「右脳」と「左脳」をイメージして、
次作は2枚1組的な作品にしたいと思っている
─ 現在、caminoの新作を制作中ということですが、曲作りはいつ頃からスタートさせたのですか?
KIKU:去年の12月くらいから曲を書き始めて、30曲ぐらい作りました。そこから14曲ほどに絞り込んで、今、レコーディングを行っています。でも、これを1枚のアルバムにまとめるのではなく、7曲入りのアルバムを2枚出そうと考えているんですよ。
─ では、それぞれにテーマを持たせているのですか?
KIKU:イメージは、「右脳アルバム」と「左脳アルバム」。右脳は未来を考えたり、左脳は記憶力だったりと、そういったコンセプトを歌詞に加えながら、「別々のアルバムなんだけど、2枚で1組」というような作品にしたいと考えているんです。秋から冬くらいのタイミングでリリースできるように制作を進めています。面白いアルバムになると思うので、楽しみにしておいてください。
─ 期待しています。KIKUさんの作曲スタイルは、ブロック単位でフレーズやコードを作って、それらを組み合わせて曲を構築していくんだそうですね。
KIKU:そうなんです。普通に考えたら絶対につながらないようなブロック、――それこそキーが違うようなフレーズとか――、これらがつながった時のカッコよさだとか、斬新な曲の展開が生まれる瞬間が、すごく楽しいですね。今回のレコーディングでも、RYOSUKE(Key)が「Bメロだけなんだけど」ってフレーズを持ってきたんですよ。Aメロでも、サビでもなく、Bメロですよ(笑)。「何なんだ、その中途半端さは!」って思いながらも(笑)、それに肉付けしていく面白さがありますね。

▲caminoのメンバー。左から、HAYATO(Vo)、KIKU(Gt)、RYOSUKE(Key)、REHIT(Dr)、TAKA(Bs)。
─ caminoの場合、デモ制作やレコーディングはどのように行っているのですか?
KIKU:全員が自宅にDAW環境を持っているので、例えば僕がベーシック・トラックを作ったら、TAKA(Bs)に「ベースを入れてくれ」ってインターネット経由でデータを飛ばすんです。そうすると、TAKAが自宅で録ったベースのWAVファイルが戻ってきて、今度はキーボードのRYOSUKEに飛ばして、といった流れです。ドラムは、さすがに自宅では録れないのでスタジオに入りますけど、それでもデモ段階ではMIDIで打ち込みますね。ギターに関しては、基本的には自宅でいいテイクを録って、それをスタジオでリアンプ(ライン録音した演奏をスタジオのギター・アンプで再生して、それをマイク録音するテクニック)するという方法です。ピッキングのニュアンスやタッチって、実はアンプを鳴らしてマイクで拾うよりも、ラインの方が繊細に録れるんですよ。いい意味でも悪い意味でも、すごくリアル。もちろん、スタジオに全員で入って「せーの!」で一発録りする方がライブ感は出せると思いますが、世界中どこに行っても自分の好きな音を確実に鳴らせるアンプ・シミュレーターの利便性、安定性は画期的ですよね。そうやってラインで録ったギターにエアー感が欲しければ、スタジオに行ってスタック・アンプをフルテンにしたりしながら、リアンプするわけです。
─ KIKUさんは、浜崎あゆみさんをはじめとする数多くのアーティストにも楽曲を提供されていますが、ご自身の作品を制作する場合と、他のアーティストに提供する楽曲を作る場合とでは、いろいろと発想も変化してくるのでしょうか?
KIKU:やっぱり、思考回路は違いますね。先日、EXILEのレコーディングでギターを弾いたんですが、その時はアンプ・シミュレーター1台だけで録ったんです。もちろん、手を抜くという意味ではなくて(笑)、浜崎あゆみさんやEXILEさんなどの制作はとにかくスケジュールがタイトですし、サウンド的にもその方がマッチしたりするんです。でも、自分の作品であれば時間の使い方がまったく違ってきますし、それこそ自宅録音であれば無制限に時間を使えますから、よりよいものを目指して試行錯誤を繰り返せますよね。

─ そういう制限がない中で、自分でOKテイクのジャッジをするというのは、逆に大変な作業のようにも思いますが?
KIKU:確かにそうですね。誰かがディレクションしてくれるわけではないですから......。でも、結局は「自分が気持ちよく感じられるかどうか」に行き着くと思うんですよ。もちろん、どうしても自分で判断できなければ、メンバーに聴いてもらって「ミュートした方がいい」とか、「レガートでザクザク弾いた方がいい」というように意見を言ってもらいます。やっぱり、自分が好きというだけでは、自己満足の世界で終わってしまいますからね。
─ 自分のプレイを客観的に聴くことができる耳が必要なんですね。
KIKU:聴く人が気持ちいい音楽を作りたいですし、聴きやすさは大切ですから。その点に関しては、自分の曲でも楽曲提供する場合もまったく同じです。歌がメインであれば、メロを上げた状態でドラムだけがバンバン鳴ってると聴きづらいじゃないですか。その曲の中で、何が一番大事なのか、そこをどう聴かせなきゃいけないのかということを客観的に見ながら作ることが多いですね。





