「女の子だから」ではなく、
「女の子なのにカッコいい」と思われたい
─ 11月にリリースしたシングル「ツキアカリのミチシルベ」は、どういうイメージで作ったのですか?
A:私って、自分からは言いたくないことを、あえて歌詞にするんです。普段の生活では、自分の内面的なことをあまり人に話すことってないんですが、それを歌詞にすることで、普段話さない分だけ気持ちをストレートに表現できるんです。「ツキアカリのミチシルベ」では、特にそれが強く出たと思います。
─ 曲の冒頭で「ここから逃げ出したい」という不安な気持ちを歌いながら、最後には「あきらめないで」と言うように、次第に強い意志が感じられる、等身大でリアルな感情が表現されていますね。
A:同世代のみんなが、きっとこういうことを感じているんじゃないかという想いを、歌詞にしたんです。おそらく、素直ゆえに、ひねくれた部分が歌詞に出ているんだと思います(笑)。でも、きれいごとだけでは作りたくないとも思ってるんです。今、私は19歳なんですが、子ども扱いされると嫌な気持ちになる。だけど、しっかりしてるかって言われたら、そうでもなくて。そういう"境目"にいると思うんです。期待して欲しいけど、プレッシャーは怖い、そういう矛盾を同時に抱いているような状態です。もちろん、どんな大人の方でもこの時期を通っていると思うから、同世代以外にも伝わるものはあると思っています。
─ サウンド面ではいかがですか?
A:私は「女の子だから」って見られるのが、すごく嫌なんです。逆に「女の子なのに」って思わせて、そこを武器にしたい。「女の子なのにカッコいいバンドをやってる」って思われたいんです。その意識は常に持ってます。あとこの曲に関しては、元々は8ビートで作っていたんです。それで一度レコーディングしたんですが、「やっぱり4つ打ちにしてみない?」っていう話になって、レコーディングしたその日に、ドラムを録り直したんですよ。8ビートだと、ちょっとまっすぐ過ぎる気がして......。私たちって、レコーディング中に曲が変わっていくことはよくあるんです。

─ ギターに関しては、どのようなイメージでプレイしましたか?
A:コード感がすごく気に入っていたので、AメロやBメロはあまり複雑にせずに、シンプルにコードの鳴りのよさを活かせるように考えました。それで、Bメロの終わりあたりからサビに向かってガッと盛り上がるように演奏しましたね。この感じが、すごく気に入っているんです。フレーズの感じだったり、盛り上がり方だとか、「ステレオポニーらしいね」ってよく言われます。場面によって、曲の展開がガラッっと変わるのが好きなんです。
─ バッキングのリズムがタイトな場面や、フレーズが滑らかな部分、そして盛り上がって、エンディングはしっとりと。とてもメリハリのある展開ですね。
A:サビでガッツリいってるのに、最後にすごく落としたり(笑)。それに加えて、頭の部分には歌とギターだけになる場面があるので、そういう意味でもギターの聴かせどころは多いと思います。激しいサビだけでなく、そういう場面でも惹きつけられるんじゃないかな。ですから、1曲の中でいろんな表情を出せていると思います。
─ そういった表情豊かなプレイは、やはりライブを重ねることで得られたものですか?
A:ライブの影響は大きいです。アルバムを作ったこともすごく勉強になりましたが、それをライブで演奏すると、どういう風に受け取られるのかも確かめたくて。やっぱり、ライブはお客さんのダイレクトな反応があるので、曲の持っていき方だとか、本当に勉強になることばかりでした。
─ その初のツアーの様子が、今回DVD『1st Tour A hydrangea blooms 2009』としてリリースされましたね。
A:ワンマン・ライブ自体が初めてだったので、すごく嬉しいツアーでした。観客のみなさんが、みんなステレオポニーだけを見に来てくれるわけじゃないですか。しかもソールド・アウトで、追加公演までさせてもらったり。本当に、みなさんのおかげだと感謝しています。それと同時に、どんどん欲も出てきましたね。いろんなことをやってみたいと思ったし、それにはどういう技術や知識が必要なのかということも分かるようになって......現在勉強中です。
─ 楽器を楽しんでいる読者に、見どころを紹介してください。
A:このDVD、自分で見て感動しちゃったんです。1つのライブのために、大勢のスタッフさんが携わってくれていて、しかもそこに、お客さんの笑顔が映っていて。これが何よりも励みになるんです。だから、感動しましたし、もっと頑張ろうと思いました。いろんな意味で、原点に帰れましたね。とにかく、ステージでの私の表情を見てもらえたら、もう全部が伝わると思います(笑)。本当に楽しんでます。ですから、今から楽器やバンドを始めたいという方々にも、必ず伝わるものがあると思っています。






