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mnavi Academy Synthesizer
> 第59回:JUPITER-80連載その11:JUPITER-80のプリセット・ライブ・セットで楽曲制作~後編

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ステップ5:メロディを録音!

次に、シンセ・メロディを入れてみたいと思います。フワッとしたシンセ・パッドの音色で、オシレーターのピッチを5度ずらしたレイヤー感が幻想的な雰囲気を生み出しているプリセット・ライブ・セット「[03]D-1:JP80 Pad 2」を使用してみました。

2つのトーンのピッチをずらしているために、指1本の演奏でも、5度のハーモニーを奏でられるユニークなライブ・セットです。

▲画像4:プリセット[03]D-1:JP80 Pad 2(レジストレーション画面)

この音色は、ローランドが得意とするエフェクターの1つである「コーラス・アンサンブル」によって、暖かみやふくよかさが作り出されています。また、LFOが生み出す“うねり感”とはまたひと味違った、いい意味での“不安定さ”がデチューンによって効果的に演出されたライブ・セットですね。

ステップ6:楽曲のインパクトを高めるフレーズを追加!

さて、最後にフワフワとした雰囲気をさらに盛り上げるため、ちょっとユニークな音色を入れてみましょう。

「[01]B-8:Twin Gtr Arps」というライブ・セットですが、これはナイロン・ギターの音色で、アルペジオ機能を使うことで自動的にフレーズを鳴らすという面白いプリセット音色です。

このサウンドに、さらなる浮遊感をプラスするために、アルペジオ機能のテンポを、途中でリアルタイムに変化させました。こうすることで、バック・トラックのフレーズとのズレが生じ、不思議なニュアンスを作り出せるのです。ソロ・トラックの状態で聴いてみてください。

▲画像5:プリセット[01]B-8:Twin Gtr Arps(レジストレーション画面)

ついに楽曲が完成!

さて、これですべてのトラックを録音し終わりました! 早速、完成したトラックを聴いてみましょう!

JUPITER-80だけで、このように楽曲として完成させられました。そして、ここからさらに、各トラックの細かい調整を行ったり、エフェクトを使ったサウンド・メイク、さらにはそれぞれのパートをオーディオ・データ化させた後に、SONARなどのDAWソフトに取り込み、波形を刻んだり、リバースさせるなどの“仕かけ”を作れば、より一層ブラッシュ・アップさせたトラックを完成させることができるでしょう。

さて、2回に渡り、JUPITER-80のプリセット・ライブ・セットだけを使用した曲作りの工程を紹介しましたが、いかがだったでしょうか。

みなさんが、実際に楽曲を作る際は、プリセットからさらに一歩進んで、ぜひとも「自分のオリジナルの音色」を作りながらのトラック・メイクにチャレンジしてください。シンセサイザーは、自分の楽器を自分でデザインすることのできる、夢のような楽器なのです。ぜひ、その面白さを実感してみてください!

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Profile

齋藤久師(さいとう ひさし)

齋藤久師(さいとう ひさし)

91年ビクターエンターテインメントより日本初のテクノユニット“ガルトデップ”でデビュー。ユニット休止後、さまざまなクラブ系ユニットに参加し海外でのディストリビュートも積極的に行う。1996年より、ステージ衣装から機材などすべてを完璧に模したYMOの完全コピーバンド“Yセツ王”として活動。その後、松武秀樹率いる“Logic System”への参加や、チップ・チューンをフィーチャーしたユニット“8bit project”のメンバーとしても2枚のアルバムをリリース。また2010年には著書「DTMテクニック99(リットー・ミュージック)」を出版した。2011年には自身のユニット「pulselize」のリリースに伴い、neuron recordsを立ち上げ。また、代官山UNITサルーンにおいて毎月行われる、シンセを肴に呑む会「SynthBAR(USTREAM:http://www.ustream.tv/channel/synth-bar-blue-monday)」をプロデュース中。

Hisashi Saito Official Website:
http://www.neuronrecords.com/

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