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第40回:GAIA連載その6:エフェクト・セクションを徹底解剖!

みなさん、こんにちは! 齋藤久師です。今年の夏は、異常なくらい厳しい暑さでしたね! そんな中、私は無休で2ヶ月もスタジオにこもるという、また違った厳しさの夏となりました(笑)。

さて、今年も私の所属する日本シンセサイザープログラマー協会主催による『シンセサイザーフェスタ2010』が開催されます。今回は、西新宿にある芸能花伝舎を会場に、10月9日(土)と10日(日)の2日間にわたり、さまざまなシンセサイザーに関するイベントを行います! ローランド・ブースも設営されますし、私が率いる"8bit project"もGAIAとLucina AX-09を使ったライブを行います。みなさん、ぜひとも遊びにきてくださいね!

さて、前回までで、GAIAの基本となる各シンセサイズ・セクション(OSC/FILTER/AMP/LFOなど)を使用した、音作りのノウハウを紹介しました。今回は、それに高品位なエフェクト・セクションをプラスした、GAIAならではの音作りにチャレンジしてみましょう!

▲写真1:GAIA SH-01

アグレッシブなGAIA内蔵エフェクト

アナログ・シンセサイザーが世の中に登場した頃は、基本的なオシレーター音を合成・加工して音を作っていました。ディレイやリバーブなどの、いわゆるエフェクト処理は、本体とは別に外部のアウトボードを用意したり、ボスのコンパクト・エフェクターといった、ギター用などのペダル式エフェクターをシンセサイザーに接続して使うのが当たり前でした。しかし、現代のシンセサイザーでは、単体専用機クラスの高品位なエフェクト(しかもマルチ・タイプ)が搭載されているモデルが、もはや当たり前となっています。

GAIAには、独立した5系統のエフェクトが用意されており、そのいずれもが"エグイ"と言ってよいくらいかかりのいい、とても"音楽的"なエフェクト・セクションとなっています。

▲画像2:GAIAのエフェクト・セクション。

それでは、GAIAに搭載されているすべてのエフェクトを聴いてみましょう。ここでは、各エフェクトの効果を聴き比べやすいように、TB-303風のアルベジオ・パターンを用意して、それに各エフェクトをかけてみることにします。まずは、ノー・エフェクトの状態のアルペジオ・パターンを聴いてみてください。

歪み系セクション

まずは、歪み系です。ギターにかけるエフェクトとしてお馴染みの「ディストーション(DIST)」と「ファズ(FUZZ)」に加え、「ビット・クラッシュ(BIT CRASH)」の3つが用意されています。それぞれの効果を聴いてみましょう。いずれも、[CONTROL 1]ツマミで、ドライブ(歪み具合)をだんだんと上げていっています。

▲画像3:歪みセクションは3種類が用意されています。

●ディストーション

ディストーション・ギターのような、荒々しいサウンドです。倍音が多く、分厚く迫力ある音を作り出せます。TB-303サウンドと歪み系エフェクトの組み合わせは、もはや王道のシンセ・サウンドですね! なお、トーンでパンを設定していた場合は、モノラル・サウンドとなります。

●ファズ

硬質な中にも暖かさを感じさせる、個性的な歪みです。とてもスムーズな歪みですね。ファズに関しても、トーンでパンを設定していた場合はモノとなります。

●ビット・クラッシュ

ディストーションやファズとはまったく質の違う歪みで、デジタル・データのビット数やサンプリング・レートを落とすことで、デジタル特有の歪みやローファイ感のある音色が得られます。最近流行りのチップ・チューンなどで使われる現代的な歪みです。とても面白いエフェクトと言えます。

モジュレーション系セクション

次に紹介するのは、モジュレーション系です。いわゆる"揺らし系"と呼ばれるエフェクトですね。これも、実際にサウンドを聴いてみてください。「フランジャー(FLANGER)」と「フェイザー(PHASER)」といった、アナログ・シンセサイザーにとてもマッチするエフェクトと、「ピッチ・シフター(PITCH SHIFTER)」が搭載されています。

▲画像4:モジュレーション系も3種類が用意されています。

●フランジャー

これは凄いです! フランジャーの名機中の名機であるローランドSBFシリーズを彷彿とさせる、強烈なフランジャー・フィードバックが再現されています。いわゆる、ジェット機の上昇&下降音のようなフランジング効果を作り出すもので、ベースだけでなく、パットなどの白玉でも抜群の効果を発揮するエフェクトでしょう。

●フェイザー

位相のズレた音を加えることで、音に回転感を加えます。これをフェイズ効果と言いますが、これがすごく"オイシイ帯域"にかかるフェイザーです。シンセ・パッドにベタがけしたら、とても気持イイですよ~~~!

●ピッチ・シフター

モジュレーション系にカテゴライズされていますが、音に揺れを加えるのではなく、オクターブ下や上の音をプラスして、分厚い音色を作ることができます。さらに、音程をズラすことで、単音弾きでも和音を鳴らすことができる、とてもユニークなエフェクトです。

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Profile

齋藤久師(さいとう ひさし)

齋藤久師(さいとう ひさし)

91年ビクターエンターテインメントより日本初のテクノユニット『ガルトデップ』でデビュー。ユニット休止後、さまざまなクラブ系ユニットに参加し海外でのディストリビュートも積極的に行う。1996年よりステージ衣装から機材などすべてを完璧に模したYMOの完全コピーバンド『Yセツ王』として活動。リアルタイムにYMOを体験した熱心な固定ファンのみならず、YMOのライブを見たことのない若いファンをも獲得している。チップチューンをフィーチャーしたユニット『8bit project』のメンバーとしても2枚のアルバムをリリース。そのほか雑誌などでのレビュー執筆と、多方面で活躍中。