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> 第51回:JUPITER-80連載その3:レジストレーションを徹底解剖その2&SuperNATURALシンセサイザー・トーン・コラム「OSC」後編

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第51回:JUPITER-80連載その3:レジストレーションを徹底解剖その2&SuperNATURALシンセサイザー・トーン・コラム「OSC」後編 第51回:JUPITER-80連載その3:レジストレーションを徹底解剖その2
&SuperNATURALシンセサイザー・トーン・コラム「OSC」後編

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みなさんこんにちは! 齋藤久師です。JUPITER-80が発売され、レコーディングの現場、そしてライブ・ステージなど、あらゆる場面でその堂々とした姿を見かける機会が多くなりましたね! さて、今回も引き続きオススメ音色を紹介しながら、その音色がどのように成り立っているか、ライブ・セットをもとに解析していきましょう!

また、前回よりスタートした「SuperNATURALシンセサイザー・トーン」コラム連載、今回は「OSC(オシレーター)」の後編をお送りいたします。

▲写真1:JUPITER-80

レジストレーション音色を紹介!

●プリセット[03]D-3:Super Sweep

▲画像2:プリセット[03]D-3:Super Sweep(レジストレーション画面)

まず、サンプル音を聴いてみてください。スウィープ変化を伴う、重厚なアナログ・シンセサイザーのパッド音色ですね。

それでは、アッパー/ロワーの各パートのライブ・セット画面を見てみましょう。

▲画像3:アッパー・パートのライブ・セット画面。プリセット「0297:Lush Sweep」が割り当てられています。

アッパー・パートには、SuperNATURALシンセサイザー・トーンのシンセ・パッドが4つレイヤーされています。

一方のロワー・パートでは、サンプル音を聴くとピコピコといったアルペジオ奏法のようなシーケンス・フレーズが鳴っていることが分かります。しかし、このピコピコ・フレーズ、ロワー・パートのライブ・セット画面を見ると、実はアルペジエーターを使用していないのです!

▲画像4:ロワー・パートのライブ・セット画面。プリセット「2215:World X」。アルペジオ機能は使われていませんでした。

もしかしたら、LFOによって、オシレーター(OSC)とフィルターがコントロールされていてピコピコと鳴っているのかと思い、ロワーのシンセサイザー・トーン・エディット画面を見てみましたが、そのような痕跡はありませんでした。

そこで「もしや!?」と思い、[MFX(エフェクト)]セクションを確認してみると......なんと! このフレーズは、「Step Phaser」によるモジュレーションによって作り出されていることが分かりました! これは、とてもユニークな手法ですね。

▲画像5:ロワー・パートのライブ・セット「2215:World X」には、MFXとして「Step Phaser」がかけられていました!

●プリセット[04]B-3:Saw Trancer LFO

▲画像6:プリセット[04]B-3:Saw Trancer LFO(レジストレーション画面)

さて、このレジストレーション音色も、シーケンス・フレーズが複雑に重なり合ったライブ・セットによって構成されています。ところが、これもアルペジエーターは使用されておらず、各トーンのLFOが上手に活用されているのです。

まず、ロワー・パートを開いてみましょう。ロワー・パートには、4つのSuperNATURALシンセサイザー・トーンを重ねたライブ・セット[1039:Triple LFO Bass]が割り当てられていています。これらの[level]スライダーを上げ下げしながら、1トーンずつ個別に聴いてみましょう。

▲4つのトーンを順番に鳴らします。

まずレイヤー1では、デチューンのかかったアナログ・シンセ・ベースの音色が登場します。これはフレーズを弾いているのではなく、鍵盤を押さえたままでロング・トーンを鳴らしている状態です。

次に出てくるレイヤー2の音色は、4分音符のフレーズで演奏されます。このトーンのエディット画面を開くと、画像7のように[LFO]が【4分音符】に設定されていることが分かります。

▲画像7:ライブ・セット[1039:Triple LFO Bass]のトーン・モディファイ画面。レイヤー2に4分音符のLFOが設定されている。

そして、レイヤー3の音色は8分音符(画像8)、さらにレイヤー4は2分音符というように、LFOの音符が変えられて設定されています。これによって、複雑なアルペジオのようなリズミカルなフレーズが指1本で奏でられるように作られています。

このように、アルペジオ機能を使用しなくても、さまざまな音色がシンセサイズできることが分かりますね!

▲画像8:レイヤー3には【LFO=8分音符】が設定されており、これら各レイヤーの設定によって、リズミカルなフレーズが生み出されている。

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Profile

齋藤久師(さいとう ひさし)

齋藤久師(さいとう ひさし)

91年ビクターエンターテインメントより日本初のテクノユニット“ガルトデップ”でデビュー。ユニット休止後、さまざまなクラブ系ユニットに参加し海外でのディストリビュートも積極的に行う。1996年より、ステージ衣装から機材などすべてを完璧に模したYMOの完全コピーバンド“Yセツ王”として活動。その後、松武秀樹率いる“Logic System”への参加や、チップ・チューンをフィーチャーしたユニット“8bit project”のメンバーとしても2枚のアルバムをリリース。また2010年には著書「DTMテクニック99(リットー・ミュージック)」を出版した。2011年6月15日には自身の新ユニット“pulselize”の1stデジタル・シングル「ATTACK」、8月17日には2ndデジタル・シングル「DECAY」を世界配信開始。同シリーズは2ヶ月ごとに「ATTACK」、「DECAY」、「SUSTAIN」、「RELEASE」の4部作がリリースされ、年末にはアルバム『A/D/S/R』としてコンプリートする。

Hisashi Saito Official Website:
http://www.neuronrecords.com/

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