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> 第52回:レジストレーションを徹底解剖3&SuperNATURALシンセサイザー・トーン・コラム「FILTER」編

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第52回:レジストレーションを徹底解剖3&SuperNATURALシンセサイザー・トーン・コラム「FILTER」編 第52回:レジストレーションを徹底解剖3
&SuperNATURALシンセサイザー・トーン・コラム「FILTER」編

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みなさんこんにちは! 齋藤久師です。今年の夏は激しい猛暑日が続きましたが、なんとか節電もしつつ、無事に乗り切ることができました。私の作業場には、大昔のビンテージ・アナログ・シンセサイザーが所狭しと並んでいるのですが、やはりそういった骨董品は非常に「熱」を発するため、部屋の温度が上がってしまいます。そんな中で、涼しそうな顔をしながらも野太いアナログ・サウンドを発するJUPITER-80を見ていると、改めてテクノロジーの進化を感じる今日この頃です。

さて、今回も引き続きオススメのレジストレーション音色を紹介し、後半の「SuperNATURALシンセサイザー・トーン」コラムでは、「FILTER」セクションを取り上げてみたいと思います。

▲写真1:JUPITER-80

オススメのレジストレーション音色を紹介!

●プリセット[04]C-2:Ambient Jupiter

▲画像2:プリセット[04]C-2:Ambient Jupiter(レジストレーション画面)

なんとも涼しげなこの音色は、アッパーに用意されたライブ・セット[1751:Ambient Chimes]にアップ・ダウンで進行するアルペジオが設定されており、エレクトリック・ピアノやベルなど清涼感のある音色がレイヤーされています。

▲画像3:アッパー・パートのライブ・セット画面。SuperNATURALアコースティック・トーンとSuperNATURALシンセサイザー・トーンが組み合わせられています。

さらにMFXでモジュレーション・ディレイやリバーブなどの空間系エフェクトをかけることによって浮遊感が生み出されています。

▲画像4:アッパー・パートのエフェクト・ルーティング画面。トーン1[0010:Pure Vitage EP1]には2つのMFXがかけられています。

しかも、MFX1にアサインされたリング・モジュレーターによる周期的な音色変化によって、この独特なキラキラ感が醸し出されています。

▲画像5:トーン1にかけられている[MFX1]はリング・モジュレーターであることが分かります。

また、ロワー・パートのライブ・セット[2241:Lo Ambi Drone]には、シンセ・パッド([1594:FX35]&[0039:JP8 Hollow 2])の他に、重要な存在感を出しているトーン[0299:StrobeBell 1]が組み合わされています。

▲画像6:ロワー・パートのライブ・セット画面。3タイプのSuperNATURALシンセサイザー・トーンで構成されています。

この[0299:StrobeBell 1]のシンセ・トーン・エディット画面を見てみましょう。OSC(オシレーター)セクションでピッチ・エンベロープがかけられており、これによって、弾く度にピッチがしゃくられるような印象的な音色に仕上げられていることがわかります。最初のサンプル音では、途中からロワー・パートを弾き始めていますので(11秒あたりから)、確認してみてください。

▲画像7:[0299:StrobeBell 1]のシンセ・トーン・エディット画面。ピッチ・エンベロープが設定されています。

さらに、パーカッション・パートに用意されたフィンガー・ベース([0037:Fingered Bass])でボトムを支えていることが分かります。このように、パーカッション・パートにも音程感をプラスすることができると、音色構成のバリエーションを増やすことができるのでうれしいですね。

●プリセット[04]C-3:Before The Storm

▲画像8:プリセット[04]C-3:Before The Storm(レジストレーション画面)

さて、次はもっと涼しげなレジストレーション音色を紹介いたしましょう。

この音色では、左手でアッパー/ロワー/パーカッションの3つのパートを演奏しています。まずアッパーには、非常にアタックの強いエスニックな雰囲気の民族楽器が2種類([1844:Santur 2]&[1846:Santur 4])アサインされています。

▲画像9:アッパー・パートのライブ・セット画面。SuperNATURALシンセサイザー・トーンですが、民族楽器系のサウンドとなっています。

そしてロワーには、白玉の役割をするライブ・セット[1790:Erhu Dream]、さらにアフター・タッチによりフィルターを自由に開閉させることができる[0002:JP8 Strings2]がパーカッション・パートに用意されており、左手だけで重厚なコードを奏でられる仕組みになっています。

一方の右手では、ソロ・パートの[0072:Ryuteki]を演奏、とても"わびさび"の効いた「日本的」レジストレーションとして仕上がっています。

▲画像10:ソロ・パートにはSuperNATURALアコースティック・トーンの「竜笛(Ryuteki)」が割り当てられています。

そして、左手/右手のどちらのパートにも別々のMFXを使用することで、まるで複数のシンセサイザーを並べて弾いているかのような壮大なサウンドをJUPITER-80の1台でまかなうことが可能なのです。

▲画像11:レジストレーション・エフェクト・ルーティング画面。ソロやパーカッション・パートにも個別にMFXがかけられます。

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Profile

齋藤久師(さいとう ひさし)

齋藤久師(さいとう ひさし)

91年ビクターエンターテインメントより日本初のテクノユニット“ガルトデップ”でデビュー。ユニット休止後、さまざまなクラブ系ユニットに参加し海外でのディストリビュートも積極的に行う。1996年より、ステージ衣装から機材などすべてを完璧に模したYMOの完全コピーバンド“Yセツ王”として活動。その後、松武秀樹率いる“Logic System”への参加や、チップ・チューンをフィーチャーしたユニット“8bit project”のメンバーとしても2枚のアルバムをリリース。また2010年には著書「DTMテクニック99(リットー・ミュージック)」を出版した。2011年6月15日には自身の新ユニット“pulselize”の1stデジタル・シングル「ATTACK」、8月17日には2ndデジタル・シングル「DECAY」を世界配信開始。同シリーズは2ヶ月ごとに「ATTACK」、「DECAY」、「SUSTAIN」、「RELEASE」の4部作がリリースされ、年末にはアルバム『A/D/S/R』としてコンプリートする。

Hisashi Saito Official Website:
http://www.neuronrecords.com/

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