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SYNTHESIZER V-Synth GT 第12回:Fantom-G徹底分析 その3 ~SuperNATURALエクスパンション・ボードARX-01 Drums解析~ 齋藤久師

皆さん、こんにちは! 齋藤久師です。前々回からスタートした最新ワークステーション・シンセFantom-G徹底分析ですが、今回は、Fantom-Gと同時発売されたSuperNATURALエクスパンション・ボードARXシリーズのトップ・バッター、ARX-01 Drumsについてじっくりと解析してみましょう。

ARX-01 Drums

▲写真2:ARX-01 Drums

過去の拡張ボードとは一線を画す新ARXシリーズ

SuperNATURALエクスパンション・ボードARXシリーズ(以下、ARX)は、ローランドの最新技術「SuperNATURALテクノロジー」を搭載した拡張音源ボードです。

"拡張音源"と言えば、これまでもローランドには、SR-JV80シリーズや、Fantom-Xでお馴染みの高品位ウェーブ・エクスパンション・ボードSRXシリーズがありました。しかし、ARXはこれらとはまったくコンセプトが異なっており、単に音色を拡張できるだけでなく、ホストとなるシンセ(今回はFantom-G)の内蔵音源から完全独立で、追加音源としてボード単体で動作させることができます。そして、その自然な音色作り、表現力の豊富さ、使いやすさを実現している最大のポイントが、このARXに搭載されているSuperNATURALテクノロジーなのです。

このARXは、SRXシリーズと同じように、Fantom-Gのボトム面にある蓋を取り外してワンタッチで取り付けられます。それにしてもこのARXのボード、SRXシリーズと比べると非常に大きいですね! この大きさに、これまでのエクスパンション・ボードとの大きな違いが秘められているのです。それでは早速、Fantom-GにARX-01 Drumsを装着して、そのサウンドを聴いてみましょう。

ARX-01とSRXシリーズ

▲写真3:SuperNATURALエクスパンション・ボードARX-01 Drums(右)とウェーブ・エクスパンション・ボードSRXシリーズ(左)。この大きなボードに、これまでにない新しいテクノロジーが詰まっています。

ARXのメイン画面を呼び出そう!

Fantom-Gには、ARXの画面を瞬時に呼び出すための専用ボタンが搭載されています。これでARXを鳴らすことはもちろん、Fantom-Gが得意とするところのスタジオ・モードやライブ・モードでも、ARXを利用することが可能です。
まずはFantom-Gトップ・パネルのEXPANSIONエリアにある[EXP 1]ボタンを押して、ARX-01 Drumsの画面を呼び出してみましょう。

EXP1ボタン

▲写真4:このボタンでARXの画面を表示できます。Fantom-Gには、2枚のARXが取り付け可能です。

基本となるメイン画面には、選択されているキットのプリセット名と、24のトーンを8つにグループ化してボリューム調節が行えるフェーダー(グループ・フェーダー)、そしてマスター・ボリュームが表示されています。さらに、24個のトーンを表すインジケーターも用意されており、どのトーンが鳴っているのかが視覚的に分かるようになっています。

これらの各トーンには、個別にコンプ/EQが用意されており、これらを使った音作りが可能です。さらに、画面下のファンクション・ボタンの[Effects]には、Fantom-G本体に内蔵されているエフェクトとは完全に独立したMFX(マルチ・エフェクト)とリバーブの"頭脳"が搭載されています。つまり、ARX専用エフェクト・セクションまで拡張することができるのです。

ARXのメイン画面

▲画像5:ARXのメイン画面。ここにARXの多機能性が凝縮されています。

そして、このメイン画面左下に表示されている「SuperNATURAL」というロゴにこそ、ARXのスゴさと、巨大なボード・サイズに搭載された新技術が凝縮されているのです。そのSuperNATURALテクノロジーのスゴさをチェックしてみましょう。

ARXのサウンドが超リアルな理由とは?

最初に、[ARX: Tight kit]をもとに、私が若干のエディットを加えたサウンドを聴いてください。

Tight kit

▲画像6:ARX Tight kitのメイン画面。とてもタイトで、実に気持ちのいいリズム・キットですね。

SR-JV80シリーズや、SRXシリーズなどの従来の音色拡張タイプのエクスパンション・ボードでは、これらのサウンドを装着したシンセなどのフィルターやエフェクターを使用して、好みの音色にエディットしていました。ところがこの新しいARXでは、先ほど紹介したARX専用エフェクターのほかにも、さらにスゴい仕掛けが用意されているのです。

ARX-01 Drumsなら、ひとつひとつのドラム音色のピッチを変えたい、、余韻を変えたい、質感を変えたいという時に、ピッチやエンベロープ、フィルターによって音色を調整するのではなく、本物のドラムと同じように、シェルのサイズやヘッド・チューニングなどを細かく調整することができるのです。

次のページからは、実際に、ARXならではのドラム音色のエディットを試してみましょう。

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