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Vol.35:小沼ようすけ

確かなテクニックと豊かな表現力、そして新しい感覚が導く優れた楽曲クオリティで高い評価を受けるギタリスト、小沼ようすけ。14歳でギターを始め、どのような過程を経て独自のプレイ・スタイルと音楽性を確立したのか。今やジャズ界を代表するギタリストとなった小沼氏のこれまでの歩みから、現在制作中の新作の話題まで、じっくりと語ってもらった。

中学生時代はバイト代で毎月1個
コンパクト・エフェクターを買っていた

─ 小沼さんは14歳からギターを始めたということですが、最初にギターを手にしたのはどのようなきっかけからだったのですか?

小沼(以下、O):父親が趣味でギターを弾いていたので、自宅にアコースティック・ギターがたくさんあったんです。それで、小学生の頃からギターを触って遊んでいて、中学に入って、本格的にロック・バンドを始めました。

─ 今では、小沼さんとロック・バンドのイメージはあまり結びつきませんが(笑)。

O:そうかもしれませんね(笑)。入口はBOOWYだったんです。BUCK-TICKもコピーしてました。そこからだんだんマニアックな方にハマっていって、ジミ・ヘンドリックス、ヴァン・ヘイレン、イングヴェイ・マルムスティーンとか、そういう流れでした。その頃はハード・ロックがブームで、ラウドネスなんかも好きでしたよ。

─ では、そういった好きなバンドの曲をコピーをしながら、独学でギターを覚えていったのですか?

O:独学です。でも当時、僕の家庭教師の先生がすごくギターのうまい人で、勉強が終わるとギターについていろいろと教えてもらってたんです。エフェクターを教えてくれたのも、その先生です。それで、ボスのオーバードライブとディストーション、コンプレッサー、フランジャー、ディレイの1セットを貸してくれて、いろいろと音作りを楽しんでました。

─ はじめてエフェクターに触れた時の印象は、どうでしたか?

O:「スゴイ!」って感動しましたよ。これであんな音が作れるのかって思いました。そこから、いろんなアーティストの音をいかに真似ていくかっていうことで、自分の中でもかなり盛り上がりましたね。

─ ご自身で最初に買ったエフェクターは覚えてますか?

O:ボスのオーバードライブです。まだツマミが2つの初期タイプだったと思います。その次が、コンプレッション・サスティナーかな。買ったのは中学2年生の時だったんですが、その頃は毎月、新聞配達のバイトをしていたんですよ。そのお給料が月2万円で。そうすると、1ヶ月のバイト代で1個コンパクト・エフェクターが買えるわけですよ。ですから、1ヶ月に1個ずつ揃えていきました。今考えると「1ヶ月で2万円って安いバイトだな」って思いますけど(笑)、当時はエフェクターを増やせることが嬉しくて、頑張ってバイトに行ってましたね。何だか分からないですけど、ボスのコンパクト・エフェクターって集めたくなるんですよね(笑)。

─ 色もカラフルですしね(笑)。

O:そうですよね。それに、知らないエフェクターがあると、「これは何だろう? どんな変化が加えられるんだろう?」って興味もわきましたし。そうこうしていくうちに、歪みも2種類を使って、まずオーバードライブでブースター的にゲインを上げて、それでディストーションで歪ませる......という使い方を覚えていって。ボスのコンパクト・エフェクターは、今でも本当に愛用していますからね。特にブルース・ドライバー(BD-2)は、古くから使ってますよ。今はそれほど激しい歪みは必要としていないので、ブースターもいろいろと試しましたけど、これが一番気に入っているんです。

▲写真1:小沼氏がレコーディングやライブで使用しているボス・コンパクト・エフェクター。左上から時計周りに、ディメンジョンC DC-2、スーパー・オクターブOC-3、クロマチック・チューナーTU-2、デジタル・ディレイDD-7、ブルース・ドライバーBD-2

─ そういったハード・ロックからジャズを始めたきっかけは?

O:音楽の専門学校に入って、そこでジャズに出会ったんです。そうしたら、ハマってしまって。最初のきっかけは、ジョージ・ベンソンのプレイを聴いたことでした。クリーン・トーンでアドリブをバシバシと弾いていて、これは何てカッコいいんだろうと思いましてね。本当に、1から100まで自由で、自分はこういう音楽をずっとやりたかったんだって思えたんです。そのタイミングで、実は一度、エフェクターをすべてやめてしまったんですよ。その時は、まだジャズもそんなに知らなくて「ジャズはクリーン・トーンだ」っていうイメージしかなくて。当時は、古いスタイルのジャズばかりやってましたから、「これからジャズをやるんだから、エフェクターは使わない」って思って、一度手放したんです。それでも、次第にいろんな音楽を知っていくと、やはり自分のルーツ的な音楽だったり、ロック的なサウンドもいいなと思うようになってきて。それから、再びエフェクターを買い始めたんです。

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Profile

小沼ようすけ

海とギターが調和した瑞々しいサウンドで知られる小沼ようすけは、現在までに発売された6枚のアルバムがいずれも好評を博し、日本を代表するジャズ・ギタリストの1人として注目され続けている。2007年に制作された6作目『ビューティフル・デイ』では、ギターと共に生活の一部としているサーフィンにインスパイアされた新しいサウンドに挑戦、"サーフ・ミュージックへのジャズからの回答"と評された。以降、サーフ系フェスティバルからの招待や、サーフィン雑誌からのインタビュー取材など、既成のジャズの殻を打ち破るオリジナリティのあるジャズ・ギタリストの道を歩んでいる。2010年6月23日にカリブ海グアドゥループ島のリズム"グオッカ"を取り入れた、ダブル・パーカッション編成による3年ぶりの新作『ジャム・カ』と、デビュー作から5作目『3,2&1』までの楽曲をコンパイルしたベスト盤『ザ・ベスト』の2枚を同時発売する。

オフィシャル・サイト:
http://www.yosukeonuma.com/

Information

■CD
『ジャム・カ』6/23発売

SICP-10111(SA-CDハイブリッド仕様)
¥3,045

『ザ・ベスト』6/23発売

6SICP-10112(SA-CDハイブリッド仕様)
¥3,045

『Beautiful Day』
(SA-CD HYBRID)

SICP-10095
¥3,045

■LIVE
『ザ・ベスト』発売記念ツアー

6/25(金) Motion Blue YOKOHAMA
6/26(土) Motion Blue YOKOHAMA
6/27(日) NAGOYA Blue Note
6/28(月) 岡山・城下公会堂
6/29(火) 大阪・ミスターケリーズ
7/2(金) 金沢・もっきりや
7/3(土) 富山・フォルツァ総曲輪4F ライブホール

※詳細は、上記オフィシャル・サイトをご覧ください。