Top > mnavi Academy Synthesizer > 第33回:JUNO-Di徹底分析 その1~オススメのドラム&ベース音色を紹介!

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オススメのドラム・キットを紹介!

搭載されているリズム・キットは、29種類。ロックからエレクトリック・ミュージックまで、幅広いジャンルをカバーする高品位なサンプルが用意されています。そんな中から、私のお気に入りドラム・キットを4種類ほどご紹介いたします。

●Pop kit

ベーシックでクセのない音色なので、J-Popからフュージョンまで、ジャンルを問わずさまざまな楽曲で使えるでしょう。キックやスネア・ドラムは、芯がしっかりとしていて、タイトで絞まりのある音となっており、丁寧にサンプリングされたことが伝わってきます。鍵盤を叩いて演奏すると、これがまたとても気持ちがいいんです。

今回ご紹介するリズム・トラック(サンプル音)は、いずれのキットも低音域にスプリットされた1オクターブほどの音色しか使っていませんが、各キットにはドラム・サウンド以外にも、パーカッションやスタブ系の音色が鍵盤上にフルに並んでいます。店頭などで実際にJUNO-Diを触る機会があれば、そういった音色もぜひチェックしてみてください!

●Rock kit

野太い胴鳴りや、繊細なアンビエンス成分までをも忠実にサンプリングしていて、迫力のあるヘビーなビートに向いたキットです。ロックなどのハードな楽曲に、とてもマッチしそうなサウンドですね。アクセント別に緻密にサンプリングされたハイハットによって、打ち込みとは思えないようなリアリティのあるドラミングを作り出せます。音色がヘビーなのにとても抜けのいいサウンドに仕上がっているので、スピード感のある楽曲にもマッチしそうですね。

●R&B kit

コンプレッサーによっていい感じに圧縮されたキックと、タイトに引き締まったスネア・ドラムの音色は、R&Bのトラック制作にはなくてはならないサウンドです。もちろん、ヒップホップのリズム・トラック用としても、最適な音色が並んでいます。

●Dance kit

アタック成分が強くコンプレッションされたキックは、4つ打ちのテクノ・ビートとして即戦力と言えるでしょう。リズム・トラックの前半4小節には野太いリム・ショット的なパーカッション、そして後半にはテクノの定番中の定番、TR-909のスネア・ドラムを入れてみました。また、懐かしい電子ドラムの音色も用意されていたので、それも挿入しています。聴いてみてください。

オススメのベース音色を紹介!

それでは次に、オススメのベース音色をご紹介しましょう。ここでのリズム・トラックは、先ほどのドラム・キットの演奏とベースをアンサンブルさせた状態で収録してみました。

●Basement

ファズで歪ませたような、ワイルドで荒々しいエレクトリック・ベースの音色です。70年代グラム・ロックのベースのようなサウンドですね。ベース単体で聴くとものすごく主張の強い音ですが、こうしてドラムとアンサンブルさせると、意外にも自然に溶け込みます。このような音色のマッチングも、新しい音源エンジンの性能によるところが大きいのでしょう。

●Tumb up!

心地のよい上品なサウンドの輪郭を残しながらも、超低音域成分を含んだエレクトリック・ベースのサウンド。その豊かな低音感によって、たとえ鍵盤を手弾きしていても、自分がベーシストになったような気分が味わえます。ダビーなトラックにはもちろんのこと、どっしりとしたリズム・セクションを支えるにはもってこいのパッチですね。

●Low Bass

ドライでありながらも、アタック部にあるフィルター・スウィープが絶妙の"クセ"を演出しています。とても気持ちいい、バランス感のあるシンセ・ベース音色ですね。このくらいのスウィープ加減であれば、歌をメインで聴かせたいR&Bのトラックなどに使っても、それが決して食傷気味にならず、安定して使用できそうです。

●Oil Can Bass

「ザンッ!」という鋸波によるアタック音と、「ビヨ~~~~ン!」とカットオフが次第に開いていく2音色のレイヤーから構成されているユニークなシンセ・ベースです。ベース音色のエグさが特徴的のエレクトロや、ドラムンベースのようなブレイクビーツの断片と混ぜて使っても面白そうですね! もちろん、演奏中にカットオフのツマミをいじれば、まるでアナログ・シンセサイザーを操作しているかのように、柔軟に音色変化をつけることができます。このように、音色やプレイに対してどれだけ感情移入ができるかということは、シンセサイザーにとって、もっとも重要なポイントの1つと言えるでしょう。

ただ単に派手でインパクトのある音色だけではなく、ベーシック・トラックとして汎用性の高い音色を多数搭載しているのが、このJUNO-Diの特徴です。

そんなJUNO-Diは、機動性に優れているがゆえに「ライブに特化したシンセサイザー」という印象が強いかもしれませんが、決してそれだけではありません。本体をパソコンとUSB接続すれば、専用エディター・ソフト「JUNO-Di Editor」で、すべてのパラメーターを操作しながら緻密な音作りが行え、自宅での音楽制作でも活躍してくれます。さらに、最大3系統まで使用できる79種類の内蔵マルチ・エフェクターや、高品位な5種類のリバーブ、3種類のコーラスを活用すれば、音色作りの可能性を無限に広げていくことができるのです。


ライブ・ステージからスタジオ・ワークまで、幅広いシチュエーションで大活躍してくれるJUNO-Di。次回は、アコースティック・ピアノの音色やシンセ・リードなど、さらに"オイシイ"音色をご紹介する予定です。次回もお楽しみに!

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Profile

齋藤久師(さいとう ひさし)

齋藤久師(さいとう ひさし)

91年ビクターエンターテインメントより日本初のテクノユニット『ガルトデップ』でデビュー。ユニット休止後、さまざまなクラブ系ユニットに参加し海外でのディストリビュートも積極的に行う。1996年よりステージ衣装から機材などすべてを完璧に模したYMOの完全コピーバンド『Yセツ王』として活動。リアルタイムにYMOを体験した熱心な固定ファンのみならず、YMOのライブを見たことのない若いファンをも獲得している。チップチューンをフィーチャーしたユニット『8bit project』のメンバーとしても2枚のアルバムをリリース。そのほか雑誌などでのレビュー執筆と、多方面で活躍中。