2人にとって連弾は自然な形。本格的な連弾作品を
取り上げて、奥深い魅力を探り、伝えていきたい
─ 双子で息のぴったり合った連弾を聴かせてくれるJumellesのお2人ですが、ユニットで活動しようと思ったきっかけは何だったのですか?
宮原ちひろ(以下C):私たちは子供の頃からずっと連弾が好きで、将来は本格的な連弾のピアニストになりたいと思っていました。連弾って、ソロの合間にチョロっと娯楽的に弾くイメージや、ソロの演奏に比べると軽いものといった見方もあると思います。でも、連弾を1つのジャンルの音楽として、ちゃんと認めてもらいたいという想いをずっと持ち続けていたんです。連弾だけでも演奏会はきちんと成り立つので、そんなイメージを定着させたいな、と思って。
─ 昨年11月に発売されたデビューCD『連弾レボリューション』は、まさに革命的な連弾アルバムですね。ワーグナーやショパン、ブルックナーに哲学者のニーチェなど、あまり知られていない連弾作品が並んでいます。これらをレコーディングすることになった経緯を教えてください。
宮原みちる(以下M):学生時代から、室内楽のオーディションやコンクールを受けて、少しずつ連弾が認められるようにと活動していたんですが、そんな中、ピアノ・デュオの作品事典を書かれた松永晴紀先生が、私たちのコンサート・プログラムに解説を書いてくださったり、演奏に関心を寄せてくださっていたんです。

C:それで、ある時に松永先生が、連弾作品の楽譜を数多く収集されているレコーディング・プロデューサーの宮山幸久さんに、私たちを紹介してくれたんです。宮山さんが持って来てくださった楽譜を初めて見た時には、今まで見たことも聴いたこともないような連弾作品が多くてびっくりしましたよ(笑)。
M:アルバムを制作するにあたって、まずオネゲルの「パシフィック231」を弾けるかどうかと尋ねられました。この曲が一番難しいから、これさえ弾ければ他の作品も大丈夫だ、ということだそうなのですが、もちろん「弾けます」とお答えして、レコーディングをすることになりました。「パシフィック231」は、たしかに大変な曲ですが、今ではとても好きな曲の1つになりました。ピアノ1台でこんな曲が弾けちゃうんだよ! という迫力にハマっています(笑)。連弾の面白さを広げてくれる曲です。
─ 珍しい曲が多いですが、演奏するにあたって、それぞれ工夫された点もあるのでしょうか?
C:音楽的な意味では、ゆっくりとしたテンポのブルックナー作品が意外と難しいですね。打鍵がずれてしまうといけないですし、長いフレーズも息を合わせて弾かなくてはなりませんから。でも、難しい分、合ったときの喜びも大きいんですよ。ショパンの作品は、ソロ作品という強いイメージがありますから、連弾ではちょっと苦しかったですね(笑)。
M:レコーディングの時は、指がまわらなくて結構苦労しました。
─ バラエティに富んだ作品集ですが、お2人のお気に入りは?
C:どれが一番とは言えないほど、それぞれ個性的ですね。2人ともテーマ性や物語が浮かんでくる曲が好きなので、ムソルグスキーの「禿げ山の一夜」や坂本龍一さんの「Tong Poo(東風)」も大好きですし、メンデルスゾーンの「結婚行進曲」は、連弾での響きが凄く良い曲だと思います。
M:今回のアルバムには残念ながら入りきらなかったアンセルメやラロの作品、バレエやオーケストラ、オペラといったジャンルの連弾作品など、まだまだ連弾曲はたくさんありますので、今後も発表していきたいと思っています。





