フレーズの役割を考えて
ボーカル・デザイナーの音色を使い分けた
─ ボーカル・デザイナーの音色は、どのように使い分けましたか?
Y:「フー」とかの、いわゆるウーハー系と呼ばれるコーラス部分は、ボーカル・デザイナーの"CLASSIC"を使って、言葉と一緒に動くところは"GOSPEL"にしたりと、フレーズによって音色を使い分けました。"CLASSIC"でコーラス・パートを歌うと、ちょっとシンセ・パッドっぽいきれいな響きになって、逆に"GOSPEL"は音が揺らぐニュアンスがあるので、音色が言葉にマッチするんです。「あなた」は男の人と女の人が歌っているイメージだったので、男の人にメインになってもらおうと思って、男性的な音色がする"GOSPEL C"を使っています。一方の「Memory of Soul」は、女の人が男の人のことを歌っている曲なので、透明感のある"GOSPEL A"を選びました。その他にも、1本だけ高音で歌うフレーズや、男の人と女の人がワーッと歌っているような雰囲気を出したい時には"MALE&FAMALE"を選んだり、それぞれのフレーズの役割を考えつつ、音色を選んでいきました。
─ VP-770のボーカル・デザイナーを使いこなすためのポイントがあれば、教えてください。
Y:まず、VP-770を使って自分がどういう曲をやりたいのかを理解することですね。コーラスもボーカルと同じように聴かせるのか、それともボーカルの後ろで響かせたいのか。メロディアスにきれいに聴かせたいのか、それともデジタル・ボイスっぽくしたいのかとか。それによって、使い方がまったく変わってくるので、作りたい曲に合ったVP-770の立ち位置で、ボーカル・デザイナーの種類を選ぶことが大切です。それに、ストリングスやブラスといったアンサンブル・セクションの音色が、これまたものすごくいいんです。ボーカル・デザイナーにしても、アンサンブル・セクションにしても、とにかく音がいいので、演奏しながら自分が引き出されていくような感覚を感じられると思います。
─ 特にブラスは、SuperNATURALテクノロジーを駆使したエクスパンション・ボード「ARX-03」と同等のクオリティの音源が搭載されているんです。
Y:「何でここに、そんなに気合を入れるんだ!?」って思うくらい、音がいいですよね(笑)。そういうところも大好きですね。そのアンサンブル・セクションをボーカル・デザイナーに組み合わせて、歌の印象を変えることもできます。「あなた」をライブで歌う際は、ボーカル・デザイナーの"GOSPEL C"にアンサンブル・セクションの"CHOIR"をプラスすることで、より人の声に近い響きにできるんです。このような、聴かせ方の幅広さも、VP-770の魅力ですね。ですから、自分はどういう声質で、ボーカル・デザイナーを使うとどういう声に変わるのかということを、きちんと理解できれば、VP-770をより楽しめるし、いろんな歌の表現ができるようになると思います。私の場合は、元々の声質にあまりロー成分がないので、VP-770側のEQでローを少し上げた状態で歌うと、透明感がありながら力強い声が出せるんです。そのうえで、神聖な歌も歌えるし、ロックな歌も大丈夫だし、いかようにも転べるので、そういう意味でも、この楽器との相性はとてもいいと感じています。




