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Vol.25:シンガー・ソングライターより子、創造力を刺激するVP-770を語る

「あなた」のボーカル表現は、
VP-770がなければ完成させられなかった

─ 今回のレコーディングではVP-770を積極的にお使いになったそうですが、これまで、VPシリーズのような「声を演奏する楽器」というのは使ったことはありましたか?

より子(以下、Y):前のモデル(VP-550)をライブでは使っていましたが、レコーディングで使ったのは、今回が初めてでした。とにかく、最初にボーカル・デザイナーを使った時に「これはすごい!」と驚いて、これまでのどの楽器にもない、何かを感じていたんです。

─ その"何か"とは?

Y:この楽器って、人間の声が音源になるわけじゃないですか。だから演奏していて、自分自身がシンセの音源になったような気分になるんです。VP-770は、人間がいて、声があって初めて力を発揮するわけで、人間がいないと、ただの空っぽの箱。でも、人間が演奏することで、いろんなサウンドが鳴らせるという、とても不思議な楽器だと思っているんです。しかも、楽器の方が人間を選ぶんですよ。

─ 誰が弾いても同じ音がするのではなく、演奏する人の声によって、まったく違うサウンドが奏でられますからね。

Y:そうなんです。ですから、今、私の目の前にあるVP-770は「世界に1つしかない楽器」なんですよ。いつもこれを使っていて感じることは、私の中の"創造"という場所を刺激してくれる楽器だということです。「アー」って声を出して演奏するだけでも、たくさんのフレーズが聴こえてくるんです。ボーカル・デザイナーを使って歌っていると、とても神秘的な気持ちにもなりますし、単純に楽しくなれます。だって、VP-770が自分の歌を支えてくれるわけですから、歌が上手くなったような気分になるんです(笑)。とにかく、アナザー・ワールドに行けるんですよ。

─ 今回のレコーディングでは、どのような使い方をしたのですか?

Y:アルバムの世界観を作り出すうえでも重要な2曲、「Memory of Soul」と「あなた」で使いました。それぞれ、ちょっと使い方が違っていて、「Memory of Soul」では自分の声が主役で、それをVP-770に支えてもらう感じ。一方「あなた」では、VP-770をメインにして、自分の声で支えるコーラス・ワークとしました。

─ それぞれの曲のボーカルやコーラス・ワークは、実際にVP-770を弾きながら作っていったのですか?

Y:「Memory of Soul」は、オケだけを最初に全部作って、後からメロディを付けていきました。実は歌のバックで鳴ってるオケって、一度も変化しないんです。同じフレーズを、延々とリピートしているんですよ。だからシンプルな分だけ、一番難しい曲で、すっごく頭を使いました(笑)。でも私は、ずっとこういう曲を作りたいと思っていたんです。それにチャレンジして、こういう形で完成させられたので、これまでよりも一歩先に進めたんじゃないかな、って思ってます。

─ 「あなた」に関しては?

Y:「あなた」を"記憶バージョン"として再収録するにあたって、どうやって歌おうか悩んでいたんです。そこで、VP-770を使ってみようと思い付いて。最初は、まさかVP-770で最後まで歌い切るとは考えてなかったんですが、いざやってみたら、これがものすごくよかったんです。このバージョンは、エンヤのサウンドを参考にして作ったんですが、シンセ1台とピアノしか使わず、あとは全部声だけという、かなりシビアなアレンジなんです。1つの歌にずっと別の声がくっついて来てくれるなんて、普通にはできないことですからね。VP-770がなかったら、完成させられなかった表現です。

─ 演奏面で、何か工夫したことはありましたか?

Y:VP-770に合うような、自分の声と歌い方を研究しました。私の声質だと、いつも通りに「ハー」って歌うと、ちょっと音が固くなって、高域がすごくシャリシャリするんです。ですから、まずVP-770内蔵のEQでハイを下げておいて、それから自分の声をVP-770の音色に合わせていくようにしました。最終的には、高い音域では声を太くして、低い音域はちょっと声帯を締めるようにして歌って、テナー、アルト、ソプラノ......、というように、パート別に分けて録ったんです。

─ それを後から重ねたんですか?

Y:そうです。テナーさんはこういう風に動いてください、アルトはこういうフレーズで、と指示するようなイメージで、VP-770には完全にクワイヤー隊としてレコーディングに参加してもらいました。それとミックスの段階では、VP-770側でハイを下げた分だけ、ハイを持ち上げたんです。そうしたら、さらに人の声に近づいたんですよ。こういうことを研究するのが、大好きなんです(笑)。

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VP-770

ボーカル・デザイナー機能の品質を大幅に向上させたVP-770

歌いながら鍵盤を弾くだけで聖歌隊やゴスペル、往年のボコーダー・サウンドまでが演奏可能。サウンドの明瞭度と機能性をプラッシュ・アップしたVPシリーズ新モデル。

Profile

より子さんのプロフィール、および最新情報は、mnavi Interviewページをご覧ください。