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外部サウンドをサンプリングする!
~オーディオ機能その1

楽曲冒頭部に出てくるサビを作ったので、続いてドラムなどのリズム・フレーズやシンセ・サウンドが入ってくる次のブロックの制作に進みましょう。

前回に作ったリズム・ループをベースにして、その上にさらに内蔵のドラム・パッチ「PRST 35:LimiterKit」などのリズム音色を重ねてみました。前回のリズム・トラックからの変化を聴いてみてください。

ここでFantom-Gのオーディオ機能を活用し、ビンテージ・シンセサイザーを使ってリズム・パートのグルーヴ感をパワー・アップさせつつ、ビートに装飾を施してみたいと思います。

昔のアナログ・シンセサイザーにはMIDI機能が搭載されていないため、MIDI楽器と同期演奏させることは、本来はとても難しいことです。ところがFantom-Gなら、ワン・フレーズを録音してそれをサンプル素材化することができ、さらに高品位なタイム・ストレッチ機能を使うことで、テンポを自在に合わせ込んでいくことができます。これは、実際のスタジオ・ワークでとても重宝する機能なのです。

サンプリング方法も実に簡単。Fantom-Gのリア・パネルにある外部入力端子に録音した楽器をライン接続し、入力音が歪まないように録音レベルを調整するだけです。

この方法で、ローランドのビンテージ・ベースマシンTB-303のフレーズをサンプリングしてみました。何ともアナログ・シンセらしいベース・サウンドです。聴いてみてください。

▲画像8:Sample Edit画面。サンプリングしたフレーズが波形で表示され、ループの開始/終了ポイントの設定や不要部分の削除、BPMの変更(タイム・ストレッチ)などの編集が行えます。

このように、Fantom-Gでいろんな楽器をサンプリングしておけば、あとはその素材をオーディオ・トラックの任意の場所に挿入するだけで、すぐに自分の楽曲に取り入れることが可能です。しかも、Song Edit画面でサンプル素材をコピーして繰り返して鳴らしたり、サンプルの不要な部分を削除したりと、Fantom-G本体だけで思い通りのオーディオ編集が行えるという点も、とても嬉しいですね。

▲画像9:サンプリングした素材は、簡単な手順でオーディオ・トラックに読み込めます。パネルの[SONG]ボタンを2回押してSong Edit画面を表示し、オーディオ・トラックを選んでから[Insert(F1)]ボタンでサンプル素材をセレクト、[Select(F8)]でトラックに挿入できます。コピー&ペーストを繰り返せば、すぐにリズム・トラックとして使えます。

外部サウンドをオーディオ録音する!
~オーディオ機能その2

さらに、これも人気のアナログ・シンセ、ローランドSH-101を使って、パーカッション的なシンセSE(効果音)を録音してみましょう。

これは先ほど行った「サンプリング」ではなく、内蔵シーケンサーのオーディオ・トラックにダイレクトに「オーディオ録音」してみました。しかし、いずれの手法であっても、内蔵シーケンサーに貼り付ければ(つまり、オーディオ・データ化すれば)、まったく同じ感覚でオーディオ素材のミックスや編集処理が行えます。

▲画像10:レコーディングは、パネルの[SONG]ボタンを押してSong Play画面を表示し、録音するオーディオ・トラックを選んで[REC]ボタンを押すだけ。ハードウェアの単体MTR(マルチ・トラック・レコーダー)と同じ感覚でレコーディングが行えます。

それでは、今回制作を進めた、楽曲の《オープニング(サビ)》部分からリズム・セクションが加わってくる《Aブロック》の途中までを聴いてみてください。

なお、ここでは詳細は省きますが、この段階でも各トラックの音色がぶつかり合わないように微調整をきちんと行っておくことで、今後のミックス作業がスムーズに行えるようになります。

今月のまとめ

それでは、今回行った作業を整理しておきましょう。

まず、MIDI機能と内蔵音源を使ってMIDIトラックの制作を行いました。後々、フレーズや音色に手を加える可能性があるトラックに対しては、MIDIを使用しておきます。

そして、外部接続した楽器のサウンドを、「サンプリング」と「オーディオ・トラックへの録音」という2つの方法で楽曲に取り入れました。Fantom-Gのオーディオ機能を活用することで、ビンテージ・アナログ・シンセのサウンドを最新のFantom-Gサウンドに同居させることが可能となるのです。

このように、MIDIとオーディオの両方を活用することで、他の人には真似できない、オリジナリティあふれるトラック制作が行えるのです。

それでは、来月もお楽しみに!

 

齊藤久師

profile:齋藤久師(さいとう ひさし)
91年ビクターエンターテインメントより日本初のテクノユニット『ガルトデップ』でデビュー。ユニット休止後、さまざまなクラブ系ユニットに参加し海外でのディストリビュートも積極的に行う。1996年よりステージ衣装から機材などすべてを完璧に模したYMOの完全コピーバンド『Yセツ王』として活動。リアルタイムにYMOを体験した熱心な固定ファンのみならず、YMOのライブを見たことのない若いファンをも獲得している。また雑誌などでのレビュー執筆など多方面で活躍している。

 
 
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