mnavi Academy

豊かな音色♪

C-30には、フレンチ・タイプとフレミッシュ・タイプのチェンバロ音色が内蔵されていて、それぞれが8フィートI、8フィートⅡ、4フィート、リュートの4つの音色を持っています。単独で、もしくは二段鍵盤のチェンバロのように2つ3つ重ねて演奏することもできます。ピッチは通常は440Hzですが、そこはデジタル楽器! ボタン1つでバロック・ピッチ(415Hz)、ベルサイユ・ピッチ(392 Hz)に切り替えられます。これもすごいですね。

C-30 音量の調整や切り替えボタン

▲C-30 音量の調整や切り替えボタン

調律も平均律、ベルクマイスター、キルンベルガー、バロッティ、ミーントーンの5種類をボタン1つの操作で切り替えられるとのこと。それでは、ピアノの練習曲でおなじみのバッハのインベンション 第1番で、ピッチや調律の違いを聴き比べてみましょう。


●フレンチ・タイプのチェンバロ 8フィートⅠ 調律:平均律 ピッチ440Hz


●フレンチ・タイプのチェンバロ 8フィートⅠ 調律:ベルクマイスター(バッハの時代によく用いられた調律法)バロック・ピッチ415Hz

その時代のピッチや調律法って大切ですね。よりバロック時代の雰囲気になります。

音色は単独でもよいのですが、複数重ねるとまた違った華やかな雰囲気になります。今度は平均律クラヴィーア曲集2巻-1番で聴き比べましょう。


●フレミッシュ・タイプ 8フィートⅠ 調律:バロッティ ピッチ440Hz


●フレミッシュ・タイプ 8フィートⅠ+8フィートⅡ+4フィート 調律:ベルクマイスター ピッチ440Hz

また、初期のフォルテピアノの音色も内蔵されています。


●フォルテピアノ(8フィートⅠ+Lute) 調律:平均律 ピッチ440Hz

モーツァルトやハイドン、ベートーベンなどの古典派の曲にもぴったりです。やはりその時代に相応しい楽器で弾くと、その音楽らしさが表現できるなと思いました。他にも、強弱がつけられるダイナミック・ハープシコードやポジティブ・オルガン、チェレスタなどの音色も内蔵されています。

1日中バロック気分♪

最後になりましたが、音量の設定には気をつけないといけません。チェンバロは元来、ピアノに比べて音が小さく繊細な楽器です。普段演奏する際、ボリュームは必要以上に大きくしないほうが、よりチェンバロらしさを再現できると思います。もちろん、ボリューム調整ができるので、例えば中ホールくらいのスペースでの演奏でも本体内蔵のスピーカーだけで十分ですし、大きな音の管楽器や弦楽器とアンサンブルする時なども、バランスをとることができますね。もちろん夜中にもヘッドフォンを使って練習できます。MIDI端子やインプット/アウトプット端子もありますので、ラインで録音したり、他の楽器と同期させたり、デジタルならではの使い方もできますね。

今回は、電子チェンバロC-30の試弾レポートをお送りしました。自宅スタジオにお借りしていた数日間、晴れた日に窓を開けて、ボリュームを少し下げて、小鳥のさえずりや風を感じながら、時間を忘れて何時間もバロックの曲を練習しました。子供の頃は少し嫌いだったバッハですが、大好きになったのは、C-30マジックかな。とても優雅で、魅力的な楽器です。

ローランド・クラシック・シリーズのポータル・サイトでは、より詳しい製品紹介や著名なチェンバリストによるC-30ミニ・コンサートなども楽しむことができますので、ぜひご覧ください。

 

笹田優美

profile:笹田優美(ささだ ゆうみ)
国立音楽大学教育音楽学科在学中よりローランドのデモンストレーターとして活動。吉祥寺系アングラバンド"KORIE-DAN"でピアノ&シンセサイザーを担当し"曼荼羅" をベースに定期的にライブを行う。大学卒業後、高校教師(音楽科)を経て、ローランドの教材開発スタッフおよびクラシック、ポピュラー・ピアノ担当として後進の育成にあたる。現在、自宅スタジオMUSIC OASIS VERDEを主宰。レッスンの他、全国各地にて音楽指導者向けのセミナーを行う一方、コミュニティFM の生放送のパーソナリティや、音楽番組の企画・制作などでも活躍している。
趣味はバリ舞踊&アロマテラピー