Top > mnavi Academy Synthesizer > 第43回:VP-7連載その2:ボーカルにハーモニーを加えよう~ボーカル・デザイナーのスゴさを徹底解剖!

synthesizer Back Number

ボーカルにハーモニーを加えてみよう
~その1:ボーカル・デザイナー・セクション~

それでは、ボーカルにハーモニーを加えてみたいと思います。最初は、VP-7のインテリジェンスな音程感知機能を使って、キーボードを使わずに、自動的にハーモニーを付けてみましょう。

まず、ハーモニーのタイプをボーカル・デザイナー・セクションの3つのボタンの中から選びます。

▲画像6::ボーカル・デザイナー・セクションでは3タイプのハーモニーを作り出せます。

初めに、2人で歌っているかのような2声のハーモニーが加えられる[デュエット(Duet)]ボタンを押してみましょう。

[ハーモニー(Harmony)]ツマミを、センターから右方向に回すことで、ハーモニー成分のボリュームが増えていきます。サンプル音を聴くと、マイクから入力されたピッチよりも低い音程のハーモニーが重なったことが分かりますね。

次に、3人で歌っているような3声のハーモニーが得られる[トリオ1(Trio1)]をチョイスしてみましょう。

これは、マイク入力されたボーカルのピッチに対し、上と下にハーモニーが付けられます。そのため、2声のデュエットよりも、さらに重厚なコーラスが得られましたね。

最後に、マイクに入力されたボーカルに対して、高い成分に2つのハーモニーを加えて3声を作り出す[トリオ2(Trio2)]の効果を聴いてみましょう。トリオ1とは、また印象が大きく変わりますね。

ボーカルにハーモニーを加えてみよう
~その2:ボコーダー・セクション~

ボーカル・デザイナー・セクションでは、ボーカルの音程に追従して、自然なハーモニーを生み出してくれます。これに対して、パネル右上に用意された[ボコーダー(Vocoder)]ボタンをオンにすると、いわゆる"ロボット・ボイス"と呼ばれる機械的なハーモニーやボコーダー・サウンドを演奏することができます。

▲画像7:ボコーダー・ボタンを押すと、すぐにボコーダー・サウンドを鳴らすことができます!

●ピッチを自動追従させた場合

まずはこれまでと同様の方法で、マイクから入力したボーカルに、ピッチを自動的に追従させてみましょう。

この場合、ボーカル・デザイナーで作り出す自然なハーモニーとは異なり、ボーカル・ラインそのものをなぞるため、強制的にピッチ補正を施したかのような効果を得ることができるのです。そのため、元になるマイクの音声と、強制的にピッチを正確に補正した音声を同時に出すことで、下のサンプル音のようなデチューン効果が生まれるのです。

●鍵盤でピッチを指定した場合

ここまでは、MIDIキーボードなどによる音程情報を一切入力せず、元になる音程、つまりボーカルの実際のピッチを自動検出することで、ハーモニーやボコーダー・サウンドを作り出してきました。そこで最後に「これぞボコーダー!」というような機械的な音色を作り出してみましょう。

まず本体にMIDIキーボードを接続し、ボーカルのメロディの2オクターブ下のラインを弾いてみました。そして、[Harmony]ツマミでマイクから入力されるボーカル(すなわち原音)を完全に絞り切り、ボコーダー・サウンドだけを鳴らしてみます。さらに[Ambience]ツマミも左に回し切ってオフにし、ゴリゴリとしたアナログ・ボコーダー風の音色に近付けてみました。聴いてみてください。

次に、ボコーダーによる「多重コーラス」を演奏してみたいと思います。これは、元のボーカル・ラインを完全に無視して、キーボードで好きなコードを押さえて鳴らしてみました。ハリのある、ビンテージ・ボコーダー風の素晴らしい音色が出ましたね!


今回紹介したボコーダー・セクションですが、[Vocoder]ボタンを押すたびに、インジケーターが「赤」「緑」「オレンジ」の順で代わり、それぞれ違った音色が楽しめるようになっています。これらについては、次回以降で詳しく解析してみたいと思います。それでは、また来月!

▲ページの先頭へ

  • 1
  • 2
  • 前のページへ

Profile

齋藤久師(さいとう ひさし)

齋藤久師(さいとう ひさし)

91年ビクターエンターテインメントより日本初のテクノユニット『ガルトデップ』でデビュー。ユニット休止後、さまざまなクラブ系ユニットに参加し海外でのディストリビュートも積極的に行う。1996年よりステージ衣装から機材などすべてを完璧に模したYMOの完全コピーバンド『Yセツ王』として活動。リアルタイムにYMOを体験した熱心な固定ファンのみならず、YMOのライブを見たことのない若いファンをも獲得している。チップチューンをフィーチャーしたユニット『8bit project』のメンバーとしても2枚のアルバムをリリース。そのほか雑誌などでのレビュー執筆と、多方面で活躍中。