうですね。

B:うん。V-Pianoはピアノに特化した楽器だということもあって、ピアノ音源に関してはRD-700GXよりも凝っている。とにかく、1音1音プログラムできるのがすごい。チューニングも、1音ごとにできるんだ。ボクも専用エディターをインストールしたノート・パソコンをつないで、レゾナンスやアタック、チューニングなんかを1音ずつ調節したよ。高音域は鍵盤1つに対して3本の弦があるけれど、ボクは3本のチューニングをほんのわずかにズラして、微妙にうねりが出るようにしているんだ。アコースティック・ピアノでも、これを完璧に合わせることはできないから、その不完全さを再現したわけさ。そこまでサウンドを追い込めるところが気に入っているんだ。1音ずつ微妙に違うサウンドにプログラムしたことで、よりリアルなサウンドになっているよ。V-Pianoが発売されたタイミングは、ボクにとって完璧だった。新作でもV-Pianoを使ったけれど、ボクがアコースティックの代わりにデジタルピアノを使ったのは、この楽器があったからなんだ。サンプリング・サウンドもかなり本物に近いところまで来ているけれど、V-Pianoでレコーディングした音を再生すると、本当にアコースティック・ピアノを弾いているような感じに聴こえるんだ。

▲写真1:V-Piano

─ V-Pianoでは、サイズや巻弦の材質など、実在しないものも選べるようになっていますが、そういったものも試してみましたか。

B:うん。実を言うと、自分のパッチを作る時にも、出発点にしたのは、「020:All Silver 2」という、“ヨーロピアン・タイプのピアノをシミュレートしつつ、弦が銀”、というプリセットだったからね。こんなピアノは、現実には存在しないよ(笑)。

─ でも、そのプリセットがあなたにとって理想のサウンドに一番近いものだったわけですね。

B:そう。ブライトなサウンドが気に入ったからね。それで、ヘッドホンで音を聴きながら、文字通り88個の鍵盤の音をひとつひとつ、ありとあらゆる方法でエディットしていったんだ。自分のプリセットを完成させるのに2日かかったよ(笑)。

─ 弦楽器や管楽器のように、自分でチューニングを追い込めるピアノが手に入ったという感じですか。

B:そう! しかも、調律師の訓練を受けなくても済むしね(笑)。コンピューターを操作するための知識は必要だけれど、それはすでに誰でも身に付けているはずだよね。あと、V-Pianoは見た目もカッコいい。新作のDVD版で見てもそう思う。楽器は見た目も大切なんだ。見た目が悪ければ、誰も使いたがらないからね。実際、洗練されたシンプルな外観が気に入ったというミュージシャンはたくさんいるよ。

─ 外観がシンプルであれば、アコースティック・ピアノに慣れたプレイヤーにもとっつきやすいですね。

B:その通り。V-Pianoなら、ピアノを弾きたい時にはボタンを1個押すだけで済むからね。それでいて、凝ったことがやりたければいくらでもできる。そこが、この楽器の魅力なんだ。ボクは凝る方を選んだけれどね(笑)。

─ 今お話のあった新作について教えていただけますか。

B:新作は『ライフ・フロム・ジ・インサイド』というDVD+CDで、キャピトル・レコードのAスタジオという、由緒あるスタジオで収録したライブがメインになっている。観客はいなくて、バンドはお互いの顔が見えるように輪になって演奏したんだ。DVDでは、曲の合間に、ツアー生活の様子や、ボクがシカゴへ行って母校のデ・ポール大学や当時住んでいた寮の部屋、最初のリーダー作を作った時に住んでいたアパートの部屋、ボクが通い、父親が今も教えている高校などを訪れた時のドキュメンタリー映像が挿入されている。ゲストも豪華で、レイ・パーカーJr.(Gt)やデイヴ・コーズ、エリック・マリエンサル(ともにSax)などがボクのバンドに加わっているんだ。DVDには17曲収録されていて、本編は1時間40分ぐらいだけれど、エクストラ映像が全部で2時間分ぐらい入っている。本編よりもエクストラの方が長いんだ(笑)。アメリカでは11月の発売で、その中から12曲選んで収録したCDのみもリリースすることになっているんだ。
(注:DVD+CDは輸入盤で発売中。CDのみの国内盤は2010年1月13日発売予定)

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Profile

Brian Culbertson(ブライアン・カルバートソン)

米国イリノイ州生まれ。トランペット奏者で実父=ジム・カルバートソンの指導のもと、8歳でピアノと聴音を始める。幼少の頃から70年代R&Bサウンドを聴きあさり、幅広いジャンルへの音楽的趣向はやがて彼のマルチ・プレーヤーとしての素養を培うことになる。高校時代にMIDIとシンセサイザーに魅了され、サウンド・クリエーターとしてのキャリアを大きくバックアップする。大学在学中の1994年、アルバム『ロング・ナイト・アウト』でデビューして以来、3枚のアルバムをリリース。その後活動の拠点をGRPレーベルに移し、移籍後第二弾となる『ブリンギング・バック・ザ・ファンク』をリリース。リリカルで流麗なプレイにファンクの要素がふんだんに盛り込まれた、ダンサブルな作品となっている。

オフィシャル・サイト:
http://www.universal-
music.co.jp/jazz/artist/
brian_culbertson/index.html

http://www.brianculbertson.com/ (英語)

Information

■CD
『ブリンギング・バック・ザ・ファンク』

UCCV-1120
¥2,500

『ライブ・フロム・ジ・インサイド』

UCCV-1126
¥2,500