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SYNTHESIZER V-Synth GT 第17回:Fantom-G 徹底分析 その7 ~デモ・ソングをリミックスしよう!応用編~ 齋藤久師

皆さん、こんにちは! 齋藤久師です。前回に引き続き、今月もFantom-Gのプリセット・デモ・ソングをリミックスしてみたいと思います。前回は基本編として、フェーダー(コントロール・スライダー)の調整によるトラックの抜き差しや、エフェクトを使ったダブ・ミックスの手法を実践してみましたが、今回はプリセット・デモ・ソングのボーカル・パートだけを残し、バッキング・トラックを総入れ替えして、楽曲そのもののスピードも変化させた、大胆なリミックス作品を仕上げてみようと思います。R&Bテイストの原曲が変化していく過程を、Tipsを交えながら紹介していこうと思いますので、じっくりとお楽しみください!

オーディオ素材のテンポも自由自在!

今回取り上げるFantom-Gのプリセット・デモ・ソングですが、R&B調の曲ということもあり、テンポ(BPM)は遅めの「94」です。ご存知の通りFantomシリーズでは、オーディオ・サンプルもMIDIデータと同じような感覚で、時間軸を自由に変更できることが大きな特徴のひとつです。つまり、オーディオ・サンプルのテンポを変えても、音程や音色が変わることなく、指定したテンポで演奏してくれるのです。それでは早速、このプリセット・デモ・ソングの再生をスタートさせ、リアルタイムにテンポを速めたり、遅くしたりしてみましょう。

▲プリセット・デモ・ソングのテンポを変化させてみました。

いかがでしょうか? ひと昔前では考えられないほど、オーディオ・サンプルを柔軟に取り扱うことができるのです。この機能を使えば、リミックスで曲のテンポを大幅に変えることも可能になりますね!

今回のテーマとして、このR&B調の原曲を「エレクトロニカ」風にリミックスしてみようと思います。そこでテンポを原曲の「94」から一気に「126」にスピードアップさせて、そこにさまざまな音源を追加していきましょう。

新しいリズム・パートを作る

下準備として、PCや外部音源などを用いて作ったループ・フレーズをFantom-Gにインポート(転送)してみたいと思います。

やり方は簡単。本体を「USBストレージ・モード」にし、Fantom-GとPCをUSBケーブルで接続するだけです。そうすると、PCのデスクトップ上に「Fantom-Gフォルダ」が表示されるので、そこに制作したループ・ファイル(WAV/AIFF形式)をコピーします。

▲画像2:PC画面上で、ループ・ファイルをFantom-Gフォルダにドラッグ&ドロップするだけで、ループ・フレーズをFantom-G本体に取り込むことができます。

▲画像3:Fantom-G側では、インポートしたオーディオ・ファイルはこのように表示されます。

▲Fantom-Gにインポートしたループ・フレーズ。

今回は、私がこの講座用に制作したオリジナルのループを使いますが、市販されているループ集などのCDからインポートすれば、初心者の方でもより手軽に、しかも本格的なループを取り込むことが可能です。

このループが曲の最初から最後まで出てくるようにしたいので、内蔵シーケンサーのオーディオ・トラックにループ・ファイルを貼りつけ、コピーを繰り返して曲全体を通して鳴るようにします。

▲画像4:トラック9にループを貼りつけました。

次に、これらの素材を本体内に「リサンプリング」してみましょう。

ここでは、プリセット・デモ・ソングのリズム・パート部分を抜き出してリサンプリングするため、あらかじめ使わないトラックは削除しておきました。そして、イントロの1小節のリズムだけをリサンプリングして、そのオーディオ素材を改めてシーケンサーのオーディオ・トラックに貼っていきます。

▲画像5:イントロのリズムをリサンプリングしてループ素材とし、それをトラック17に貼りつけていきます。

▲冒頭のリズム・パートをリサンプリングしたもの。

このリサンプリングの作業によって、元々はMIDIデータで作られていたリズム・トラックがオーディオ・データ化されました。このリズムをダイナミック・パッドにアサインしてリアルタイムに演奏してみるのも面白いでしょう。

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