皆さん、こんにちは! 齋藤久師です。さて、Fantom-Gトラック制作連載も、今回がいよいよ最終回です。
前回はボーカル録音の手順について紹介しました。その後、同様の手法でボコーダーや、シンセサイザー、そしてパーカッションといったトラックを追加し、曲全体の構成を整える作業を行いました。これで、レコーディング終了!
その素材を元に、今回はミックス&マスタリングの作業を行います。楽曲の完成度を決める重要な工程ですので、じっくりとチェックしてみてください!
ミックスの基本は、バランス、定位、エフェクト処理!
レコーディングで作成したすべてのオーディオ&MIDIトラックについて、それぞれ音量バランスや定位、そしてエフェクトによるサウンドの調整といった作業を行う工程が「ミックス」です。これらの作業は、ミキサー画面で行います。
ミックスのスタンダードな手順ですが、まずは各トラックの音量を調整し、必要であればコンプレッサーやイコライジングなどのエフェクト処理を行います。
次に各トラックの音像が1箇所に集まり過ぎて、いわゆる"音の団子状態"にならないように、パンポットを使ってバランスのいい位置に音像を定位させます。これにより、サウンドにステレオ感を加えることができるのです。
これらのミックス作業の中でも、楽曲の仕上がりにもっとも大きな影響を与えるのが「エフェクト処理」です。エフェクトを上手く使うことで、サウンドの奥行き感を演出したり、空間的な広がりを持たせることができます。さらに特殊効果を加えることで、音楽的なアレンジの幅さえも作り出すことができるのです。
エフェクト処理のコツは「かけ録り」と「後がけ」の使い分け!
Fantom-Gには、多彩かつ実践的なエフェクトが装備されています。今回のトラック制作を行っている「スタジオ・モード」では、画像3のようにエフェクトの自由なルーティングも可能となっています。
エフェクトのかけ方は、録音する際にエフェクト処理後の音を録る「かけ録り」と、ミックスの段階でエフェクトをかける「後がけ」の2通りがあります。これは、Fantom-Gでの制作に限らず、一般的なスタジオ・ワークでも同様です。
たとえばドラムやボーカルなど、ダイナミック・レンジの差が激しいアコースティック楽器を録音する場合、コンプレッサーを「かけ録り」することで、音量のバラツキを整えた状態で録音することができます。
さらに「かけ録り」しておくことで、ミックス時に多数のトラックに対して、いくつものコンプレッサーを同時に使用する必要がなくなります。また、録音の段階で音を作り込めるため、最終的な仕上りをイメージしながらレコーディングを進めていけるというメリットもあります。もちろん、コンプレッサーを通しておくことで、レベル・オーバーを防ぐという"事故防止"といった目的もあります。
コンプレッサーと同様に、イコライザーやノイズ・サプレッサー、エンハンサーなどのダイナミクス系エフェクトも録音時にかけ録りしておけば、ミックス段階での手間を軽減できますし、エフェクトの数も節約できるというわけです。
このように、最終的な音のイメージが明確になっている場合は「かけ録り」、録音後に細かくサウンドを調整したい場合には「後がけ」を選ぶとよいでしょう。





