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第41回:GAIA連載その7(最終回):ユニークで多彩な機能を徹底解剖!

みなさん、こんにちは! 齋藤久師です。10月9日、10日の2日間に渡って開催された『 シンセサイザーフェスタ2010』も、好評の内に幕を閉じました。私は、両日とも"8bit project"として出演させていただきました。GAIAとLucina AX-09を使って、リアルタイムな音色コントロール性をフル活用したパフォーマンスを行い、とても楽しい演奏ができました! ご来場くださったみなさま、ありがとうございました。

さて、GAIA徹底解剖セミナー連載も、いよいよ今回が最終回です。この連載を第1回から続けて読んでいただいている読者の方なら、おそらく減算方式のシンセサイザーであれば、どんなモデルでも操作できる知識を身に付けられたことだと思います。それと同時に、一見難しく感じるかもしれないシンセサイザーも、基礎さえしっかり学べば、音作りの手法は意外にシンプルであるということも、お分かりいただけたかと思います。そして何よりも、GAIAのようなアナログ・タイプなUIのシンセサイザーは、PCMシンセやサンプラーなどとはひと味違い、柔軟でユニークな「シンセサイザーならではの音色」が作れることもご理解いただけましたね。

そこで、GAIA連載のラストとなる今回は、今までご紹介できなかった応用的かつユニークな機能を紹介していきたいと思います。

▲写真1:GAIA SH-01

64種類の多彩なパターンを内蔵したアルペジエーター

まず、「アルペジエーター」を紹介しましょう。ローランドは、アナログ・シンセサイザー全盛期の80年代前後から、すでに主要モデルにアルペジエーターを大々的に導入していました。例えば、アナログ・シンセサイザーの名機「JUPITER-8」に搭載されていたアルペジエーターは、世界中のトップ・アーティストたちがこぞって使用し、シーケンサーによる打ち込みフレーズとは異なるアルペジオ奏法が、数多く楽曲に取り入れられたのです。

ギターやピアノではよく知られるアルペジオとは、「分散和音」とも言われる奏法です。シンセサイザーに搭載されているアルペジエーターは、鍵盤を和音で押さえると、その和音を構成する音を自動的に1音ずつ順番に発音させる機能のことです。「鳴らす順番」は、アップやダウン、アップ・ダウン、ランダムなど、いくつかのパターンから選択するタイプや、非常に複雑なパターンによって指1本でフレーズを奏でられるようなタイプまで存在します。

GAIAは、この両タイプを1台で演奏することができます。しかも、音色ごとに好きなアルペジオ・パターンが保存できるというアイデアは、非常に便利かつ実用的です。ボタン1つでアルペジオのオン/オフが簡単に操作できるので、ライブ・パフォーマンス的にも多彩なプレイを可能にしてくれます。アルペジオのテンポはタップ・テンポに同期するので、あらゆる楽曲にアルペジオのスピードを瞬時にシンクロさせられるという点も、大きな魅力と言えるでしょう。

▲画像2:GAIAのアルペジエーター・セクション。[CANCEL/SHIFT]ボタンを押しながら[ARPEGGIO]ボタンを押すと、アルペジオのパターン(バリエーション)を選択できます。

GAIAには、[1]~[8]のボタン×8バンクの、合計64種類のアルペジオ・パターンが内蔵されています。それでは、実際にGAIAのアルペジエーターが生み出すパターンを聴いてみましょう。

●スタンダードなアルペジオ・パターン

ここでは「アップ/ダウン」という典型的なアルペジオ・パターンを使用しました。初めに指1本でルートを弾き、後半で和音を弾いています。単音時と和音時の、分散の違いを聴いてみてください。

●ベース・ライン的なパターン

次に、フレーズ的なアルペジオ・パターンを聴いてみましょう。ベース・ラインにとてもマッチするプリセットのパターンです。和音ではなく指1本で、適当にキーを変えながら弾いてみました。

●シーケンス風のパターン

最後に、TB-303風の音色でフレーズ的なパターンを組み合わせてみました。これだけで、1曲できてしまいそうですね。

フレーズ&ツマミの動きを録音/再生できるフレーズ・レコーダー

GAIAには、このようなアルペジエーターに加えて、数小節のフレーズを録音できる「フレーズ・レコーダー機能」も搭載されています。この機能は、純粋にフレーズを記録/再生するだけでなく、ツマミなどのコントローラーの動きも記録/再生が可能です。つまり、フィルターのカット・オフやレゾナンスのツマミの動きを記録し、それを再生することで、鍵盤を演奏しながら、自動的に音色を変化させられるのです。この機能も、パフォーマンス時にぜひとも活用してみてください。

▲画像3:フレーズ・レコーダー・セクション。エフェクトの設定を変化させて、それを記録/再生することも可能です。

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Profile

齋藤久師(さいとう ひさし)

齋藤久師(さいとう ひさし)

91年ビクターエンターテインメントより日本初のテクノユニット『ガルトデップ』でデビュー。ユニット休止後、さまざまなクラブ系ユニットに参加し海外でのディストリビュートも積極的に行う。1996年よりステージ衣装から機材などすべてを完璧に模したYMOの完全コピーバンド『Yセツ王』として活動。リアルタイムにYMOを体験した熱心な固定ファンのみならず、YMOのライブを見たことのない若いファンをも獲得している。チップチューンをフィーチャーしたユニット『8bit project』のメンバーとしても2枚のアルバムをリリース。そのほか雑誌などでのレビュー執筆と、多方面で活躍中。