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> 第55回:JUPITER-80連載その7:4パート構成のレジストレーション機能を徹底解剖&SuperNATURALシンセサイザー・トーン・コラム「PORTAMENT&UNISON」編

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第55回:JUPITER-80連載その7:4パート構成のレジストレーション機能を徹底解剖&SuperNATURALシンセサイザー・トーン・コラム「PORTAMENT&UNISON」編 第55回:JUPITER-80連載その7:4パート構成のレジストレーション機能を徹底解剖&SuperNATURALシンセサイザー・トーン・コラム「PORTAMENT&UNISON」編

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みなさんこんにちは! 齋藤久師です。今年も1年間、mnavi Academy Synthesizerをご覧いただきありがとうございました!

先日、あるUSTREAM番組で冨田勲先生とお話する機会がございまして、忘れられないお言葉をいただきました。「よい、悪いということではなく、手間暇をかけて作った音色は、サンプリングによって容易に録音/再生した音とは、一線を画す」。つまり、命を込めて作り出した(シンセサイズした)音色は、時間が経っても色あせないと、先生は仰っておりました。重みのある言葉ですよね。さすがです。

その先生の言葉を噛みしめながら、今回はJUPITER-80の多重レイヤー構成(レジストレーション音色)を活かし、厚みのあるサウンドを作ってみましょう! テーマは、ずばり「白玉」です!

▲写真1:JUPITER-80

レジストレーションで分厚い「白玉」を作ろう

まずアッパー・パートを作ってみましょう。ここれは、SuperNATURALシンセサイザー・トーンを4つ重ねたアナログ・シンセ・パッドとしました。ピッチが、アナログ的に不規則に揺らぐことによって、温かみのあるサウンドになっていることが分かりますね。

▲画像2:SuperNATURALシンセサイザー・トーンを4つ重ねたライブ・セット。4番目の「0902:Sweep Bs 9」だけ低音域で鳴るようにセッティングしました。

この音色に、全体的にもう少し張りを持たせるため、ロワー・パートにSuperNATURALアコースティック・トーンを中心に、バイオリンやチェロなどを組み合わせたストリングス・セクションを重ねてみましょう。アナログ・シンセ・パッドとアコースティック・ストリングスの組み合せによって生まれた、厚みのある白玉サウンドを聴いてください。

▲画像3:バイオリンとチェロ、ストリングス・アンサンブル系をレイヤーさせたライブ・セット。SuperNATURALシンセサイザー・トーンのストリングス系トーンも使用しています。

さらに、パーカッション・パートには、ローランドの名機VP-330によるクワイヤー・サウンドを重ねてみます。これによって、アナログ・シンセとアコースティック・バイオリン、ヒューマン・ボイスが融合しました。

▲画像4:パーカッション・パートに「0323:VP-330 Chr 1」をセレクトしました。

最後に、ソロ・パートにはバイオリンをプラスして、トップ・ノートをバイオリンがなぞるように工夫してみました。それでは、全4パートが重なった「白玉」を聴いてみましょう。

▲画像5:ソロ・パートに「0042:Violin」を設定しておくことで、鍵盤を弾いた時のトップ・ノートだけをバイオリンのソロで演奏できるようになります。

このサウンドを作るために、すべてのパートを重ね、各々のトーンのバランス調節に必要だった時間は、なんとわずか30秒! すなわち、ライブ本番直前のリハーサルはもちろん、ライブ中のステージであっても、一瞬にしてさまざまな音色を作ることができるのです。これこそJUPITER-80の大きな魅力のひとつであり、「ライブ・シンセサイザー」と呼ばれる所以なのです。

今回作り出したサウンドは、シンプルに各パートを重ねて、それぞれの音量バランスを整えただけです。もちろん、パートごとの定位の調整や、エフェクトなどの多彩なパラメーターを使った作り込みができますので、ぜひオリジナルなサウンド・メイクにチャレンジしてください!

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Profile

齋藤久師(さいとう ひさし)

齋藤久師(さいとう ひさし)

91年ビクターエンターテインメントより日本初のテクノユニット“ガルトデップ”でデビュー。ユニット休止後、さまざまなクラブ系ユニットに参加し海外でのディストリビュートも積極的に行う。1996年より、ステージ衣装から機材などすべてを完璧に模したYMOの完全コピーバンド“Yセツ王”として活動。その後、松武秀樹率いる“Logic System”への参加や、チップ・チューンをフィーチャーしたユニット“8bit project”のメンバーとしても2枚のアルバムをリリース。また2010年には著書「DTMテクニック99(リットー・ミュージック)」を出版した。2011年6月15日には自身の新ユニット“pulselize”の1stデジタル・シングル「ATTACK」、8月17日には2ndデジタル・シングル「DECAY」を世界配信開始。同シリーズは2ヶ月ごとに「ATTACK」、「DECAY」、「SUSTAIN」、「RELEASE」の4部作がリリースされ、年末にはアルバム『A/D/S/R』としてコンプリートする。

Hisashi Saito Official Website:
http://www.neuronrecords.com/

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