Top > mnavi Interview > Vol.32:ハヤシ&カヨ(POLYSICS)

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SH-201で自分らしい音色を作れて、
音作りに迷いがなくなった

─ 『KARATE HOUSE』制作時期に、SH-201JUNO-G、そしてボコーダーにVP-550(注:現在はVP-770を使用)が導入されたんですよね。SH-201は、『Absolute POLYSICS』の制作でも大活躍だったそうで。

H:シンセ・サウンドの8割くらいは、SH-201で作ったんじゃないかな? とにかく、一番使ったシンセです。だから先のツアーでも、ボクがSH-201を弾くようにしたんです。「Time Out」の前面に出てくる音なんかも、SH-201ですよ。すごく自分らしい音色が作れたと感じてますし、あの音色ができたことで、音作りに迷いがなくなりましたね。その音色を発展させて、また別の曲で使ったりもしてます。でも、それが……。そのツアーのライブで、シンセ・ソロを演奏している時に操作を間違ってしまって、焦って別の音色をセーブしちゃったんです。作った音色が消えちゃって……。

K:ライブが終わって、かなりヘコんでたよね。「うわぁ、作り直しだぁ」って(笑)。

H:いやいや、もうライブ中にヘコんでたよ。「消えちゃったぁ~」って(苦笑)。まあ、それくらい使いまくってます(笑)。自宅でもライブでも使うから、いつも持ち歩いているんですよ。ボクらは機材をコロコロ変えるバンドではなくて、どちらかと言うと1台をとことん使い込んでいくタイプなんですが、SH-201とJUNO-Gとの出会いは、POLYSICSにとって、すごく大きなものでしたね。

─ たくさんシンセがある中で、SH-201をそれほどまでに気に入ったポイントは?

H:とにかく、最初に触った瞬間に「これはイイ!」と感じたんです。まず、何よりも音が作りやすい。フィルターだったり、エンベロープだったり、直感的に音色をいじれることは魅力的ですね。ちょっとしたプリプロなどの際にも、単体でショート・ディレイやリバーブをすぐかけられるという感覚は、とても便利です。それに、アンプ部にオーバードライブが搭載されていて、そこでも音色を変化させられるじゃないですか。ボクはシンセ・サウンドを歪ませるのがすごく好きだから、この機能はドンピシャでしたね。シンプルで、機能が厳選されている点も、ボクにとって嬉しい部分です。プリセットの音色を片っ端からチェックしなくても、核となる音が決まればそこから自分で広げていけるので、すごく使いやすいですよ。オシレーターを剥き出しにした時の音抜けが、これまたすごくいいですし、ライブではDビームも使って、ピッチをコントロールしています。

─ そこまで活用いただいて、本当にありがとうございます。そのライブですが、いよいよ3月14日には、POLYSICS初となる武道館公演が控えていますね。

H:決まった瞬間、「これはすごいことになっちゃったな」と感じました。DEVOの初来日公演(1979年)が武道館で、その31年後にPOLYSICSがやんのかぁ……、って思って。

K:やっぱり、決まった時は嬉しかったですね。中学生ぐらいから、いろいろなライブを武道館に観に行っていたので、そこで自分たちがライブをできると思うと、とにかく嬉しいです。

H:ボクも、中学生時代にユニコーンや筋肉少女帯のライブを武道館で観てるんですよ。武道館にライブを観に行く時って、いろんなことを考えてワクワクしながら、九段下から砂利道をザクザクと歩いていくじゃないですか。あの感じをPOLYSICSでやることができるんだと想うと、感慨深いです。やっぱり特別な空間だし、憧れていた場所ですから、気合が入りましたね。POLYSICSは、大きな区切りで毎回チャレンジをしてきたんです。SHIBUYA-AXでやったバンド結成10周年記念ライブもそうですし、日比谷野外大音楽堂でのワンマン公演もそうでした。2010年はメジャー・デビュー10周年ですし、ちょうど10枚のオリジナル・アルバムをリリースできたタイミングでもあるんです。その10枚目のタイトルが『Absolute POLYSICS』となったことはまったくの偶然なんですが、でも、やっぱりこれは何かあるんだろうなと、自分でも感じていて。そんな大きな節目のチャレンジとして、武道館公演は特別なものにしたいと考えてます。

─ 90年代の終わりに登場したPOLYSICSが、00年代を経て、10年代の幕開けと同時にベスト・アルバムをリリースして武道館公演に臨むというのは、何かすごく時代性を象徴しているように感じます。

H:そうかぁ、確かにそうですね。ヤノが加入してからの5年間、本当にものすごい数のライブをやってきて、そのうえで完成させられたベスト・アルバム『BESTOISU!!!!』は、まさにPOLYSICSのこの5年間の記録だと思います。POLYSICSのいいところ、つまり、POLYSICSの音楽性を語るうえで欠かせないハッピーな部分とクレイジーな部分、それがうまい具合に混ざり合った楽曲たちが凝縮されています。サウンド面でも、ギターなり、シンセなり、ものすごく個性的な音がぶつかり合いながら、ポップなものを生み出しているという自信があるので、楽器に興味を持ってる人なら、そういった部分に耳を傾けてもらっても、POLYSICSの面白さを感じてもらえると信じています。

本インタビュー取材後の2009年12月23日に、カヨさんが3月14日の武道館公演をもって、POLYSICSを『卒業』することが発表されました。そこで今回、特別にカヨさんからメッセージをいただきましたので、併せて掲載させていただきます。

2010年に入り、武道館まであと2ヶ月。少しずつ卒業することを実感していますが、今は最後のアメリカ・ツアーと武道館のことで頭がいっぱいで、卒業と言うよりは「どの会場でも良いライブをする!」と言う気持ちが強いです。

いつもライブをする時は、どんなことがあっても楽しくてかっこいいライブをしようと思っています。武道館で卒業だとしても、それは変わりません。ただ、やっぱり10周年記念ライブですから、いつもより楽しみたいですし、お客さんもワクワクしていると思いますが、私もワクワクドキドキしています。12年間で1番のライブにしようと思っているので、ぜひ、みなさんに観に来て欲しいと思っています。

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Profile

POLYSICS

1997年、ニューウェーブ・バンド"DEVO"が大好きでたまらなかった高校生のハヤシが、その衝動を抑えきれずPOLYSICSを結成。98年にカヨが加入。その唯一無二の特異なパフォーマンスで注目を集め、1999年にアルバム『1st P』でインディー・デビュー。2000年、マキシ・シングル「XCT」でメジャー・デビューを果たす。2001年に、当時サポート・メンバーであったフミが正式加入し、2004年にヤノが新メンバーとなり、現在のバンド編成となる。国内はもとより、欧米でも高い人気を誇り、1/28~2/16まで全15公演のUSツアーを敢行。3/14には武道館ワンマン公演が予定されている。

オフィシャル・サイト:
http://www.polysics.com/

Information

■CD
『BESTOISU!!!!』(初回生産限定盤/2CD)

KSCL 1536-37
¥3,500

『Absolute POLYSICS』(初回生産限定盤/CD+DVD)

KSCL 1456-57
¥3,360

■LIVE
POLYSICSメジャー・デビュー10周年スペシャルライブ!!~BUDOKAN OR DIE!!!!~

3/14(日) 東京・日本武道館