GT-PROは、ラインで使ってもアンプの鈍り具合やアナログ感を感じます
─ 今回は、GT-PROを試奏していただきましたが、GT-PROの率直な感想はいかがでしたか?
D:ざっと試奏してみた感想ですが、これは凄くいいですね。これを使いこなせれば、アンプがいらないくらいの音が出せるんじゃないかな。ライン・ギターにありがちな硬い音ではなく、アンプで鳴らした時の鈍り具合まできちんと表現されている点が、とても気に入りました。歪みの感じだとか、凄くアナログっぽさを感じます。
─ 実際のレコーディングでは、アンプに立てるマイクの距離などもシビアに調整されているようですが、GT-PROのマイキングのシミュレーション機能はいかがでしたか?

D:僕はアンプにマイクを立てる際も、かなりスピーカーに近づけてオン・マイクで録るんですが、GT-PROでのシミュレーションも、そういったニュアンスまできちんと出せていますね。内蔵エフェクトも、例えば、ボスの名機OD-1などのサウンドとか、とてもリアルに再現できています。この歪み感とコンプレッション感が、ボスなんですよね(笑)。
─ 他に気に入った機能などはありましたか?
D:GT-PROは、2系統のプリ・アンプ(COSMアンプ)を同時に使えるんですよね? それで、2台のアンプをピッキングの強さで使い分けるという機能があったじゃないですか。弱く弾くとクリーンで、強く弾くと歪むってヤツ。
─ ダイナミック・モードですね。
D:あれは面白いと思いました。ライブの現場でも、フレーズによっては「ここでそんなに強く歪まなくてもいいのに」っていう場面もよくあって、そういう場合は手元でボリュームをコントロールするんですが、ボリュームを上げ下げしながら弾くのって、なかなか大変なんですよ。それに、戻りたい時に、すぐに戻れないしね。ボリューム・ペダルを使って足でコントロールするという方法もあるけど、そうすると毎回違う絞り方になってしまうから、結局、1曲の中で3種類の歪みのプログラムを作って、それを切り替えたりする必要が出てくるわけです。GT-PROのこの機能を使えば、ピッキングだけで歪みをコントロールできるから、ライブの現場でも使い勝手がよさそうに思います。
─ 歪み以外でも、強く弾いた時だけにディレイをかけるということも可能なんです。
D:それも面白いアイデアですよね。常にディレイかかりっぱなしでなくて、普通に弾きながら急にディレイをかけられるっていうのは、ちょっと試してみたいですね。もう、とにかく何でもできるように作られているから、買ってすぐにすべての機能を使いこなすというのは難しいでしょうけど(笑)、プリセットから好きな音を探して、そこからサウンドを調整していくというのでもいいんじゃないでしょうか。本体にトレブルやベースといったトーンのツマミが用意されているのも楽ですよね。階層構造のメニューに入ってパラメーター値を設定しないでツマミですぐにコントロールできるという点も、ギタリスト好みだと思いますよ。

▲写真2:DAITA氏お気に入りのプリセットその1:STACK DRIVE。
「この歪みを聴くと安心しますね(笑)。アンプ・シミュレーターでいろんなライン・サウンドを選んでも、やっぱりこのテイストの歪みにたどり着くんですよ。学生の頃から聴き慣れているサウンドなので、耳馴染みがいいんですよね。コードも見えつつ、ドライブ感もある。王道の歪みだと思います」(DAITA)

▲写真3:DAITA氏お気に入りのプリセットその2:TIGHT STACK。
「最初にここからスタートするであろう、サウンドですね。ブギーっぽい質感の歪みで、ここからもう少し歪ませたり、はたまたクリーンにしてみようかとアイデアを練る際の、基準となる歪みです。僕の中の、ベーシックなサウンドです」(DAITA)
優等生な音がするアンプ・シミュレーターが多い中、GT-PROは俄然ロックですよね
D:GT-PROの音をDAWソフトに録音する場合は、アウトプットをオーディオ・インターフェースに接続すればいいんですか?
─ それでもいいですし、パソコンにUSB経由でオーディオ・データを送れるので、パソコンでDAWソフトを立ち上げて、GT-PROのドライバーをオーディオ・トラックにアサインすれば、GT-PROの音をダイレクトにDAWソフトに録音できます。また、通常はGT-PROのインプット・ソースを「GUITAR」に設定してエフェクトをかけますが、「USB」に設定すれば、DAWソフトに録音したギター音をGT-PROに戻し、エフェクトをかけてから別トラックに送って再度録音することも可能です。いわゆる、リアンプ的な使い方ですね。
D:なるほど、それは便利ですね。レコーディングに使うにしても、これ1台でやれることの範囲が、かなり幅広いですね。
─ 実際のレコーディングでは、リアンプ的に後から作り込むことが多いのですか?

▲写真4:GT-PRO試奏中のDAITA氏
この日の試奏は、2ndプロジェクトアルバム『DIRECT MODE』のレコーディングで大活躍したトム・アンダーソンのブルーのモデルが使われた。
D:現状の僕のレコーディング・スタイルでは、最初に「こういう感じの音で録ろうと」決めて音を作って、録った後で「ちょっと違うかな」と感じたら、プラグインのアンプ・シミュレーターで微調整することが多いです。デモ制作の場合だと、フレーズとアレンジが見えればいいので、そこまで厳密には音を作り込まないですけど、それでも、デモの時点で「この音はいいな」と思った音は、最後まで残ることは多いですね。メインのギターの音に関しては、本チャンのレコーディングではほとんど録り直しますが、それ以外の背景の部分のギターに関しては、デモの段階のプレイがいい雰囲気であれば、それを活かすこともよくあります。ですから、デモと言っても、しっかりと音を作っておくというのは大切なんです。
─ こういったプロセッサーを使って宅録でギターをライン録音する際に、注意したほうがいい点などはありますか?
D:ヘッドホンでギター・プレイを楽しむだけならまったく問題ないと思いますが、きれいな音でレコーディングをしようとするなら、電源ノイズの問題はポイントになるかもしれませんね。今日も、電源のグランドをアースに落として試奏したんですが、このスタジオでBINECKSのレコーディングをした時も、電源ノイズの問題には苦労したんですよ。ここではパソコンを3~4台使っているし、シールドの這わせ方でもノイズが変わってきますからね。一般住宅の電源環境って、そんなによくないですし、これだけ機材のクオリティが上がると、その分、些細なノイズも気になります。
─ それでは最後に、GT-PROが、これまでお使いになったアンプ・シミュレーターと最も違うと感じた点を教えてください。
D:これ1台で、レコーディングにおけるギターの音作りの要素がすべて行えるという点が、とにかく素晴らしいですよね。これはやっぱり、プラグインのアンプ・シミュレーターでは、なかなかできない部分だと思います。やっぱりハードウェアならではというか、根本的な音の質感が、ソフトウェアとはまったく違いますよね。
─ 特にギターの場合、ピッキングや楽器の倍音の出方によって、アンプは違う動作をしますよね。だからこそ、ギター本体やプレイヤーが変わると、同じアンプでも鳴りが変わってきます。GT-PROに搭載しているCOSMアンプというのは、このようなギター・アンプの特性を踏まえて、アンプの「出音」ではなく、ピッキングや倍音による「動作の変化」までをもモデリングしたものなんです。
D:そこなんだよね、重要なのは。だから、GT-PROには生々しさを感じるんだと思います。これまで、いろんなプラグイン・タイプのアンプ・シミュレーターを使ってみましたが、それらの音って、どこかキレイ過ぎるんですよね。完成された音というか、品があり過ぎる。優等生なんですよ。それに比べて、GT-PROの音はガッツがあるし、俄然ロックな音だと思います。ギターって、本来はもっと乱暴な楽器で、それを手元でいかに丁寧に弾くか、という楽器だと思うんです。だからこそ、いろんなニュアンスが出せるわけで。GT-PROには、そういったニュアンスがキチンと出せていると思います。歪み具合もラインっぽさがないし、ギタリストが求める感じが、かなりの高いクオリティで追求されていますね。僕は、あまり楽器や製品を褒めるほうではないんですが、これはかなり気に入りましたよ。

Profile:DAITA
6月19日東京生まれ。A型。中学3年生の時、当時聴いていたロックの影響を受けギターを始める。翌年、高校の入学祝いでギターを買ってもらい、本格的にバンド活動を開始。この時からすでにプロを意識し始め、数々のコンテストに出場し、プレイに磨きをかけていった。幾つかのバンド活動を経て、1993年7月、SIAM SHADEに加入。1994年12月にインディーズ・アルバム『SIAM SHADE』を発表し、1995年10月にSIAM SHADEのギタリストとしてソニーレコードよりメジャー・デビュー。1997年11月発売のシングル「1/3の純情な感情」はオリコン・シングル・チャートの上位に長期間ランクインし、累計80万枚を超える大ヒットを記録した。演奏力に定評があるライブ活動においても、日本武道館、国立代々木第一体育館、横浜アリーナなど、数々の大規模公演を成功させている。DAITAのソング・ライティング・センスと卓越したギター・テクニックは、SIAM SHADEとしての活動中も各所から注目され、楽曲提供や演奏参加などの活動も幅広く行う。16枚のシングルと9枚のアルバムをリリースし、約6年半の活動の末、2002年3月10日、過去最高の動員記録を打ち立てた日本武道館公演をもってSIAM SHADEは解散。その後はソロ活動をスタートさせる一方で、氷室京介のツアー参加や数多くのアーティストのプロデュースを手がける。2006年にソロ・アルバム『DIRECT MODE』をリリースし、今年に入り、有望若手シンガーのKEITAと久々のボーカル・プロジェクトBINECKSを結成し、各方面から注目を集めている。
DAITAオフィシャル・サイト:http://www.daita-ism.com/
Information
■BINECKS
1stアルバム
『Sacred Vision』

2007年6月6日発売
Prana Records
XQAY-1003 ¥2,940(tax in)
1stワンマン・ライブ決定!!
2007年11月27日(火)新宿LOFT
2007年11月28日(水)新宿LOFT
◇open/start:18:30/19:00
◇料金:立見¥5,250(税込)/DRINK代別
◇一般発売日:2007年10月21日(日)
◇お問合せ:ディスクガレージ/03-5436-9600(平日12:00-19:00)
■SIAM SHADE
SIAM SHADE LIVE in 武道館
『HEART OF ROCK』
2007年11月18日(日)日本武道館
◇OPEN/START:16:00/17:00
◇料金:前売¥6,300/当日¥6,800(税込)
◇一般発売日:2007年10月7日(日)
e+/ローソンチケット/チケットぴあ/CNプレイガイド/e-ticket
◇お問い合わせ:キョードー東京/03-3498-9999
◇主催:キョードー東京
◇企画:SIAM SHADE/AMUSE
◇制作:BACKSTAGE PROJECT
◇協力:SME Records
SIAM SHADE初のコンプリート・ベスト・アルバム、発売中!
『SIAM SHADE XI COMPLETE BEST ~HEART OF ROCK~』
2007年9月26日発売
SME Records
SECL-540~542(CD2+DVD1) ¥3,800(tax in)
Discography
『VOLCANO HIGH』(サウンドトラック)

韓国映画「火山高」の音楽監督を担当!
2002年12月4日発売
SME Recoreds
SRCL-5459 ¥2,520(tax in)
『DIRECT CHORD』

1stプロジェクト・アルバム(オンラインショップ限定CD)
2003年9月19日発売
GROUND SWELL LABEL(AMUSE INC.)
GSL-001 ¥2,300 (tax in)
『EUPHONY』

DAITA ソロ 1stアルバム
2003年11月19日発売
SME Recoreds
SECL43-44(CD+DVD 2枚組) ¥3,360(tax in)
『THE GUITAR EMISSION』Daita Second Impact

ライブ・アルバム(オンラインショップ限定CD)
2005年10月11日発売
SOUND MOTORS INC.
SMDL 06-19 ¥3,150(tax in)
『DIRECT MODE』

2ndプロジェクトアルバム(オンラインショップ限定CD)
2006年11月19日発売
SOUND MOTORS INC.
SMDL 11-19 ¥2,500(tax in)
※詳細は上記オフィシャルサイトまで

