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第28回:デジタル時代のミュージック・コンクレート その2 R-09HRで録音したサンプルをSP-404SXに取り込もう

みなさん、こんにちは! 齋藤久師です。前回は、R-09HRを活用したフィールド・レコーディングで、さまざまな音の素材を集めました。今回は、その素材を使った曲作りの作業に進んでみたいと思います。そんな矢先に、実にタイミングよくコンパクト・サンプラーの雄である"SPシリーズ"の最新モデル「SP-404SX」が発売されたというニュースが、私の元に飛び込んできました。ネーミングからも分かる通り、これは大人気サンプラーSP-404の後継機種であり、パネル面に印刷された「LINEAR WAVE SAMPLER」といったサブ・ネームからも、否が応なしに期待が高まっていきます。

そこで、今回はSP-404SXをピックアップし、この新製品紹介をしながら、R-09HRで録音した素材をSP-404SXに取り込んで、楽曲制作を進めていきたいと思います。

SP-404SX

▲写真1:SP-404SX

SP-404SX登場!!

SPシリーズは、コンパクトなボディとリアルタイム演奏のしやすさで、スタジオでのトラック制作やDJプレイはもちろん、舞台やイベント、テレビ/ラジオ番組などでの音効マシン――すなわち、効果音のポン出し機――として爆発的な人気を誇るサンプラー&エフェクターです(テレビ朝日系列の人気深夜番組『「ぷっ」すま』でも、よく登場しますね!)。

そんなSPシリーズの最新モデルSP-404SXは、記録メディアとしてSDカードが採用されました。サンプリングしたデータはWAV/AIFF形式のオーディオ・ファイルとなっているので、PCなどの外部機器との親和性も抜群なものとなりました。それと同時に、記録フォーマットが「44.1kHz/16ビット・リニア」となり、さらなる高音質なサンプル再生が可能になった点も見逃せません。また、このSP-404SXと前回フィールド・レコーディングを行ったR-09HRは、両機ともに電池駆動が可能です。この機動力に隠された可能性は、実は計り知れないものがあります。

▲写真2:累計出荷台数が30万台を超えたSPシリーズ。その最新モデルが、SP-404SXです!

内蔵エフェクト(MFX)も、最新モデルならではのチューンナップが図られています。特にリアルタイムで操作する際に、フィルターやディレイなどのエフェクトを切り替えても音切れが起こらず、音楽的で、ストレスのないパフォーマンスが可能となりました。

この強力なエフェクト群の中で、特に私が気に入ったのが「リバーブ」です。開発スタッフの方にお話をうかがったところ「つまめるリバーブ」というコンセプトに基づいてチューニングされたものだそうです。すなわち、単に残響効果を加えるだけでなく、ツマミを操作することで、リバーブ・タイムや残響音のトーン(明暗)が、実に音楽的に変化してくれるのです。このユニークなエフェクト群については、次回以降で、サンプル音と共にたっぷりとレポートしてみたいと思います。ご期待ください。

R-09HRの録音ファイルをSP-404SXにインポート

さて、SP-404SXの概要を紹介したところで、いよいよ曲作りの作業に入って行きましょう。

その準備作業として、前回R-09HRで録音したさまざまなWAVファイル(サンプル)を、まず一度PCに取り込みます。次に、SP-404SXに付属されているSDカードに、PCに取り込んだWAVファイルをコピーします。

この時の注意点は、

◆SP-404SXでフォーマットしたSDカードを使用すること
  (付属SDカードなら、すでにフォーマット済なので、そのままでOK!)
◆SDカードの「/ROLAND/IMPORT」フォルダにWAVファイルをコピーすること。

この2点だけ。コピーが終わったら、そのSDカードをSP-404SXに挿入し、

●1:[PATTERN SELECT]ボタンが消灯していることを確認して、
 ↓
●2:[FUNC]ボタン+[3(IMPORT)]パッド
 ↓
●3:取り込みたい[BANK]ボタン&パッド
 ↓
●4:[REC]ボタン

と順番に押していけば、選んだバンク内のパッドに、R-09HRで録音した順番にサンプルが自動的に並びます。とても簡単ですね!

もちろん同じ手順を踏めば、R-09HR以外のレコーダーで録音したWAV/AIFFファイルも、SP-404SXのサンプルとしてインポートすることができます。これでSP-404SXの活用範囲がより一層広がりますね。

▲写真3:R-09HRでフィールド・レコーディングした素材をSP-404SXにインポートする手順は、たったこれだけ!!

コラム:付属ソフトでより簡単にインポート!

SP-404SXには、さらにデータのインポートが簡単に行える専用のユーティリティ・ソフト『SP-404SX Wave Converter』が付属されています(Windows/Mac OS X対応)。これを使えば、PC内に保存しているデータをSDカードにコピーするだけでなく、PC上でパッドへの割り当てまでも簡単に行えます。

▲画像4:付属ソフト『SP-404SX Wave Converter』の画面(Windows版)。【1】SDカードのドライブを選択→【2】サンプル・バンクを選択→【3】サンプルを割り当てるパッドをクリック→【4】[Import]をクリック。【5】[Exit]をクリックすればインポート完了!

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Profile

齋藤久師(さいとう ひさし)

齋藤久師(さいとう ひさし)

91年ビクターエンターテインメントより日本初のテクノユニット『ガルトデップ』でデビュー。ユニット休止後、さまざまなクラブ系ユニットに参加し海外でのディストリビュートも積極的に行う。1996年よりステージ衣装から機材などすべてを完璧に模したYMOの完全コピーバンド『Yセツ王』として活動。リアルタイムにYMOを体験した熱心な固定ファンのみならず、YMOのライブを見たことのない若いファンをも獲得している。チップチューンをフィーチャーしたユニット『8bit project』のメンバーとしても2枚のアルバムをリリース。そのほか雑誌などでのレビュー執筆と、多方面で活躍中。