JUNO-DiのSUPER LAYERを使うと、
音の厚みだけでなくパンチも増していく
─ JUNO-Diの第一印象は、いかがでしたか?
H:やっぱり電池で動くっていうのがいいですよね。電池駆動の場合、どのくらいの時間使えるんですか?
─ 充電式ニッケル水素電池8本で、最大約5 時間の演奏可能です。ちなみに、AX-Synthも電池駆動対応で、こちらは約6時間です。
H:それなら、ライブでも全然大丈夫だよね。
K:POLYSICSはそんなに長いステージをやらないから、2ステージは十分にいけますね(笑)。

─ 電池を使えばコンセントが必要としないということはもちろんですが、POLYSICSさんのように海外でライブをする場合にも、電圧の違いを気にする必要がないというのも大きなメリットなんです。
K:ああ、そうですね!
H:確かにそうだね! それは思い付きませんでした。あとは、ボコーダー機能が搭載されている点も注目ですね。
─ いわゆるロボット・ボイス系の、明瞭度の低いクラシカルなボコーダーが手軽に楽しめます。
H:(実際にボコーダーを鳴らして)おお! これはいいじゃないですか。操作も簡単そうだし。
─ 通常のボコーダー・システムとは違って、JUNO-Diはエフェクトのひとつとしてボコーダーを搭載しているんです。ですから、元の音は何を使ってもよくて、例えばオルガンの音色でボコーダーを使うといったことができるわけです。
H:それは面白い発想ですね。ボコーダーって、かつては比較的マニアックな、一部の人だけが使う機能だったけど、これなら誰でも簡単にボコーダーが楽しめますね。他にも、USBメモリーに保存したオーディオ・ファイルを本体操作で再生できるという機能も、すごいと思いました。
─ 「メモリー・プレーヤー」機能ですね。USBメモリーにバッキング用のオケを保存しておけば、ステージでオケ(シーケンス・フレーズ)のポン出しも簡単に行えます。ボコーダーも使えますから、シンセ・ビギナーでも簡単に"POLYSICSごっこ"ができるんです(笑)。
K:オケのスタートやストップ、次の曲の選択といったことがシンセ1台で完結できるということは、安心感が大きいと思います。「センター・キャンセル」機能で、好きな音楽をカラオケっぽく鳴らすこともできるみたいなので、ライブだけでなく、普段の練習にも役立ちそうですね。

─ マイクも、ボコーダーだけでなく通常のボーカル用としても使えます。シンセ、マイク、オケのすべての音をJUNO-Diのステレオ・アウトからまとめて出力できるので、PAのチャンネル数が少ないような環境でも、これなら対応しやすいと思います。
K:一度、アメリカのライブ・ハウスで5チャンネルしか使えなかった時があったよね?
H:そうそう、最悪だった。5チャンネルのミキサーしかなくて、しかも1チャンネルが壊れていて(苦笑)。
─ (笑)。他に、JUNO-Di独自の面白い機能として「SUPER LAYER」があります。この機能を使えば、最大5パートまで音を重ねられます。単にコードを弾くだけでも、すぐに分厚いサウンドにできるんですよ。
H:いわゆるコーラス的な効果が得られるんですね。でも、エフェクトのコーラスとは違って、実際に発音しているわけだから、音に厚みだけでなく、パンチも増していく印象ですね。
K:JUNO-Gと同じように、音色をすぐに呼び出せる「FAVORITE」機能もあるんですよね。POLYSICSのライブだと、曲間がほとんどなくて瞬時に音色を変えないといけないので、ステージではこの機能はとても重宝しています。
─ POLYSICSのライブでは、カヨさんはすごく重要なポジションですよね。ステージでのカヨさんはとてもクールですが、どのようなことを考えながらプレイしているのですか?
H:打ち上げのことだよね。2軒目はどこに行こうっていう(笑)。
K:今日は何を食べようかな、って(笑)。いえいえ、それは冗談で、ライブの時は......本当に私はやらなきゃいけないことが多いので、あまり多くのことは考えてないですね。オケのスタートやストップも私がやりますし、それがうまくいくかどうかで、ライブ自体の出来まで左右してしまいますから。ハヤシくんのMCを聞きながら、そろそろ曲が始まるなと思ったら、ヤノを見て、オケを再生して......。かと言って、あまりに集中し過ぎてもよくないし、いい塩梅で、楽しくやってますよ。楽しそうに見えないかもしれませんけど(笑)。
H:そうそう、ライブのオケも、今はエディロールのR-44を使って鳴らしているんです。これまでは、MDマルチ・トラック・レコーダーと携帯オーディオ・プレーヤーの2台で、オケやクリックなどを鳴らしたりしていたんですが、R-44は4チャンネル使えて1台ですべてがまかなえるので、とても便利になりました。ライブのオケ用プレーヤーっていうと、ハードディスク・レコーダーを使う人が多いけど、ボクはそれにずっと疑問を持っていて。だってフェーダーは必要ないじゃないですか。ライブの音作りはPAがやるわけだし。それで、何かいい製品がないかとずっと探していて、ようやくR-44を見つけたんです。最近、ローランドづいているんですよ(笑)。ボコーダーはVP-770ですし、サンプラーのSP-555は、『Absolute POLYSICS』のレコーディングでノイズ音発生マシンとして多用しました。エディロールR-09も個人的に買ったんです。

─ R-09は、フレーズのメモ用ですか?
H:ボクはサンプリング・マシン感覚で使ってるんです。R-09で録った音をすぐパソコンに移して、シーケンス音として使うんです。最初は、普通に自分達のライブをR-09で記録して、それをパソコンに転送してチェック用のCDを作っていたんですけど、ある時に、これで録った音を素材としてDAWソフトで打ち込んだら面白いんじゃないかと思い付いてやってみたんです。ボクは、もともとサンプリングCDがあまり好きじゃなかったから、これはいいアイデアでしたね。



