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PIANO 第14回:HPi-7S ~徹底検証 その10~ トランスポーズいろいろ〜♪ 笹田優美

こんにちは! いよいよ夏本番ですね。毎年、猛暑日が増えていっているような気がしますが、いかがお過ごしでしょうか? 今回は、デジタルピアノの便利機能、トランスポーズ(移調)機能をHPi-7Sで詳しく紹介します。

そもそも移調とは♪

一番身近な「移調」は、やはりカラオケでしょうか? 「ちょっとキー上げて(下げて)」という感じで気軽に使いますよね。「歌」と「移調」はとても関係が深いと思います。移調(transposition)とは、楽曲全体の相対的な音程関係は変えず、音程を原曲より高くしたり低くしたりすることです。ポピュラーやジャズの世界ではしばしば行われますが、クラシックの世界でもありますよ。例えば、声楽を学習する時の基本教材コンコーネ50番やイタリア古典歌曲集などでは、それぞれの音域に合わせて「高声用」「中声用」「低声用」のように原曲をあらかじめ移調して書かれた楽譜が出版されています。

ただし調性の持つ色合いは大事にしたいですよね。例えばGメジャーとE♭メジャーでは、楽曲全体の雰囲気はまるで違います。作曲家にとって、曲を何調で作曲するか......ということは、とても重要なことです。オペラでも配役のイメージに合う調性で作曲することも多いことは有名な話ですね。カラオケでもオリジナル・キー(原曲と同じキー)で歌うことは、ステータスが高いですよね。私の生徒さんにも「女性ボーカルの曲だけど、僕、オリジナル・キーで歌えるんですよ!」と誇らしげに言っていた若者がいました。

原調で弾きたい♪

ピアノだって例外ではありません。"ハ長調で弾けるクラシック名曲集""ハ長調で弾けるバラード"などいろいろと出版されていますよね。ハ長調(Cメジャー)に限らず、初心者向けに弾きやすい調に移調した楽譜やミュージックデータも多いんです。ただ先述したように、楽曲にとっての調性はとても大切ですから、ハ長調で弾けるようになったら、原曲の調にも挑戦してみませんか?

例えばHPi-7Sの内蔵曲には、人気曲の「ソナタ"悲愴"第2楽章」があります。このミュージックデータは初心者向けのポップス・アレンジになっていますので[ポップス]のジャンルに入っています。「ソナタ"悲愴"第2楽章」とは、正式にはベートーベン作曲の「ピアノ・ソナタ第8番 ハ短調  作品13"悲愴" 第2楽章 アダージョ・カンタービレ」のことです。老若男女を問わず人気の高い曲で、ポップスの世界でも多くのアレンジで演奏されます。かのビリー・ジョエルも歌詞をつけて「THIS NIGHT」という曲に編曲してリリースし、ヒットさせましたね。

曲選択画面より「ソナタ

▲曲選択画面より「ソナタ"悲愴"第2楽章」

▲内蔵曲「ソナタ"悲愴"第2楽章」

今回はこの曲を使って[移調]機能を説明します。
HPi-7Sの[調をかえる]ボタンでは、次の3つの移調ができます。

(1) ミュージックデータを移調する。

(2) 鍵盤もデータも移調する。

(3) 鍵盤で弾いた音を移調する。

[調をかえる]ボタンを押すと次のような画面になります。

設定画面

▲設定画面

[鍵盤]を選べば、鍵盤で弾いた音を移調し、[曲データ]を選べば、SMFミュージックデータや音楽CD(※)やオーディオ・ファイルの移調ができます。[リンク]をオンにすると、それぞれが同じ値で設定され、オフにすると、鍵盤と曲データを別々に設定できます。それでは個別に見ていきましょう。
※音楽CDの再生には、市販のUSB CDドライブが必要です。動作確認済み機種につきましては、サポート・ページをご確認ください。