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第39回:GAIA連載その5:GAIAならではの音作り機能を徹底解剖!

みなさんこんにちは! 齋藤久師です。前回までの連載で、GAIAの基本概念を紹介しました。これらを理解することで、ほとんどのシンセサイザーのオペレートが可能であることは、お分かりいただけたと思います。そこで今回は、さらに進んでGAIAならではの機能をご紹介します。

▲写真1:GAIA SH-01

3台分のシンセ音源を搭載

まず復習です。GAIAを代表する"減算方式"のシンセサイザーは、基本波形と音のレンジ(音域)を選ぶ「OSC(オシレーター)」、そして音色を加工する「FILTER(フィルター)」、さらに音の鳴り始め方や消え方をコントロールする「AMP(アンプ)」という3つのセクションから構成されています。

一般的には、この3セクションで1台のシンセサイザーとなるわけですが、GAIAはこの基本セクションを3つ重ねた音作りが行えます。つまり、「3台分のシンセサイザー」を内蔵していると考えてよいわけです。このことについて説明しましょう。

▲画像2:GAIAの音作りのイメージ図。オシレーターだけでなく、フィルターやアンプ・セクションまで含めた3台分のシンセサイザーを重ねた音作りが行えます。OSCセクションについては『第36回:GAIA連載その2:OSCセクションを徹底解剖!』をご参照ください。

GAIAのパネル面左側を見ると、「TONE(トーン)1~3」という文字と、その横に緑色のボタン、さらに赤色のボタンが3段にレイアウトされています。この1つの「トーン」が「1台分のシンセサイザー構成」に相当するのです。ですから、すべてのトーンをオンにすれば、3台分のシンセサイザーを重ねて(レイヤーさせて)分厚いサウンド作りが可能となります。もちろん、3つのトーンは、それぞれまったく違った音にしてもいいですし、同じような音色を重ねることもできます。このようにして、ユニークかつ重厚な音色を自由に作り出すことができるのです。

▲写真3:緑色の[SELECT]ボタンでトーンの音作りを行い、赤色の[ON]ボタンで発音のオン/オフを設定します。

トーン・セクションの[ON]ボタンを押すと、赤色に点灯し、それぞれの音色がアクティブとなって発音するようになります。このオン/オフ操作で、3台分のシンセサイザーを重ねるもよし、1台分でも好きな音を作ることも可能です。

音色をエディットしたい場合は、緑色の[SELECT]ボタンを押します。パネルのツマミやスライダーを動かすと、ここでセレクトしたトーンの音色に作用する仕組みなのです。

ユニークな点は、トーン1~3まで、すべてのトーンを同時に選択できるということです。つまり、すべてのトーンに対して、同時にフィルターのカットオフなどをコントロールすることができるわけです。店頭などで試奏する機会があれば、ぜひ試してみてください。

3つのトーンを重ねてみよう

それでは、トーンをレイヤーさせた音作りの実験をしてみましょう。分かりやすいように、それぞれのトーンはまったく異なる音色で用意してみました。まずは、各トーンを聴いてみてください。

●トーン1

リリースの短いシンセ・ベース的な音色ですが、高音域で弾いて短くスウィープさせています。

●トーン2

ハープシコードのアタックを遅らせたような、繊細で尖った音色です。リリースをたっぷりと長くして、余韻を残しています。

●トーン3

のこぎり波形で作ったシンセ・リードの音色に、LFOでビブラートをかけてみました。

このように、まったくタイプの異なるトーンをレイヤーして3つ重ねると、このような音色となります。

この状態で、3つのトーンをすべてセレクトして([SELECT]ボタンをオンにして)、フィルター・セクションの[CUT OFF(カットオフ)]ツマミを動かしてみましょう。それぞれがまったく別の音色なのに、同じ比率でカットオフ値が変化していくのが分かりますね。

同様に、エンベロープやピッチ・カーブなども同時にコントロールすると、思いもよらぬユニークな効果が得られますよ。

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Profile

齋藤久師(さいとう ひさし)

齋藤久師(さいとう ひさし)

91年ビクターエンターテインメントより日本初のテクノユニット『ガルトデップ』でデビュー。ユニット休止後、さまざまなクラブ系ユニットに参加し海外でのディストリビュートも積極的に行う。1996年よりステージ衣装から機材などすべてを完璧に模したYMOの完全コピーバンド『Yセツ王』として活動。リアルタイムにYMOを体験した熱心な固定ファンのみならず、YMOのライブを見たことのない若いファンをも獲得している。チップチューンをフィーチャーしたユニット『8bit project』のメンバーとしても2枚のアルバムをリリース。そのほか雑誌などでのレビュー執筆と、多方面で活躍中。