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SYNTHESIZER V-Synth GT 第18回:Fantom-G 徹底分析 その9 ~プリセット・パッチを解剖しよう!~ 齋藤久師

皆さん、こんにちは! 齋藤久師です。今年の春に登場したFantom-Gですが、早くもアップデータ(システム・プログラムVer.1.20)が公開されました。主な追加機能としては、内蔵シーケンサーのSMF書き出しへの対応(Song/Phrase)、Songレベルでのトラック・エディット(コピー/インサート/デリート等)、その他にも、Auto Track機能やSong Play/Edit画面での縦方向ZOOMが最大24トラックまで拡張されるなど、より使いやすくなりました。システム関連では、1GBのDIMMメモリに対応し(モノラル202分、ステレオ101分)、さらにサンプル・リスト/インポート・オーディオでマーク機能が使えるようになるなど、さらなる進化をとげています。詳しくは、『Fantom-G6/G7/G8 システム・プログラム(Ver.1.20)』をご覧ください。

ところで皆さんは、Fantom-GのようなPCM波形を基本音源としたシンセサイザーをどのような方法で使用していますか? ついつい、膨大な数が用意されたプリセット・パッチ(音色)を選ぶだけで終わっていることが多いのではないでしょうか。もちろん、Fantom-Gのプリセット・パッチは、いずれも素晴らしいものばかりで、すぐにそのまま使えるクオリティであるというのも、これまた事実です。特にスタジオ・ワークなどで時間の制約がある場合は、なかなか時間をかけてプリセット・パッチをエディットすることが難しかったりもしますが、ほんの少しだけ音色をエディットするだけでも、自分だけのオリジナルのサウンドを作り出せます。

それでも「PCM音源のエディットは難しい」と感じている方もいるかもしれません。しかしFantom-Gのシンセサイズは、アナログ・シンセの音作り同じように、基本的なストラクチャーによって構成されており、それでいてアナログ・シンセではとうてい作り出せないような、複雑なサウンド・メイクが行える多彩なパラメーターが搭載されています。それが"スーパー・シンセ"と言われる理由であり、そのことは、豊富なプリセット・パッチを聴けばすぐにお分かりいただけるでしょう。

そこで今回は、ある1つのパッチをピックアップし、そのサウンドがどのように構成されているのかを解析しながら、オリジナルの音作りのヒントとなるようなレクチャーをしてみたいと思います。

プリセット・パッチから音作りを学ぶ!

大昔のアナログ・シンセは、作った音色を保存できず、パラメーターの値(もちろんアナログ・シンセの場合は、ノブやスライダーの位置です!)を紙に書き写したり、写真に撮影するなどして、一度作ったサウンドを再現できるように努力を重ねたものでした。しかし、現代のようにデジタル化されたシンセでは、当然のように各パラメーターは"数値データ"として本体に記憶させることができ、100パーセントの再現率で、完全に同じ音色をいつでも演奏することができます。アナログ・シンセを絵画と例えるならば、デジタル・シンセは写真のようなリアルさを持っているのです。

このことをさらに突き詰めて考えると、自分が作った音色でなくても、その音色を解析することによって、音の成り立ちが理解でき、音作りのノウハウを学べるという大きなメリットがあります。

ここでは、アナログ・シンセの波形を使用したシンセ・ベースの代表的なサウンド「0602:Unison Bs2」を使って、早速サウンドを解析してみましょう。

まずはシンセ・ベースのサウンドをチェック!

膨大な数のプリセット・パッチから自分が欲しい音色をいち早く見つけるために、Fantom-Gでは各パッチがカテゴリー分けされており、そのカテゴリーからパッチを絞り込むことができます。

今回は1つの音色、つまり「パッチ」を取り上げますので、シングル・モードに入ります。ここで[F1(Patch List)]ボタンを押してパッチ・リストを表示させると、画面2のようにディスプレイの左側に各カテゴリー別に楽器の画像と名前が表示されます。あとは、[F1(Categ/Up)]と[F2(Categ/Down)]ボタンを使ってカテゴリー「Synth BASS」を選び、バリュー・ダイアルでプリセット・パッチ「0602:Unison Bs2」を選びます。目的のパッチがすぐに探せますね。

▲画面2:パッチを選ぶ際、鍵盤を弾いてサウンドを確かめながら音色を選べるので、とても便利です。

プリセット・パッチ「0602:Unison Bs2」を選択して[ENTER]ボタンを押すと、このパッチのメイン画面が表示されます。

それでは、このプリセット・パッチ「0602:Unison Bs2」のサウンドを聴いてみてください。ノコギリ波を使った、いかにもシンセらしいベース音色ですね。もちろんこのフレーズは、内蔵シーケンサーで打ち込んだものです。

▲写真3:プリセット・パッチ「0602:Unison Bs2」のメイン画面。

 
・ワンポイント

Fantom-Gは、ライブ・モードで2つ以上の音色を同時に演奏(レイヤー/スプリット)することもできます。ライブ・モードについては、第14回『Fantom-G ライブ・モードを使いこなす! 基本編』をご覧ください。

 
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