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Vol.48:青木カレン

現代女性の先導となり、心の癒しとなるメッセージを唱い続けるジャズ・ボーカリスト、青木カレン。新作『voyage』では、日本HIPHOP/R&B界のヒットメーカー今井了介氏と次世代を担うギタリスト渥美幸裕氏をプロデューサーに迎え、生音ジャズと打ち込みアーバン・サウンドを融合させた“新しいジャズ”に挑戦している。この作品を通して彼女が探求するジャズの姿を探りつつ、ボスRC-30&VE-20の可能性を語ってもらった。

私が今、ジャズをやる中で継承すべきスピリットは、
"挑戦する姿勢"だと思っている

─ アルバム『voyage』は、生音のジャズと打ち込みを融合させた意欲的な作品ですが、このアイデアはどのような経緯で生まれたのですか?

青木:私は常に「新しいことに挑戦する」ということを1つのテーマとして考えているんです。それはなぜかと言うと「こういうサウンドがジャズなんですよ」っていうジャズの定義が、今はどんどん自由になっていると考えているからなんです。もちろん、ジャズという大切な音楽に関わらせていただく一員としてジャズをリスペクトしながら、私が敬愛するジャズ・ミュージシャンの方々に共通するマインドとして"挑戦"というものを感じるんです。そう考えると、私が今、ジャズをやる中で継承すべきスピリットは、やはり"挑戦する姿勢"なのではないかと思っているんですね。そこで、次はどのような作品にしようかと考えた時に、去年、『BY MY SIDE』というアルバムを、パウロ・スコッティさんのプロデュースでイタリア録音させていただきました。その時、私はシンガーとして迎え入れていただく形だったので、今度は、自分で作品のテーマを決めて、プロデューサーとしても積極的に制作に関わりたいと強く思ったんです。その気持ちと"挑戦する姿勢"を考えた時に、これまで私がサウンド的にチャレンジしたことがなかった「打ち込み」という領域に踏み込んでみようと思ったんです。

─ 青木さんが、打ち込みのトラックをバックに歌うというスタイルには、正直とても驚きました。

青木:でも私自身は、リスナーとしてデトロイト・テクノやエレクトロ・ミュージックがすごく好きなんです。ですから、これまで馴染みがなかったわけではないんですが、ただそれを自分でやるとは考えてなかったんですね。それを今回、レコーディングで挑戦してみたいなと思ったんです。

─ 日本のトップ・トラック・メーカーである今井了介さんと、ギタリストの渥美幸裕さんを共同プロデューサーとして迎えたのも、そういった理由からですか?

青木:そうです。曲作りは、すべて3人でゼロから作っていきたいと、最初から考えていました。

─ 収録曲は、オリジナル曲とジャズ・スタンダード、そしてスティングやフィル・コリンズ、レディ・ガガといったロック/ポップスの名曲のカバーと実に多彩ですが、選曲はどのように行ったのですか?

青木:それぞれが1/3ずつとなるような全体像をイメージして、オリジナル曲は30曲ほど作った中から、全体的なバランスを考えて選びました。カバー曲に関しては、やはり私自身が、そのアーティストや曲がすごく好きで、歌詞に共感できる曲を選びました。例えば、スティングの「ENGLISH MAN IN NY」は、最後に「Be yourself no matter what they say」と何度もリフレインするんです。英国生まれのスティングがニューヨークにいて、「人は何処にいようと、誰が何と言おうと、自分自身であれ」って言うリフレインこそがこの曲のテーマだと感じて、それをうまくジャズの生音の中で鳴らしたいなと思ったんです。「POKER FACE(レディ・ガガの作品)」は、打ち込みというアプローチを取り入れることによって、普段はあまりジャズを聴かない方や、ジャズは難しい音楽だと感じてらっしゃる方に、ジャズの自由さや楽しさを知っていただくきっかけになればという気持ちで選びました。

─ アーバン・ソウル・クラシックの名曲「YOU GOTTA BE」もカバーされていますね。

青木:この曲に関しては、完全に歌詞ですね。「勇敢であれ」とか「強くありなさい」という歌詞が、今回の『voyage』というアルバムの、新たに旅に出る、革命を起こすといった気持ちにすごく合うと感じたんです。アルバムの最後に入っている「TRY YOUR WINGS」はジャズのスタンダードですが、「あなたの背中についている翼を信じて下さい」、「好きな人がいたら、躊躇せずそこに飛んで行きなさい」、「夢があるならば、怖がらずにそこに今すぐ飛び立ちなさい」といった内容を歌っているんです。この歌詞が素晴らしくて選びました。

─ 一方、オリジナル曲は、どのように制作を進めていったのですか?

青木:基本的に歌詞は私が書いて、メロディは各自が家で作ってきたものを持ち寄るというスタイルでした。スタジオで、渥美さんが弾いたギターの上に、私が歌でメロディを乗せて、今井さんはピアノを弾くという共同作業で作っていったんです。ですから、メロディは本当に3人の共作ですね。

─ そのメロディに乗る青木さんのボーカル・スタイルが実に多彩ですが、歌い方というのは、メロディを作る段階で考えるのですか? それとも感覚的に決めるのですか?

青木:言ってしまえば"100%直感"なんですが、どうして曲によって声色や歌い方が変わるのかと考えると、やっぱり音楽って"感情の表現"だからだと思います。人生に喜怒哀楽があるように、曲にも喜怒哀楽があって、怒ったり、悲しんだり、泣いたり、笑ったり、ちょっと恋をしたら可愛くなったり。そういうのって、人は誰しもが持っている感情ですから、実際に歌う際に深く意識することはありませんが、そういう感情によって、自然と声色も変わっていくんだと思います。

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Profile

青木カレン

幼少を海外で過ごし、慶応大学在学中に本格的にアーティスト活動を開始。2ndアルバム『KAREN』は、ジャズ専門誌ADLIBのアドリブ・アワード(クラブ/ダンス部門)で堂々4位(女性ボーカリストとしては1位)、3rdアルバム『SHINING』は、翌年同部門でアワードを受賞する。2009年夏には東京・大阪・福岡のビルボード・ツアーで大成功を納め、2010年には、イタリアを代表するジャズ・レーベル“Norma Blu”よりアルバム『BY MY SIDE』リリース。精力的にライブ・ツアーを行い、同年11月にはベスト・ドレッサー賞の新人部門であるベスト・デビュタント賞を授賞する。2011年春、通算6枚目となるアルバム『voyage』リリースした。

オフィシャル・サイト:
http://www.rambling.ne.jp/artist/karen/

Information

■CD
『voyage』

RBCP-2526
¥2,625

■LIVE
『青木カレン“voyage”リリース・ツアー2011』

6/2,3(木,金) 那覇・Live Bar「A'due」アデュー
6/4(土) 名護・ミュージック・カフェ「城」6/5(日) 宜野湾・COTONOHA artspace+cafe
6/10(金) 福岡・ROOMS
6/12(日) 熊本・SECOND SIGHT

『THE CITY JAZZ CRUISE ~摩天楼音食倶楽部~ Session vol.1 feat. 青木カレン』

6/20(月) 札幌・JRタワーホテル日航札幌

『BIG BAND FESTIVAL 2011』

7/16(土) 東京・日比谷公会堂

『INTERNATIONAL JAZZ FESTIVAL SAPPORO CITY JAZZ Ezo Groove 2011』

8/6(土) 札幌芸術の森野外ステージ

※詳細は、上記オフィシャル・サイトをご覧ください。