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PIANO 第18回:C-30 電子チェンバロC-30の魅力 ~バロック音楽が大好きになる~  笹田優美

こんにちは。今年も残すところあと1ヵ月と少しになりましたが、いかがお過ごしでしょうか?
さていつもはデジタルピアノについてお送りしておりますが、今回は、同じ鍵盤楽器でもバロック時代を彩った優雅な楽器、チェンバロです。この春に発表されたローランドの電子チェンバロC-30の試弾レポートをお送りします。

ローランド独自の最新デジタル技術とバロック楽器のチェンバロとの融合......ということで、意外に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、ローランドはこれまでにも電子チェンバロを何度か発表しています。実は、私の実家のピアノ教室では、20年前の1988年に発表されたローランドの電子チェンバロ、C-20を使っていました。おそらく最初の電子チェンバロだったかと思います。そのC-20はチェンバロ以外の音色もあり、バロックの楽曲の練習以外にも、発表会ではシンセサイザーやピアノと一緒にアンサンブル演奏で使っていました。今も現役です♪

ところで皆さんがチェンバロ(ドイツ語あるいはイタリア語。英語ではハープシコード、フランス語ではクラヴサン)という楽器を知ったのはいつ頃でしょうか? 私は、バッハの小品を練習し始めた子供の頃に、ピアノの先生からレコードで聴かせてもらったのが最初だったと思うのですが、いろいろと記憶をたどってみますと、もしかしたら小学校の給食時間に流れていたポール・モーリアの曲で聴いたのが最初だったかもしれません。もちろん、チェンバロはバロック時代の楽器なので、バッハやヘンデルなどのバロック音楽がぴったりなのですが、近現代のクラシック音楽やイージーリスニング、映画音楽、ロックでも、チェンバロやチェンバロ的な音色が効果的に使われています。先述のポール・モーリアはチェンバロ奏者でもあります。代表曲の「恋は水色」「涙のトッカータ」「オリーブの首飾り」などで、印象的なチェンバロ・サウンドを聴くことができます。

C-30第一印象♪

この春発表されたC-30の音を最初に聴いたのは2008年3月、浜離宮ホールで中野振一郎さんが出演された「ローランド チェンバロ・コンサート」。演奏はもちろん、バロック時代の作曲家のエピソードなどのお話も素晴らしく、自分が描いていたバロック音楽のイメージを良い意味で覆してくれました。演奏は軽やかで自由に満ちていて、チェンバロってなんと表情豊かな楽器なんだろう!!と思いました。

浜離宮ホールのホワイエには印象的な美しいデザインのC-30が展示してありました。まず目に入ったのは、鍵盤蓋内側のピクチャー・ボードに施された絵画です。この絵画「音楽を奏でる天使」はヨーロッパの由緒あるコレクションの所蔵で、特別に許可を得て複製しているのだそうです。サイドのステンドグラス風のデコレーション・パネルも素敵ですね。ピクチャー・ボードやデコレーション・パネルは、オプションが用意されているのでお好みのものに変えることができるのもうれしいですね。

ピクチャー・ボード(ラテン語)

▲ピクチャー・ボード(ラテン語)

ピクチャー・ボード(モザイク)

▲ピクチャー・ボード(モザイク)

コンサート会場には『ぶどう』のデコレーション・パネルのC-30も展示してありました。

オプションのデコレーション・パネル(左:ぶどう 右:線と円)

▲オプションのデコレーション・パネル(左:ぶどう 右:線と円)

チェンバロを試弾してみて♪

ある秋の日、我が家にC-30がやってきました。数日間、試弾させていただきました。本当に優雅で可愛らしい楽器です。

C-30 レッスンスタジオに置いてみました

▲C-30 レッスンスタジオに置いてみました

アコースティック・チェンバロを徹底的に追求したというその鍵盤。ピアノ・タッチとはもちろん違い、とても軽やかで、爪(プレクトラム)で弦をはじくチェンバロ独特の感触があります。鍵盤をゆっくり打鍵するとそのポイントが分かります。普段はピアノの鍵盤を弾き慣れている私も、30分も弾いているうちにそのタッチに徐々に慣れてきました。チェンバロを弾く際は、ピアノ演奏の時より少しテヌート気味に弾き、装飾音符は指を普段より丸くして、上からあらためて弾くような感じにするとよいでしょう。