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SL-20の前後にいろんなエフェクターを組み合わせることで、
自分だけのサウンドを追及していける

─ 今日は、ボスのスライサーSL-20とデジタル・ディレイDD-7を試奏していただきましたが、まずSL-20の率直な印象から聞かせてください。

K:SL-20は発売された時から興味を持っていたんですが、誰でもこんなにすごい音が作れちゃうっていうことは、これはいろんな意味でヤバイですよ。

I:なんか、いきなり超えられた感じだよね(笑)

K:そうそう。こういうことがやりたくて、今までこれだけたくさんのエフェクターを集めてきたのに......。皆がこれを使い始めたら、もう僕らは廃業ですよ(笑)。実際に使ってみるまでは、もうちょっとディレイ的なものかと思ってましたが、スライス・パターンのバリエーションが断然多くて、これを通すだけでもかなり面白いことができそうですね。

I:僕としては、スライス・パターンが50種類も用意されているという点が嬉しいですね。しかも、ベース・シンセサイザーとかファズとか他のエフェクターと組み合わせて使えば、同じスライス・パターンでも違ったフレーズに聴こえるから、曲作りの際にもどんどんイメージが湧いてきそうに思います。ベース・シンセサイザーと組み合わせれば上モノとしても使えるしね。

K:だからある意味、スライス・パターンは無限大だよね。おそらく一生のうちに、全部使い切れないんじゃないか、って思います(笑)。そういう点もいいですよね。エフェクターの中には「これしかできません」っていうものもあって、1回使ったら2度と出番がないってタイプもありますけど、これはいくらでも使っていけそうです。オクターブ的なサウンドを付加してくれる機能もユニークですね。

─ 入力された和音をメロディックなシーケンス・フレーズに変換する「ハーモニック・スライス・パターン」ですね。

K:これを使うと、原音自体の印象も大きく変わるので、単にデジタル的な音色でフレーズを刻むだけでの機材でないというところが、とても興味深いです。エレクトロ的なサウンドを出すには、もってこいじゃないでしょうか。しかも、単体で完成している。逆に言えば、SL-20は完成度の高いエフェクターなので、使う側がいろいろと工夫してオリジナリティを出していくことが、SL-20を使いこなすうえでの大きなポイントになるかもしれないですね。そうは言っても、こういうエフェクターを待っていたという人は多いのではないでしょうか。自分も含めて、ですけど。

I:前後にいろんなエフェクトを組み合わせて使うことで、自分にしか出せないサウンドが作れるようになると思いますよ。僕らもそれで、数多くのエフェクトを組み合わせているんです。

─ 稲見さんは、他のエフェクターとSL-20を組み合わせてスライス・パターンをループさせながら、その上でベースを弾くというプレイを試されていましたね。

I:ベース・シンセサイザーで面白い音が作れるので、それをループさせて、そこにまた違ったサウンドのベースを重ねていくと、グッと音楽的な広がり感が出てきますよね。僕らのように3ピース・バンドだと、フレーズをループさせられるということは、単純に音数も増やせるという点でもメリットが大きくて、使い道は多いと思います。断然、持っていたほうがいいタイプのエフェクターですね。

K:タップでテンポを入力できるから、例えばSL-20でループを作って、そのテンポに合わせてさらにフレーズを重ねることもできるし、2人でSL-20を使ってみるというのもやってみたいですね。2人でタップでテンポを合わせてコードを弾けば、おそらく、それだけでも曲が作れちゃうんじゃないでしょうか? スライサーのテンポとリンクするようなディレイを組み合わせれば、スライサー機能にさらにスライスを加えたり......など、本当にいろんな可能性を感じさせてくれるエフェクターです。

─ 他に注目したポイントはありますか?

K:ダイレクト音とエフェクト音のレベルを本体上で個別に調整できる点がありがたいです。極端なエフェクトをかけちゃうと、ダイレクト音が減り過ぎてフレーズが聴き取りづらいうことがよくあるんです。でもSL-20のようにエフェクトとダイレクトのレベルが別個に用意されていれば、そのバランスも自由自在ですからね。軽くスライス効果をかけることもできるし、極端なサウンドも作れる。あと、ペダルを踏んだ時だけスライス効果がオンになるように設定できるという点も、まさに"痒いところに手が届く"仕様ですよね(笑)。僕はこの機能がすごく好きで、ライブ中のアドリブ的にエフェクトをかけたい時にも、バッチリ対応できますよ。

─ ステレオ・モードで出力させても面白いですよ。パンポット(定位)をクロスさせたり、スライス・パターンをグルグルと回すような効果も作り出せます。

K:それも面白そうですよね。タップテンポもあって、ハーモニック・スライス・パターンもあって、本当にいろんなアイデアを実現できそうなエフェクターだと思います。

まともに使うだけではもったいない。
邪(よこしま)な使い方をしたほうが絶対に面白い。

─ 新しいデジタル・ディレイDD-7はいかがでしたか?

K:以前は、ステレオ・ディレイをレコーディングする際にはディレイを2台並べていたんですが、これは1台でステレオ出力ができるんですか?

─ そうです。接続の仕方によって、いろんなモードで鳴らせるようになっています。例えば、インプットAに入力してアウトプットA&Bで鳴らすとパンニング・ディレイができたり、インプットBに入力すればアウトプットAからはディレイ音、Bからはダイレクト音を出力できます。モノラルで使えば、6.4秒のディレイ・タイムが設定可能です(HOLDモード時は最大40秒)。

I:ディレイ・タイム6.4秒ってのいうは、すごいですね。どうやって使うんだろう?(笑)でも、そういうことができるというところが、ものすごく面白いと思うんですよね。

─ 木幡さんも、ギターをプレイしながらディレイ・タイムをいろいろといじってましたね。

K:僕はエフェクターを飛び道具的に使うのが好きなので、単にディレイをオン/オフさせるだけではなくて、ギターを鳴らしながらディレイ・タイムを変化させるということをよくやるんです。あと、リバース・モード時にダイレクト音を完全にカットできるのもいいですよね。それに、モジュレート・モードやアナログ・モード(ボスのアナログ・ディレイ「DM-2」のモデリング)など、ラック型のマルチ・エフェクターにしか入ってなかったようなモードが搭載されているのも嬉しいです。ギターでエフェクティブなサウンドを作りたいのであれば、SL-20とDD-7の2台で、ほとんどのことができるんじゃないかな? 僕らみたいに、こんなにたくさんエフェクターを使わなくても(笑)。

I:そうだね(笑)。ベースでエレクトロな面白い音を出したいなら、この2台とベース・シンセサイザーがあれば十分かな。

K:DD-7に関して言えば、オプションのエクスプレッション・ペダルを使って、複数のパラメーターを同時にペダルでコントロールできるという機能も面白いですね。いろんなアイデアを駆使して、コンパクトに多機能を集約している感じがすごいです。

─ お2人がSL-20やDD-7を使うとしたら、どのように活用してみたいですか?

I:まだすべての機能を把握できたわけではありませんが、SL-20はスライス・パターンもアウトプット・モードもたくさん用意されているので、スタジオでじっくり使ってみたいです。僕は、取扱説明書を読まないんですよ(笑)。とにかくどんどん触って、いろんなエフェクターとの組み合わせを試してみて面白い使い方を見つけていく、というやり方なんです。そういう意味では、このSL-20もDD-7も、面白いことがいろいろとできそうな可能性を感じました。

K:DD-7は、オプションのエクスプレッション・ペダルを組み合わせた活用法を探ってみたいですね。SL-20もそうですけど、ライブ・ステージではできないような細かい作り込みをきっちりとやってレコーディングで活用すると、コンピューター上の編集では作り出せない、エフェクターならではの音色の変化を生み出せそうな気がします。あとは繰り返しになりますけど、SL-20は単体で使うだけで個性的なサウンドになるから、他のエフェクターと組み合わせて自分なりの音を追求していくことでしょうね。そうすることで、よりアイデアがますます膨らんでいくと思います。

─ 最後に、読者がこれらのエフェクターを活用するうえでのアドバイスをお願いします。

I:感覚的にツマミを触って、その答えがすぐに音として返ってくるところがエフェクターの魅力だし、そこに興味を持って僕らもエフェクターを集め始めました。ですから、まだエフェクターを持ってない人、歪み系くらいしか使ったことのないベーシストも、こういうものを使ってみることでエフェクターの面白味もすぐに分かると思うし、プレイの幅も大きく広げていくことができると思います。僕自身としては、これらを使うことでハッタリを効かせられるというか(笑)、「スゲェことやってるんだぞ!」ってことをアピールできることが、とても嬉しいですね。やっぱり、ステージで「スゲェことやってんだぞ!」とか「スゲェ音出してんだぞ!」って観客に思わせることで、プレイヤーとしてのモチベーションも上がっていきますからね。

K:そうそう! こういうエフェクターは、ハッタリで使って欲しいですね。マジな話、SL-20やDD-7でまともに「ディレイで音を広げる」なんていう使い方だけではもったいないと思うし、それではエフェクターの持っている可能性を活かしきれてないと思うんです。とことん、邪(よこしま)な使い方を試してみたほうが、絶対面白いと思う。ギタリストが2人いれば、同じエフェクターを2人で使って、それぞれループにフレーズを重ねていってアンサンブルを組み立てていくのも面白いでしょうね。正確なピッキングができる人なら、SL-20を使えば64分音符刻みなんかもできるんじゃないですか?(笑)。メタルのギタリストに、ぜひチャレンジしてみて欲しいですよね。......いや、それは僕が先にやります(笑)。

 

アヴェンジャーズ・イン・サイファイ

Profile:アヴェンジャーズ・イン・サイファイ

神奈川県内の高校の同級生だった木幡太郎(Gt/Vo/Syn)と稲見喜彦(Bs/Vo/Syn)の2人に長谷川正法(Dr/Cho)が加わり、2002年頃から"avengers in sci-fi(アヴェンジャーズ・イン・サイファイ)"として活動開始。2004年にミニ・アルバム『avengers in sci-fi』、2006年に1stフル・アルバム『avenger strikes back』をリリース。2008年にはライブ会場限定シングル「PLANET ROCK_CD」の発売をはさみ、2ndフル・アルバム『SCIENCE ROCK』をリリースする。ポップでありながら3ピースの概念にとらわれないサウンドを基本に、さまざまな音楽要素を吸収したスタイルは「ロックの宇宙船」と評される。
オフィシャルサイト:http://www.avengers.jp/

 
 
Information
■CD

『SCIENCE ROCK』

SCIENCE ROCK

HKP-018 ¥2,500


■ライブ

ACCESS ALL UNIVERSE TOUR

1/23(金) 京都WHOOPEE'S
1/25(日) 岡山CRAZY MAMA 2nd ROOM
1/27(火) 熊本Drum Be-9
1/28(水) 福岡Drum Be-1
1/30(金) 広島ナミキジャンクション
1/31(土) 松山SALON KITTY
2/1(日) 徳島CROWBAR
2/7(土) 宇都宮HEAVENS ROCK
2/8(日) 熊谷HEAVENS ROCK
2/11(水) 札幌mole
2/13(金) 新潟CLUB JUNK BOX mini
2/14(土) 郡山CLUB #9
2/15(日) 仙台MACANA
2/20 (金) 名古屋APOLLO THEATER
2/21(土) 大阪ファンダンゴ
2/22(日) 神戸BLUEPORT
2/28(土) 代官山UNIT(ファイナル/ワンマン)

※詳細は、オフィシャル・サイトをご覧ください。